こんにちは。大河ドラマ「新選組!」、序盤と終盤を見た覚えが残っている、エドゥアルド・ルイスです。中盤がなんか中だるみしたような感じがしたせいか記憶にないんですよね。まぁ三谷さんも成長し続けているということで。
さてそんな枕から今日は『美ジュアル日本 動乱の幕末に青春を賭けた男たちがいた 新選組が京都で見た夢』を紹介します。最近の世間は平安・鎌倉時代よりになってますけどたまにはね?
本書が属する「美ジュアル日本」シリーズは写真に重点をおいています。本書はふんだんなカラーページに印刷されているくっきりとした写真を通して、かつて確かに存在した隊士の見ていた光景を視覚でたどり、あれから変わってしまっただろう風景に儚さを感じる構成です。
新選組という組織の知識の入門書としてもグッド。時系列に沿って前身の浪士組が京に向けて出立するところから(本筋が近藤勇たちの生い立ちから始めていないのがさりげにグッド)その終焉までを端折り過ぎず詳し過ぎず、ツボはきちんと押さえた丁度良い塩梅で解説しています。
「新選組」の隊名が「もともと会津藩の軍制のなかにみられる名で、本陣の藩主護衛役のために諸芸に秀でた藩士の子弟三十人を選抜して作られた組織名」(p.52)だったのは知りませんでした。武士でもない者達へ譜代大名がかけた期待の大きさがうかがえます。
奉公が認められて「正式に幕府直参となった」(p.104)のに合わせて豪華な作りの新屯所に移転したのが、慶応三(1867)年六月。この数字は本人達が知らなかっただろうすぐ後の悲劇の悲劇性を高めていますね。夢がかなったすぐあとで、なのですから。新屯所についてのページには新屯所の跡を示す石碑の写真もないのが、何とも寂しいものです。そんな調子で115ページ目からはモノクロに、というのは演出ではなく予算の都合で、と思いたいです。
巻末には主要隊員の略歴をつづった名簿と新選組ゆかりの地を示した地図も掲載。若干古いですが、幕末京都のメジャーな切り口にしてプレーヤーのあらましを知るのにピッタリの一冊と言えるでしょう。
El Shinsengumi era una fuerza de policía especial del último período del shogunato en Japón.
(新選組とは幕末日本にあった特殊警察部隊である。)
『美ジュアル日本 動乱の幕末に青春を賭けた男たちがいた 新選組が京都で見た夢』
中田昭(写真)
学研グラフィックブックス
高さ:21.7cm 幅:16.9cm(カバー参考)
厚さ:0.9cm
重さ:315g
ページ数:145
本文の文字の大きさ:3mm強