こんにちは、才能心理学協会の北端康良です。
ある人気進学校では、生活体験を中心として、さまざまな技能や科目を学ぶカリキュラムが取り入れられているそうです。
なかでも名物授業は「園芸」
原産地、日本に入ってきた経緯、品種改良の歴史、害虫や病気の知識、育て方、食べ方…
野菜の栽培を通して、あらゆる立場からの視点を学ぶのだとか。
おもしろいですよね。
生きていく上で、立場や役割のバランス感覚を養うことはとても重要ですが、この学校では、その力を養う教育が実践されているなと感じました。
例えば、私たちは「消費者」と「生産者」、2つの生活を持っています。
消費者の立場では、思い通りになるサービスを求めますが
生産者の立場では、消費者が思い通りにならないと感じていることを、思い通りにできるようにするのが仕事ですね。
しかし、このバランスが崩れ
「消費者の自分」が強くなり、思い通りになることに慣れてしまうと
「生産者の自分」としての仕事を放り出したくなってしまう。
便利さに慣れすぎると、生きる力が削がれてしまうのです。
人生はそもそも、思い通りにならないもの。
子供の頃から与えられることに慣れすぎる、ということは
その分、人に貢献したり、幸せにする力が削がれているということではないでしょうか。
ヤマト問題に代表されるように、最近では便利さが増す一方で
サービス提供者の努力や苦労が見えなくなっているという事実は否めません。
立場や視点の偏りに気づいたら修正できるよう、我々大人も意識していかなければいけないなと思います。