私の居場所には「テレビ」というものがありません。そのためほとんど「テレビ番組」を見る機会がないのですが、唯一テレビに触れる機会があるのが「車の中」なのです。
本来であれば、運転中にテレビを見るのは「ダメ」であり、ほとんどの場合は「聞き流し」状態なのですが、昨夜帰り際に流れていた放送にはちょっと注目してしまいました。
平野美宇さんといえば、言わずと知れた女子卓球の第一人者で、パリ五輪の代表選手でもあります。沼津市役所にオリンピック出場を祝う看板が設置されていて、沼津と何のご縁があるのだろうと思っていたのですが、生まれてから2歳までは沼津で過ごされたとのことです。
そんな平野選手には妹さんがおり、同じ卓球選手だそうです。大変失礼ながら、私自身は存じ上げていませんでした。
その妹さんが広汎性発達障害を患いながらも、大学まで進学し、卓球においても成果を挙げられているとの内容を報じた番組でした。
元教員であったお母様が、分け隔てなく姉妹に接していたこと、我が子の障害が親である自分のせいではないかと、心を痛めたことなど、私自身も身につまされるようなお話をされていました。
一方で、妹さんが「卓球」を通じて、自らの障害に向き合い、少しずつではあるけれど主体的に社会に接しようと努力されている姿にも大変感動しました。
発達障害を持つお子さんは、特定の事象に強いこだわりを持つことが多いです。これは私の拙い経験の中でも何度も体験していることです。社会の「枠組み」という範疇において、これを抑制するのか、それともひとつの「個性」として大いに認めてあげるのか、その判断は人によって様々だと思いますが、私としては圧倒的に後者を支持します。芸術家や独創的な研究者に発達障害の方が少なくないというお話を聞いたことがありますが、まさにこの「強いこだわり」こそが、常人では成し得ない斬新な発想を生み出す源泉ではないかと、私は考えるのです。
多くのお子さんがいる中で、他の子と同じような「歩み」を辿ることができず、その責任を一身に抱え込んでしまう保護者様が散見されますが、そんなお子さんこそ「小さな成長」が大きな喜びに感じられるはずですし、他のお子さんが持ち合わせていない「個性」を持って生まれていることだってあるのです。
「オリンピックの金メダルは美宇の夢であり、私の夢ではない。障がい者と健常者の壁を取っ払うのが私の夢。」
平野選手のお母様のこのお言葉が、全てを物語っているのではないかと思うのです。当塾は進路実績ばかりをひたすら追い求める塾ではありません。「個性」溢れる皆様との「出会い」を、心からお待ちしております!
頑張りましょう!