2月 読書 | ええもん みっけ!!

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ええもん = 日常の中で自分なりに見つけた美味しいもの、綺麗なもの、お気に入り等を書き綴っています。

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今日は晴天。太陽

それなのに 屋根の上にもベランダにも雪が残っていて、洗濯物が外に干せない・・・ショボーン

雪融けで空気が乾燥しないのは良いけれどね。

 

クローバークローバークローバークローバークローバークローバークローバー

 

先月読了した本 本

 

『 心淋し川 』 西條奈加

目次:

心淋し川(うらさびしがわ)

閨仏(ねやぼとけ)

はじめましょ

冬虫夏草(とうちゅうかそう)

明けぬ星

灰の男


「誰の心にも淀みはある。でも、それが人ってもんでね」
江戸、千駄木町の一角は心町(うらまち)と呼ばれ、そこには「心淋し川(うらさびしがわ)」と呼ばれる小さく淀んだ川が流れていた。

川のどん詰まりには古びた長屋が建ち並び、そこに暮らす人々もまた、人生という川の流れに行き詰まり、もがいていた。
青物卸の大隅屋六兵衛は、一つの長屋に不美人な妾を四人も囲っている。

その一人、一番年嵩で先行きに不安を覚えていたおりきは、六兵衛が持ち込んだ張形をながめているうち、悪戯心から小刀で仏像を彫りだして……(「閨仏」)。
裏長屋で飯屋を営む与吾蔵は、仕入れ帰りに立ち寄る根津権現で、小さな唄声を聞く。

かつて、荒れた日々を過ごしていた与吾蔵が手酷く捨ててしまった女がよく口にしていた、珍しい唄だった。

唄声の主は小さな女の子供。思わず声をかけた与吾蔵だったが――(「はじめましょ」)

ほか全六話。
生きる喜びと生きる哀しみが織りなす、著者渾身の時代小説。

 

 

 

『 戦国 十二刻 女人阿修羅 』 木下昌輝

目次:

戦腹(いくさばら)

殉妻(じゅんさい)

祈刀(きとう)

醜愛(しゅうあい)

聖室(せいしつ)

鬼妹(きまい)

証母(しょうぼ)

 

歴史の大事に至るまでを濃密に描く「戦国十二刻」シリーズ。

阿茶…長久手の戦いで家康が勝利するまでの24時間。

ガラシャ…父光秀の死の真相に近づくまでの24時間。

諏訪花…高遠城を脱出するまでの24時間。

賛姫…吉川元春との婚約成立までの24時間。

ジュリア…大友軍壊滅までの24時間。

義姫…伊達家と最上家が和睦するまでの24時間。

千代…織田信孝が母を犠牲にするまでの24時間。

戦国の世に翻弄された七人の女性たちに迫る短編集。

 

 

 

『 阿茶 』 村木嵐

目次:

第一章 狭間の人

第二章 味見姫

第三章 腕くらべ

第四章 関ケ原

第五章 天下人、右近殿

第六章 宝玉の椅子

 

「政など、きれいごとでは進まない。呑まれているときではない」

豊臣家大坂城の堀を埋め徳川の権威を決定づけたのは、武士をも凌ぐ智慧を持った阿茶だった。

夫亡き後、徳川家康の側室に収まり、戦場に同行するも子を喪う。

禁教を信じ、女性を愛し、戦国の世を自分らしく生き抜いた阿茶の格闘と矜持が胸に沁みる感涙の歴史小説。

 

 

 

『 今日も町の隅で 』 小野寺史宜

目次:

梅雨明けヤジオ

逆にタワー

冬の女子部長

チャリクラッシュ・アフタヌーン

君を待つ

リトル・トリマー・ガール

ハグは十五秒

ハナダソフ

カートおじさん

十キロ空走る(じゅっきろからばしる)

 

同級生の長野くんに誘われて野球観戦に来た愛里。

2人の前には大声でヤジを飛ばす男が座っていて……「梅雨明けヤジオ」。

バンドでリードギターからベースになった悠太が初デートで訪れたのは“ツリー”ではなく“タワー”だった――「逆にタワー」。

思いもよらない偶然を重ねて出会った駿作と那美は、その時が来るのを待つ「君を待つ」。

ほか、全10編を収録。

11歳から42歳、それぞれの「選択」に向き合う男女を描いた、著者初の短編集。

 

 


『 累々 るいるい 』 松井玲奈

目次:

1 小夜

2 パンちゃん

3 ユイ

4 ちぃ

5 小夜

 

本当の私は誰。
結婚、セフレ、パパ活、トラウマ……。不穏さで繋がる全5編。
たくらみに満ちた、著者の新境地。

1  小夜 「小夜と今年中に籍を入れたいと思う」。

夕食の最中に告げられた、30歳の彼からの味気ないプロポーズ。

23歳という自分の年齢が結婚に適しているのかどうか、小夜にはわからなかった。
2  パンちゃん 獣医の石川は、去勢手術をするたびに自分のモノが切られる夢を見る。そんなある日、友達以上恋人未満の女性とラブホテルへ行くことになり――。
3  ユイ 恋愛シミュレーションゲームをプレイするがごとくパパ活女子との逢瀬を繰り返す星野は、これまで出会った誰とも違う、ある女子大生と出会う。
4  ちぃ 美大生の彼女が、才能と人柄にのめり込んだハジメ先輩。

すべてを賭けて好きになったその恋の末路は――。
5  小夜 誰もがうらやむ幸福な結婚式の、秘密。

 

 

 

『 君をおくる 』 泉ゆたか

目次:

第一章 ぶーさん

第二章 サクラちゃん

第三章 リリー (クッキー)

第四章 タタン

 

憧れだったはずの仕事を辞め、前に進めなくなってしまった明日香の前に現れたのは、アパートの塀の上にいるサビ猫の「ぶーさん」だった。

ある日ぶーさんが病気になったと訴える少女の話を聞いた明日香は、行きがかり上、動物病院へ連れていくことになった。

その古びた動物病院で思いがけず、ぶーさんは明日香の人生を変えることになる。

そして数年後、お別れの時が訪れた。(「ぶーさん」より)

友人で、家族で、パートナー。

私たちにとって、かけがえのない存在であるペットたち。

彼らとの出会いとお別れ、幸せを描く、4つの感動の物語。

 


 

『 嫁ぐ日 狸穴あいあい坂 』 諸田玲子

目次:

ツキエ

幕間

花の色は

水と油

いらない子

それぞれの道

嫁ぐ日

 

元火盗改方与力の祖父と麻布狸穴町で暮らす結寿が、八丁堀同心の妻木道三郎とともに、界隈で巻き起こる事件の謎を解き明かす大人気シリーズ。

 

妻木への初恋を胸の奥にしまい、御先手組の小山田家へ嫁いだ結寿。

やがて夫の万之助と心を通わせあい、娘の香苗が誕生。

ところが、予期せぬ出来事が婚家を襲う。

辛い別れを経て狸穴町へ帰った結寿。

懐かしい人々との穏やかな毎日が始まるかと思いきや、かつてのように、妻木とともに様々な事件の解決に走り出すことに。

押し込み騒動、花魁殺し、子攫い……。

罪に苦しむ人々の心を解きほぐすうちに、結寿自身の心にも変化の時が訪れて――。