脊椎間狭窄症の手術をしたのは、昨年6月。
今年の春には、満を持して雪解けの春の低山にも登った。
そして夏。
さすがに3000m級の夏山は無理だ。
しかし何とか、あの「涼」を感じながら高山植物に出会いたい。
そこで、緩やかな2000m級の山を選び、その中の2座に挑戦することにした。
8月9日の午後に出発。
先ず、八方尾根を目指す。
何度も登ったことのある緩やかなコースだが、術後の身体には厳しい。
初めて、黒菱平(標高1680m)から2時間かけて八方池(標高2060m)を目指すことにした。
黒菱平に向かうリフトは4時30分から動き、ご来光を拝むことができるのだ。
食事とアルコールを買ってから、標高1500mの黒菱駐車場に着く。
ここは車が200台しか置けないので、翌朝だと駐車できない可能性もある。
だから前日に来て、車中食と車中泊を決め込んだ。
翌朝3時になると、人声があちこちから聞こえる。
4時になると、リフトのチケットを求めるために100人を超える長蛇の列。
4時40分、やっと黒菱平到着。
日の出前の雲海が広がる。
雲が厚いため、5時を回っても太陽の顔が見えない。
だが、モルゲンロートが見事だ。
朝の陽を受けて、山肌がピンクに染まる現象だ。
白馬三山(左から白馬槍ヶ岳・杓子岳・白馬岳)が清々しい。
そして、ご来光。
他の山客は、すぐに登り始めたが、私はしばらく鎌池湿原で被写体を探した。
と、まだ光が差し込んでいないのに、足元に光るものを見た。
鎌池に映る、モルゲンロートの白馬三山だった。
気を良くして登り始めると、なんと、下から霧が上ってきて辺り一面真っ白になってしまった。
霧は晴れるようには思えない。
晴れていれば、下の写真の木道の左側にしっとりとした下界が臨めるのだが・・・😢。
やむなく、足元の花を撮りながら、気落ちして歩き続けた。
こんな天気に、無理をして歩き続けることはない・・・・・
そんな弱気が心を支配していた頃(7時)、突然、霧が晴れてきた。
登山客からは歓声が挙がる。
あと、30分ちょっとで目指す八方池だ。俄然元気、元気!
そして・・・
目の前に、北アルプスの雄姿がくっきり。
マツムシソウが満開だ。
そしてお目当ての八方池。
時刻は8時だが、霧もまた多くなってきた。
そろそろ下山にかかる。
この時刻になると、6時30分から運行の始まった八方駅のゴンドラで登ってきた登山客で「上り」は渋滞状態だ。
やがて、駐車場。私の車も右上に見える。
汗の後は温泉がお決まりだが、午前ではまだやっていない。
しかたなく早めの昼食を摂り、穂高方面の温泉に浸かろうと考えた。
ところが、10日の月曜日はどの温泉も休館。
ショック!
しかし、たまたま見つけた「日帰り温泉」の民宿。
人の気配のない受付で大きな声を張り上げてみた。
出てきた女将が言うには、この民宿も休館日。
しかも、8日の豪雨で上流に土石流があって温泉宿には温泉が届かなくなっているとのことだった。
燕岳の登山口で起きた土石流だ。
取り残された登山客も200人を超え、救出作業があったとのことだ。
「新しい湯は入ってこないが、それで良ければどうぞ」
と、特別の計らい。
土石流被害を心配しながら、広い浴槽を独り占めした。
10日の夜は、安曇野ちひろ美術館で車中泊をすることにした。
陽射しは強いが、木蔭に入ると風が涼しい。
北アルプスを望みながら、至福の時を過ごした。
翌11日は、美ヶ原高原に4時30分着の予定で、穂高を出た。
ところが標高を上げると、濃い霧に包まれた。
ライトをつけても、10m先がはっきり見えない。
ゆっくりゆっくり車を走らせた。
一瞬、霧が晴れたが、この時だけ。
標高2000mの駐車場で、6時までまったが、霧の晴れる様子はない。
諦めて埼玉に帰ることに決めた。
ところが、少し走った所で、右にピンク色の花らしいものが見えた。
武石峰(標高1972m)のお花畑だ。
ピンクの主は、お目当てのヤナギランだ。
曇天だったが、これほどのヤナギランの群生は初めてだった。
何枚かご覧いただこう。
大きなシシウドも咲いていた。
花の後ろに見える山は、穂高連峰~槍ヶ岳だ。
それにしても寒い。
おそらく15度くらいだろう。
最後に接写をして埼玉に戻ることにしたが、見事なお花畑を堪能した。
夏山は、ここまでだ。
9月から11月は紅葉を撮りに足を延ばしたい。

































