高校の英語の教科書に深海探査についての文章があった。我が国の「しんかい6500」と計画中の後継機について書いてあった。双方とも有人探査艇である。後継機は深さ10,911mのマリアナ海溝に潜ることができると書いてある。「あれ?」と思った。私が子供の頃に読んだ本には、「トリエステ号」という有人の深海探査艇がマリアナ海溝の最深部へ到達したと書いてあったことを記憶している。
改めてインターネットで調べてみた。トリエステはスイスで設計されてイタリアで建造された深海探査艇だ。深海探査には莫大な費用が掛かる。費用が捻出できなかったので、アメリカ海軍に買い取ってもらったそうだ。当時は東西冷戦の真っ只中だった。アメリカとしては旧ソ連に対する優位性を示したかったので、買い取り話に乗った。この単査艇は有人で世界最深部へ到達した。
教科書の英文は誤解を招く書き方をしている。あたかも日本が深海探査の最先端を走っているかのように読める。マリアナ海溝の最深部へは相当前にトリエステが到達していることを記述すべきだ。