大学で4年間勉強して
教員免許を取得していても、
先生の仕事内容はほとんどわからないまま
4月に着任する人が多いと思います。
机と椅子の準備も、
まったく予想していなかった作業のひとつでした。
自分が子どもの頃は、
何も考えずに
あてがわれた机と椅子を使っていたし、
高いとか低いとか、
そんなこと考えたこともなかった気がします。
他にも、知らなかった仕事はいろいろあります。
教科書ひとつとっても、
子どもの手に渡る前にはいくつもの作業があります。
教科書は春休み始め頃に本屋さんから搬入され、
鍵のかかる部屋に保管されます。
そして春休みのうちに、
「教科書担当」の先生と学年部で
1~6年生の教科書を学年別に分けます。
これは、本屋さんが
ある程度やってくれる場合もあります。
たとえば4年生のゾーンには、
4年生の
国語、算数、理科、社会、音楽……
というように、
全教科の教科書が山積みになります。
そのあと各学年部がやってきて、
1組が39人、
2組が40人……
という具合に、
クラスごとに数えて積んでいきます。
これで4年生のゾーンに
「4年1組の全教科の教科書の山」が出来上がります。
これを学校によっては、
入学式準備のために
1日早く登校してくれた新6年生が
各教室まで運んでくれたり、
始業式が終わって
体育館から教室に戻る途中で、
「お手伝いしてくれる人?」
と先生が声をかけて、
子どもたちが自分たちの分を運んだりします。
こうして教室に教科書が届き、
だいたいはその日のうちに
先生が配ることになります。
なぜその日に配るかというと、
教科書に乱丁や落丁があった場合、
早めに取り替えに出さなければいけないから。
そして、万が一にも
無くなってしまわないように、という理由もあります。
教科書を配る流れはこんな感じですが、
実は
教科書の注文も先生の仕事のひとつです。
次年度に何年生が何人いるのか、
担任や学級外の先生の分は何冊必要か。
そして、
ちゃんと正しく搬入されたかどうかの確認。
それらを担当するのが
「教科書担当」の仕事です。
私は……正直、ちょっと苦手でした。
教科書のほかにも、
テストやドリル類は
教材屋さんに発注したものが搬入されます。
昔は、
40枚の束+残り何枚
という形で納入されることが多くて、
39人クラスなら1枚減らす、
34人クラスなら6枚減らす、
その6枚を4クラス分合わせて24枚、
そこに端数の10枚を足して34枚……
というように、
主教科のテスト
上半期分だけでも30種類くらいを
どんどん数えて、
分類して、
山のように積んでいきます。
それを、
もともとテストが入っていた箱に
クラスごと分けて入れ直し、
各教室へ運びます。
そして担任が、
教室の棚の奥にしまっておくのです。
テストが
自動的に教室にあるわけじゃない、
というのは分かっていたけれど、
こんな作業があるとは
想像していませんでした。
近年は、納入される段階で
クラス人数分になっているようになり
ありがたいことです。
こんな作業をしながら、
ロッカーに何をしまうか、
壁のフックには何をかけるか、
新学期の教室づくりについて
先生同士で相談もしていきます。
こうして少しずつ、
まだ見ぬ子どもたちを迎える準備が
整っていくのです。
