10月9日、長野地方の天気予報は「雨のち曇り」。
雨が上がっても、霧で展望は望めないだろう。
しかし、5年前に見た、あの峠からの紅葉が忘れられず、志賀高原に出かけた。
(これは、2011年10月・志賀高原山田峠からのもの。笹とナナカマドのコントラストが美しい。)
8時半、漸く雨が上がった。
志賀高原には日本国道最高地点(標高2172m)があり、晴れれば、上のような風景が見られる。
しかし、やはり今日は無理。
標高1600mくらいまで降りてくると、時折、さあっと霧が消える瞬間はある。
そんな時は、慌ててカメラを取り出し、とにかくシャッターを切る。
じっくり構図や露出を決めている時間はない。
遠望はあきらめ、池や湿原の紅葉を撮ろうと決めて、車を駐車場に。
駐車場近辺の建物も、いかにも「志賀高原」だ。
先ずは、一沼と琵琶池。
だが、霧のため、紅葉の色が映えない。
ならば、紅葉の色彩はあきらめ、モノトーンでいこう
テーマを「霧と白樺」に切り替え、気落ちした自分を無理やり元気づけた。
何か所か見て回り、木戸池から田ノ原湿原に絞ることにした。
気温は6℃。木戸池に、わずかだが「蒸気霧」が発生した。
ここから田ノ原湿原に下っていく。
霧はますます濃くなり、視界は50mあるかないか。
風の流れによって、周囲のトーンが微妙に変化する。
木道から眺める霧と白樺の景色は、見とれるほどに幻想的だ。
5年前には歩くことのできた白根山の周囲の道は、駐停車も立ち入りも禁止されていた。
火山の活動を警戒してのことだ。
気温は4℃にまで下がって真冬並み。
風も強くて、カメラを構えると吹き飛ばされそうになる。
やむを得ず、これで撮り収め。
霧に包まれた秋景色も良いが、やはり光が恋しい。
次は、陽光に輝く紅葉に出会いたい。
どこか、すっきりせぬ思いで、帰路に就いた。
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