El Despacho Desordenado ~散らかった事務室より~

El Despacho Desordenado ~散らかった事務室より~

2015年1月4日から「Diario de Libros」より改名しました。
メインは本の紹介、あとその他諸々というごっちゃな内容です。
2016年4月13日にタイトル訂正。事務机じゃなくて「事務室」です(泣)。

もし、本ブログ記事内で張られたリンクが切れていてつながらない場合はコメントでお知らせください。コメントは全ての記事で受け付け、かつ即公開される仕様ではございませんので、気兼ねなくお教えいただければ幸いです。どの記事でも構いませんが、当該記事にコメントをつけていただければありがたいです。

エドゥアルド・ルイスです。いま腱鞘炎です。かなり限られた箇所かつ医師から薬も出て夜中に痛くて起きるなんてことはそれきりなくなったのですが、よりによって利き手の親指。箸は使えず、スペースキーによる変換にも支障きたしてます。本も、両手親指でページを押さえて読むやり方だったために読むペースやリズムも乱れてほとんど読み進められてません。新年度を機に生き方変えようとした矢先、新年度になる前に出鼻ごと粉砕された感じです。医者や家族からは自然に治ると言われてますがどうなることやら。

しかしそれでも、最低限先月、2026年3月に買った本をサクッとでも紹介せねばなりますまい。

 

確実に買いためてる37歳のはじめちゃんの事件簿。私のようなアニメだけの者にも懐かしい人物も出てきます。

 

『金田一37歳の事件簿』(9)
『金田一37歳の事件簿』(10)
天樹征丸(原作) さとうふみや(漫画)
講談社イブニングKC

 

 

 

タイトルそのままの新書ですが、両国の関係を改めてきちんと捉えなおすのに越したことはありますまい。

 

『フィリピンと日本人』

野村進

ちくま新書

 

 

 

『1984年』や『動物農場』などの小説で有名なジョージ・オーウェルのエッセイ。鋭い批判精神と筆致を最大限注いだ、おいしい紅茶の淹れ方指南はどう解題したらいいんでしょうね?

 

『一杯のおいしい紅茶 ジョージ・オーウェルのエッセイ』

ジョージ・オーウェル 小野寺健(編訳)

中公文庫

 

 

 

以前このブログでも紹介した、艦艇史に地味ながらも確かに歴史に名を残した“ジミ艦”を模型を通して知るシリーズの第3弾です。

 『ジミ艦3 ~だれも見たことないジミなマイナー艦船模型の世界~』
米波保之
大日本絵画

凡例:
月日
『本のタイトル』
作者、訳者など
出版社、レーベルなど

 

3月8日

『海外モデラー スーパーテクニック 戦車模型オリーブドラブ塗装&ウェザリングガイド』
ホセ=ルイス・ロペス=ルイス(模型製作・解説)
新紀元社

 

3月22日

『金田一37歳の事件簿』(4)
天樹征丸(原作) さとうふみや(漫画)
講談社イブニングKC

 

3月26日

『金田一37歳の事件簿』(5)
天樹征丸(原作) さとうふみや(漫画)
講談社イブニングKC

推理漫画、といっても「名探偵コナン」と「金田一少年の事件簿」シリーズに絞られそうですけど、まだだれか判明していない時点での犯人の描き方って製作陣サイド自身にもネタにされてますよね。そう、あの頭まで全身黒タイツに覆われたみたいなシルエット。

しかし茶化し一切抜きで、このシルエットは本格ミステリー漫画に表現の幅、他媒体ではマネできないミステリーとしての深さを与える一大“アイテム”ではないでしょうか。確認できないですが、おそらくジャパニーズ・マンガの大発明の一つでしょう。

何せ隠す力の高さがハンパない。年齢、性別、そして人物や動機の同一性すらも。そこそこ優秀なはずの京都府警の警部補も結局は閉じた空間の3つの殺人に過度の関連性を見出したあまり袋小路に入ってしまった感があります。

 

これ以上書くと『金田一37歳の事件簿』の「京都美人華道家殺人事件」のネタバレになりますが、つまりはそういうことです。今回は焦燥や嫉妬や憎悪が生んだ惨劇の複雑な糸をはじめちゃんが一本いっぽん、偶然にも助けられつつほどいていく上質なミステリーとなっています。

 

惜しむらくは双子要素が“やっぱり活きてる”ところ。ミステリーに馴染みのない人でもアレは疑えたのでは。ただ、出したからには避けられない定番とも思います。道具を手に入れたら使いたくなる、みたいな。それに、あえて謎の一部に組み込まなかったら組み込まなかったで出した要素が活きてねぇなぁとかミステリーファンや評論家にボロクソ書かれそうだし。こう書いてる私も含めて創り手への最低限の尊厳を守りつつ感想をつづりたいものですね!

 

さて、京極薫子さんの首を切り落とした理由は、ある意味実に京都らしい。今は昔となってしまいましたが、京都府警本部には研究職でありながら積極的に現場に赴きわずかな証拠から犯人を見つけ出す伝説級の科捜研の女がいましたからねぇ。「(まずい!)」(p.110)と思った瞬間、犯人の脳裏に浮かんだのでは? 亜矢ちゃん、覚悟はあるのか?お母さんはマリコビームを受けたらああいうむごい扱いを受けたご遺体も念のため調べてたんだぞ。

 

はじめちゃんが今回最後に解いてみせたトリックは、西川貴教さんが受けてきたレベルのいけずだったかもしれません。ウチの母は「こんなのあり?」とブーたれてました。泉下のヒースロー先生はがっかりするんじゃないでしょうか。でも私は好きですよ?コレぞ現代京都って感じがして。京都では一般の御宅でも外壁の下の方に竹を曲げて並べた古風な柵のような構造物が付いているのを見かけますが(犬矢来と言います。覚えておきましょう!)、竹もいいけど茶色く塗ったアルミ製のを見ると生活に密着している感じがしてとても、良い。宮坂羊山先生が理想としてそうな、一般家庭のおばんざいを長年彩ってきた食器に宿っているのと似た美があります。中にエアコンの室外機やガスメーター、土いじりの道具が入っていればなおグッド。生活様式の変化と伝統文化の有機的融合に京都人の柔軟さを見出せます。

赤池流の人々に足りなかったのは、この柔軟さだったのかもしれません。

 

この間最終回を迎えた「京都人の密かな愉しみ rouge-継承-」のテーマは継承、の難しさでした。京都の街はしきたりだらけ、でもたたむ方が難しい、それでも時代の変化やら少子化やら人口減少やらでポツポツ老舗が消えていく……個人レベルでも話が進みかけたところで女将に胃癌が見つかって三八子さんが怒ったりと大波乱でした。

考えてみれば、赤池流の落ち目の始まりは先代の突然の死でした。聞く限り出来た人物だったようで、後継ぎをきちんと決めたうえでもう一方にもそれなりの道を示してあげられたのではないかと思います。そんな大黒柱が失われ、伝統の重圧に押しつぶされた末の殺人の連続は悲劇的です。「“みんな”色々“やり過ぎ”てた」(p.144、“”中傍点)とは、少年時代に色々見てきたであろうはじめちゃん。ジッチャンこと金田一耕助もこういうのを散々見てきたことは古参の横溝正史ファンからも同意が得られるのではないでしょうか。

まぁそれにしてもやっぱ元凶は雁流先生ですよなぁ。華道の家元以前に人としてアカンところまで堕ちてます。宮坂羊山先生の下でイチから叩き直してもらえばよかったのに。言っちゃなんですが、伊月譽太夫さんより酷い。てか花でダイイングメッセージ遺すなんて華道に詳しくないのにするはずがない!と東京の中年リーマンに看破されるって晩節汚れ過ぎじゃない!?

 

酷いと言えば、改めて確認させられたのが音羽ブラックPRのブラックぶり。先方で二人殺されてもプロジェクト進められるって判断してたくせに現宗家が死んだらアサイチで帰ってこい!って本当に酷い。ブラック企業って社外にもブラックに振る舞うんだね。まりんちゃん、転職を真剣に考えてくれ、フランス語も中国語もできる君なら一流企業でもやってけるから!

 

さてはて、この第5巻の終わりがけ、はじめちゃんが直近で解決した3つの殺人事件の資料と共に、ちょっと心配になるレベルにヌケた人物が登場します。真壁より頭いいのは確かなんですよ、自殺と思われたある現場の不自然さを見抜いたうえで密室トリックを暴き殺人の可能性を浮上させたんですから。

そんな現場で見つけた舞台のチケットがこの警視庁のエリートを函館に、はじめちゃん達の次の出張地に招くことになるのだった……というのが、次の「函館異人館ホテル新たなる殺人」のプロローグとなります。

 

 

Hay dos tipos de gente en Japón: los japoneses y los kiotenses.

―Edward Heathrow Le Charme discret des gens de Kyoto

(日本には2種類の人間が存在する。日本人と京都人だ。)

(―エドワード・ヒースロー「京都人の密かな愉しみ」)

 

 

『金田一37歳の事件簿』(5)
天樹征丸(原作) さとうふみや(漫画)
講談社イブニングKC
高さ:18.2cm 幅:13.1cm(B6、カバー参考)
厚さ:1.3cm
重さ:162g
ページ数:191
本文の文字の大きさ:不定

今日は『金田一37歳の事件簿』の第4巻を紹介します。タワマンマダム3人組の動機をさくっとやって(電話は本人が取らなアカンでしょ、どんなに気持ち悪くても!)からの舞台は、京都。音羽ブラックPR京都支社が取り付けた公共財団法人・京都伝統文化国際化財団からのプロジェクト「COOL JAPAN! 京都赤池流家元で和を極める!」を、はじめちゃんは(睡眠不足が原因で)引き受けることになったところから話は始まります。もちろんまりんちゃんも一緒。にしてもなんなんだこの、政府の助成金にタカる気満々なネーミングは。

 

その雰囲気通りに怪しいのがクライアントの華道の家元・京極家。宗家の雁流は噂通り、いや以上の毒オヤジ、その下にいる双子姉妹はどちらも美人だけど真面目そうな薫子とちがい妹の桜子は赤池流を離れてフラワーアーティストになって派手になっていたり、前当主の生前はたくさんいた住み込みの弟子が今じゃ2人だけ、とまぁ色々ありそうなのが伝わります。

さて、ホテルの予約を取り忘れた二人は双子の母・鶴羽の御厚意で離れに泊めさせてもらったのですが、その真夜中、はじめちゃんが風呂から京極家自慢の枯山水の庭を鑑賞しようと覗くと、その真ん中の石に喉を切り裂かれた桜子の死体が横たわっているのを発見します。彼女の手には包丁、庭には行きの足跡しかなく、考えられる動機からも自殺と思われましたが彼ひとり納得できません。とその間にも第二の殺人が、今度は姉の薫子が、それも……

 

まぁ今回ドライブがかかっているのか、絵面が壮絶。血とかの表現が辛いという方は、最近の大河ドラマ(「鎌倉殿の13人」とか「光る君へ」とか「豊臣兄弟!」とか)で耐性を付けておくのをオススメします。さすが京都、大河ドラマの舞台になった都道府県1位に輝くだけのことはある、どころじゃねえよ!

 

個人的に感心しているのが、山科警部補。一連の事件の捜査を担当することになった刑事さんです。

発見に至る経緯や血まみれの死体を見ても落ち着いている様子から二人の遺体の第一発見者、つまりはじめちゃんを真っ先に疑える人。優秀です。真壁がオバカさんにすぎるというのもありますが、現実の刑事はなべて真壁寄りでしょう。山科警部補の捜査指揮のおかげではじめちゃんや読者はスムーズに事件の謎の在り処を絞れます。

一件目の状況を見て自殺とみるも、一日も経たぬうちに同じ屋敷で明らかに他殺とみられる死体が出てくればすぐ判断を翻せる人でもあります。二件目の殺害方法や現場の荒らされ具合から怨恨の線を疑うのも定石に則った手堅い推理です。だいたいイマドキ首を切り落とすなんて、よほどの恨みが無ければ常人のすることじゃない。……本当にそう?

 

金田一一「刑事さんが言うように赤池流に対する恨みだとしたら なんで赤池流と距離を置いていた桜子さんが真っ先に殺されなけりゃならなかったんでしょう? なーんかしっくりこないんですよねー」

(p.155)

 

犯人は誰か、いくらでも疑心暗鬼にさせてくれます。住み込んでる仲働きと板前、いくら上に含むところあるからってあんなあられもない写真をお客さんに見せるかぁ?双子の不仲の件といいあぁいうゴシップお漏らしもリベンジポルノの亜種なんじゃ? 鶴羽さんは外してもいいのかなぁ?ホテルを取り損ねた二人の余所者を目撃者に仕立てるのはあまりに当てずっぽうすぎるし、いやでも裏をかいて? そういや目立った動きのない弟子二人や番頭もかえって怪しい……こんな風に全員が怪しく見えている時点で、製作陣の思うつぼ。

自殺以外考えにくい枯山水のトリックも薫子の首の所在も分からず、ある意味一番犯人から遠そうな人物の妙な一言が何なのかも明かされぬまま「京都美人華道家殺人事件」、第三の殺人が始まる瞬間でこの巻は終わることになります。

 

 

Kadō, "el camino de las flores", es el arte japonés de arreglo floral.

(“花の道”を意味する華道は日本のフラワーアレンジメント芸術です。)

 

 

『金田一37歳の事件簿』(4)
天樹征丸(原作) さとうふみや(漫画)
講談社イブニングKC
高さ:18.2cm 幅:13.1cm(B6、カバー参考)
厚さ:1.3cm
重さ:162g
ページ数:191
本文の文字の大きさ:不定

こんにちは、エドゥアルド・ルイスです。いま書いてます。そんな短い枕から、本日のTOEIC L&Rテストの感想を短く書いていきます。

 

まずお断りすべきなのは……私は今回もお勉強をサボりました(爆)。

それでせめてもと前日に公式問題集12の最後のトリプルパッセージをやって感触をつかもうとしたのですが、ほぼ昔の経験だけで解いて5問中4問正解というのは、(1番目と3番目の文章を交互に参照して答えさせる質の良い問題だったにしても)簡単すぎて本番対策にはならないと思いました。一刻も早く高得点を手にして己や家族の生活を楽にしようと真面目に勉強している受験者の助けにはならないのではないでしょうか。難しくするならカリスマ講師の参考書や動画に丸投げするのではなく、公式問題集の問題も相応に難しくして受験する人に“覚悟”を迫るべきだと思います。こんなことを言えるのは中村澄子先生やTEX加藤先生並みにTOEICを研究された方々か、あるいは私のような不埒者だけだと思い、この場を借りて書かせていただきます。

 

さてまず、Part 2で不意打ち喰らいました。最初の問題が疑問文じゃないって……そりゃね、応答を求められるのは疑問文に限りませんよ? 平叙文が出てきてそれに打ち返す問題も沢山ありましたよ。でも初っ端、5W1HかDo/Doesか、はたまた付加疑問文、そうだろぉ?と定石が来るのを待ち構えていたところにアレはキツかったです。一ノ谷の平家軍も同じ心境だったのでしょうか。これで調子狂わされた人もいたのでは。まぁあれはギリギリ範囲内です。かなり昔に「Part 3に三人の会話が導入されます」と事前アナウンスがあって、それなりの対策してたら一問目が…refer to the following conversation WITH THREE SPEAKERS.だった、なんてことがありましたが、それと似た衝撃でした。まぁ今後もこんなことがあるということで覚悟しときます。

リスニングの他のパートはまぁそれなりに食らいついたつもりですが、やはりちょっとリズムが狂うと取り戻すのが大変でした。あとグラフィック問題は、同時に問題処理をするための特別な対策が要りますね。並みの勉強や訓練では一組3問正解はできないでしょう。

 

リーディングは、普通だったような。Part 6はその場にあった文脈だけでは絞り込めませんでした。あれ、商慣習の決まり文句を選ばせるものもあったのでは? 一方で、これもただの感触なんですが、ビジネスのとはいえ一般論がPart 5に混じってたような気がします。ビジネス偏重が続いてきたTOEICの揺り戻しかな?

それにつけてもシングルパッセージを秒殺できなかった時点でもっと早く焦るべきでした。やはり時間配分は大事ですね。まぁトリプルパッセージが登場人物の仕事からして分からないレベルで難しかったのでどっちみち行き詰まってたかもしれません。というかドイツ語の腕を買われたって言うならドイツ語で書けよ!

 

……とまぁ、なんだか同じようなことを繰り返してしまったような感じの、何とも物悲しい結果となってしまいました。受験票に顔写真貼ってなかったため受験できなかった人もいるそうなのでその人よりはスコアが高いのは確実ですが、相対評価なので果たしてどうなるのやら。本人の手応えと実際のスコアが相関しないのがTOEIC一番の理不尽さかもしれません。

 

こういう受験感想はたいてい、血のにじむような勉強をした人が手応えあるいは口惜しさを交えて書くものです。その意味でわたくしのこのふざけた感想はバリエーション、他山の石、反面教師としてTOEIC受験者の糧に供せるのではないか。そう思わないとやってられないくらいのひどいものでした。次に向けて、というか明日から公式問題集を最初のステップのつもりで解いていきたいと思います。

 

ま、そんな感じの第420回TOEIC L&Rテストでした。