今日は、自然療法士にまつわる法律について学びました。
なんと、1939年から施行されているものなんですって。
こういった法律があること自体、素晴らしいと思います。
しかし、その当時のままのドイツ語ですから、
難しい・・・、
しかも罰金150帝国マルク(150Reichsmark)なんて書かれた
文章もあって、思わずふふふ、とみんな含み笑い。
戦争中の法律ですからね~

自然療法士とは、ようするに、
職業行為として、
患者の苦しみ・病気をとりのぞく、
または軽減する行為を行うもの。
(う~ん、法律用語訳すの難しい)

自然療法士の資格無く治療行為を場合は罰せられる(禁固刑)

公共の場で治療行為を行う事は認められず、
資格のあるものがそれを行った場合は150帝国マルクの罰金、
資格のないものは1年以内の禁固系に処される
(これは、たとえば、市場などでブースを開いて治療行為を行うことが許されてないという事らしい)

以下の行為は禁止
口腔治療
24条にある感染症治療
性感染症の治療
処方箋をだす
出産補助、(中絶行為)
公式の書面作成(病欠届け、死亡届))
レントゲン、
クア許可
眼鏡作成
麻酔治療
予防接種
臓器移植

といったかんじ。これ以外はやっていいんだ~、ってかなり自然療法士の治療に制限がないことを知りました。
だって、採血していい訳だし。
機械さえ揃えちゃえば(途方も無い値段だけど)レントゲン以外はしていいってことでしょ?
公的な権利が無いのは、仕方ないけど、あったら良かったのにな~と思う。
例えば、うちの夫が風邪引いたら私が彼の会社に【病気証明書】を書けたりしたらいいのにね。
これはお医者様の特権らしいです。


指定された感染症の疑いがある場合は、
保険局にただちに連絡する事が義務づけられている。

指定された感染症とは、
コレラ
ジフテリア
ボツリヌス中毒
狂牛病
急性ウイルス肝炎
HUS
はしか、
脳炎
炭疽
ポリオ
ペスト
狂犬病
チフス

これは、患者を診て「疑いあり」と判断した時点で通報する。
しかも患者の名前も記入する事。
感染範囲を最小限に食い止めるためには、迅速に情報が伝わる事が大切で、
患者の住む地域の保険局に連絡すること。

匿名で保険局に連絡する感染症もあり、それは確か感染症を勉強したときにブログにアップした気がする。

この法律は、口頭試験で必ず聞かれるものであり、
丸暗記する部分と具体的な例を挙げて説明できさえすればいい、というかんじで要点をまとめてもらえたのがとっても役立ちました。

う~ん、丸暗記、ドイツ語、がんばらねば!
私が通っている学校は、全日コース、夜間コース、週末コースと分かれています。
ドイツにあまたある自然療法士の学校のなかでも、融通を利かせてもらえています。
なぜなら、大手の学校と違って、少人数制だし、学校を運営している人が話の分かる人、だからでしょうか。
土曜日は毎週、息子が日本人学校に通っています。
しかも私の学校のすぐ近く。
13時から始まる日本人学校、終わるのは17時。
送りにいって、また一度家に帰るのはめんどうなので、たいていのお母様たちはお茶をしたりショッピングをしたりして空き時間を楽しまれているようですが、私は空きスペースで一人勉強することが多かったのです。
学校を運営している方に、「土曜日コースに参加させてほしい、空き時間を有効に使いたいから」とお願いしたところ、快諾。空席がある限り聴講可とのことで、土曜の朝9時半から15時まで授業に参加することになりました。

先週から始まった新しいテーマ、「ホルモン(内分泌)学」。
このテーマ、日本で習った時もとてもおもしろい!!と思っていたもの。

視床下部、下垂体とホルモンを作る臓器たちの関係はまるで会社の組織そのもの。
社長である視床下部が下垂体という部長(または課長)さんに指令を送ります。
「おい、血液中のナトリウム濃度が低いぞ、副腎皮質課に指令を送っておけ!」とね。
そうすると部長さん(下垂体)、副腎皮質に指令書を血液というファックス装置を使って社長の命令を伝達する訳です。「副腎皮質課は早急にアルドステロンを生産して血液中のナトリウム濃度を正常にするように!」とね。
そのファックスを受け取った副腎皮質はアルドステロンを生産して、腎臓がナトリウムを血液に戻すようにしてくれるわけです。
アルドステロンを多く生産してしまった場合、血液という媒体を通して、社長さん(視床下部)がチェックする訳です。するとまた下垂体に「おいおい、アルドステロンが過剰生産されているぞ」と抑制刺激ホルモンを送るよう命令、フィードバック機能となるわけです。

う~ん、素晴らしい、体の作りって。

学んでいることは、とっても楽しいし、聞いていて飽きないんだけど、ドイツを襲っているこの暑さ・・・。
学校には冷房なんてありませんから、みんなのぼせ気味。
先生の話も今思い返すと、なんだかもやの中で聞いていたような感じ、うまく思い出せない。

そして、今、栄養学、呼吸器系も並行して勉強しているため、いっぱいいっぱい。
土曜日が一日つぶれてしまうことも、けっこう痛い。
予習、復習の時間も半端じゃない。
家事もあるし、日本人女性むけに行っているアロマテラピー教室の準備もあるし、日曜日はお呼ばれなどでつぶれることが多く、本当に目が回るような忙しさ。
それに加えて35度を超える暑さで体も悲鳴を上げている・・・。

きっと早起きして時間を作れってことね。

充実してるんだけど、ちょっとかかえすぎかな。

最近、「自然療法士に興味があるので教えてください」というメールをいただきます。

申し訳ないのですが、なかなかお一人ずつメールを書く余裕が無く、ここでお返事とさせて頂きます。

ドイツでは医者と自然療法士が病気の人を治療してよい、ということになっています。

ですから、自然療法士というのは、「医師免許」にあたるものと考えて頂いていいと思います。

「医師免許」があるからといって、すぐに診療所を開く、というわけにはいきませんよね。

ようするに、内科、外科、耳鼻科、整形外科、眼科といった「専門」がないかぎり、診療所は開けない訳です。

「自然療法士」もホメオパシーや、鍼や、心理カウンセリング、といった専門を生かして、病気の人を治療したいという人が資格をとるわけです。

私の場合も、アロマテラピー、指圧、リフレクソロジーといったものを、「健康増進・美容目的」というものだけでなく、病気を治す治療方法として施術していきたいため、この資格を取ることに決めたのです。

「自然療法士」になりたい、というのはとても漠然としすぎていて、「この専門を生かして、ドイツで診療所を開きたいから自然療法士の資格が必要」という形で勉強を始められることをオススメします。

学校で紹介される「自然療法」もこういった治療方法があるよ、といった紹介程度で、専門の治療にプラスαといったかたちで取り入れられたらどうか、という感じで教えて頂いています。

「医師免許」に必要なことは、医学部で習うような、解剖学、病理学、生化学といった体全般に関わることですよね。
「自然療法士」の勉強も同じです。
体の作り、病気の成り立ち、といったものを分かっていない限り、病人を治療する事はできない訳です。

どれくらいのドイツ語能力が必要ですが?ということですが、
ゲーテインシュトトゥートKDSレベルはないときついかとおもいます。
ドイツ語だけでなく、ラテン語もかなりの量を覚えていかねばならず、中級程度ではついていくのは難しいです。
筆記試験が受かっても公認医師による、口頭試験も待っています。
口頭試験では、例えば、「ジフテリアの病気を説明してください」といった質問がきたかと思えば、「左腕から背中にかけて疼痛がある場合は、どんな病気が考えられるか、なぜそう思うか答えよ」といった感じで、とにかくあらゆる病気をマスターしていなければなりません。

あと、学校についてですが、勉強期間はそれぞれで、2年から2年半といったところでしょうか。

といった感じで、頂いたメールのお答えになっていますでしょうか?