小枝に縛られたゾウの話をご存じでしょうか?
インドでは子象が逃げ出さないよう服従を教えるために、子供のうちに頑丈な木などでつないでおくそうです。
その木は子象がもがいても頑丈でびくともしません。
そのうちに子象は「学習性無力感」を学び、何をしても逃げられないと思い込むようになります。
そうすると成長し、体が大きくなっても逃げなくなる。
それどころか、逃げようという試みもしなくなるそうです。
さてこの話、本当に象だけの話なのでしょうか。
我々人間も、幼少の頃からさまざまなきっかけで「小枝」につながれながら成長しているように思います。
それは一般的な常識だとか、ある偏った思い込みだとか。
ほんの一例を紹介しますと、たとえばそれは「自分の生まれ故郷」だったりします。
私は北海道の函館市という、観光では有名な場所ではありますがいわゆる「田舎」で育ちました。
今の10代とか若い年代もそうかは分かりませんが、少なくとも私は田舎出身である事から、都会の人間に比べて成功しにくいという変な思い込みを持っていたものです。
大人になり、実際に田舎から出ることでそれはだいぶ薄れましたが、ずっと同じところに住んでいては今もそう思っていたかも知れません。
子供の頃に感じた「田舎者には無理」なんていう小枝は、あまりに無意識すぎて、大人になった今も実際のところどう感じているか、意識してみないと分からないものです。
それに、自分の小枝になる最たる物は「学校の成績」かも知れません。
国語、算数、理科、社会、体育、音楽、図工、などなど、あらゆる教科が数値化され、判断されてしまいます。
すると、数字が低いという理由だけで「自分は頭が悪い」とか、「自分には出来ない」という小枝が子供の頃に出来てしまい、大人になっても根深く残ってしまいます。
私の家の近所にとある双子の姉妹が住んでいます。
小学校2年生のその姉妹。
私の2歳半の娘とよく遊んでくれるのですが、その妹の方が私にこんな事を言うのです。
「お姉ちゃんは頭いいんだ。学校の成績がいいし。私はバカなんだよね。」
私に言わせると彼女は素晴らしい能力があります。
2歳半の子供に対し、愛情を注いで遊んであげられる優しい心。
季節感を感じ、それを無邪気に表現する文章力。
これからする遊びをみんなに分かりやすく伝える力。
どれもこのまま伸ばしてあげたいと思う素晴らしい能力です。
しかしただ単に学校で押しつけられた「数字(成績)」が悪いというだけで、自分はバカだと評価してしまっているのです。
さて、「自分のやりたい事に気付くための5つのステップ」のその1は「自分の縛りを解く」事です。
まずは自分にとって何が小枝になっているのか認識することがとても重要です。
せっかく「こういう事がしたい。これをやってみたい」という欲求があったとしても、その小枝が邪魔をしてそれを察知出来なくしている可能性があるからです。
ではどうしたら自分の小枝に気付くことが出来るのか?
ひとつ非常に効果的な方法があります。
それは「自分史」を作り、ことある事に眺めてみる事です。
自分の簡単な略歴でかまいません。15分位で出来るでしょう。
自分史を眺めながら、自分の小枝となっていそうな事件を自分の胸に問いかけながら探るのがとても効果的です。
黒瀧の自分史。自分のルーツを今一度探ろう。
またもし可能であれば、ぜひ自分の両親の歴史も入れて下さい。
まずは「自分が何歳の時に、父は何歳で母は何歳だった」という情報だけでかまいません。
自分の縛りを解く際、それが後々大きく効いてきますので。
幼少の時に何かしらのきっかけで持ってしまった自分の小枝。
その存在に気付き、今もそれは必要かどうかを判断する事。
必要無ければ手放す事。
その作業が自分のやりたい事に気付くための1st Stepです。
「自分学」主席講師 黒瀧
自分のやりたい事に気付くための5つのステップ
>> その1 自分の縛りを解く
>> その2 自己愛を取り戻す
>> その3 自分の大好きな人の事を考える
>> その4 自他満足を成立させる
>> その5 自分の崇高なるお金の使い方を持つ