「君たちはどう生きるか」集中講義
こう読めば100倍おもしろい
著:浅羽 通明
出版幻冬舎新書
感想
図書館で「君たちはどう生きるか」を検索した時に、【「君たちはどう生きるか」に異論あり】とともに同時にヒットした一冊でした。この三冊を合わせて読む機会を得られたことはグランパにとって大変貴重な読書体験をさせてもらったことに感謝したい。
氏は、「あとがき」で、「名著とは、広場でありカフェであり読書会である」。続けて「読み方次第で、まるで意想外な顔を現わしてくる」「これを実践してみせようと考えた」とされる。
なるほど、「ジェットコースター」に乗せられたように、古今東西の思想の知識を基にした縦横無断な評論が展開されたのはと納得。グランパの乏しい一般教養の知識では、消化不良のところも多い。しかし、氏は「評論とは物語が描けない者による二次創作である」とされており、それぞれの「読む力」に応じて、「創作」しながら読むというあり方を教えてもらったことは大きな収穫だった。
「前編 美少女・ナポレオン・唯物史観」では、「一般教養」程度の知識ではあるが、「マルクス主義」と「実存哲学」という20世紀の代表的な思想的な流れをベースに、展開される評論は、非常にワクワクする。
氏は、「君たちはどう生きるか」は、「マルクス主義」「資本論」の「入門書」(丸山真男)という位置付けを紹介される。ちょっと無理筋という感じもあったが、「村瀬評論」では考えもしなかった斬新な視点であった。
とくに第五章の「ナポレオンと四人の少年」の「かつ子」さんの位置付けについては、まったく新しい新しい展開であった。「村瀬評論」でも(マンガ版では、割愛され描くことさえされていない)全く評価されていない点が正反対の真逆な評価が行われている点は非常に興味深い。
思想的には、逆な立場であると思われる「唯物史観」と「実存哲学」の「対立」の場として展開されていると指摘される。多くの評論家思想家、戦後の神思想家とされた丸山真男させ「分からない」とされ、「池上特別授業」でも全く抜け落ちている視点であることを指摘される。
この点も氏が指摘される「読み方次第で・・意想外の顔」を出してくる具体例だと思った。
後編は「正義は有料であること」という表題で展開される。
建前の道徳の教えよりも、もっと事態を「リアル」にとらえることを強調され、【「修身」と「社会科学」を統合した新しい道徳教科書を】と展開される内容は共感するところも多い。
「憲法とは悪質な詐欺であった」(もちろん戦前の大日本国憲法も同様であるが)というくだりは、憲法で保障している国見の諸権利は、「約束」だけで、実現しようとすると実際は「膨大なコスト」(有料)がかかり、実際は実現できないことがほとんどであること。これは支配者としての「イデオロギー」の一つであることなど。
こうした「過激」な言い方が随所にでてくるが、氏独特の「リアリズム」に基づく展開であり、大いに興味をひいた。
これも氏の言われる「二次創作」的な読み方の一つであろうと思った。
今までの読書経験では得られない新たな読み方を体験できてグランパとしては大変面白い一冊だった。
CHatGPTより
丸山 眞男(まるやま まさお)- 政治学者・思想史家
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略歴・人物像
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思想と業績
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『日本政治思想史研究』(1952年)や『現代政治の思想と行動』(1964年〈初版は1956–57年〉)などを通じて、西洋思想と東洋古典を融合させた深い学識と戦後民主主義への思想的貢献を行いました。コトバンクAmazonmsz.co.jp
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特に「私自身の選択として、大日本帝国の“実在”よりも戦後民主主義の“虚妄”に賭ける」という言葉が象徴的です。コトバンク
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軍隊経験や広島での被爆体験を背景に、「戦争と民主主義」「超国家主義」などのテーマで幅広く現実的かつ普遍的な視点を提起しました。hiroshimapeacemedia.jp神奈川県電子申請システムnote(ノート)
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その後