前にも書いたけど、30年くらい使い続けてきた天体導入支援装置

「ナビゲーター」が壊れて10か月近くたつ。仕方ないので、4万5千円

もする後継機種「ネクサス2」を購入した。しかし、スマホ連動で多機能

になった反面、なかなか使用法が複雑化して、もう生徒に「じいじ」呼ばわり

されている身としては、つらいものがあった。そう、テストをしたいのに

天気が悪かったり、生徒の試験だったりで、「試し操作」すらままならない

期間が続いているのだ。

右が30年近くつかいつづけてきた天体導入支援装置「ナビゲーター」

当時は、「ああ、まさに神パーツ。まるで俺のために販売された装置だ。」

とさえ思った。上部の窓に二つの数値が並ぶのだが、望遠鏡を動かして

「00 00」になったら目標天体が捉えられている、という魔法のような装置。

そして、左が今回購入した「ネクサス2」。 スマホと連動して、一般的な観望対象

のありとあらゆる天文データが網羅される。見たい天体を指示すると、その天体の

データを表示し、現在の望遠鏡の視野からの差異を「矢印」で教えてくれる。

その矢印どおりに望遠鏡を動かすと、望遠鏡の視野には目標天体が導入されている、

というしくみ。最初は、スマホとこれとのwifi接続すらできませんでしたよ。ジイジは。

で、なんとか、月も小さく、気になる天気も「館山」あたりなら良さそうだった

ので、無理して無理して、出かけたのでございます。

じゃ~ん、ここが館山方面秘密基地No.3。早速望遠鏡を出して、と。

組み立てて、と。

夕食の準備。また、途中の道の駅っぽいところで寿司購入。

今回は、天気に一抹の不安を感じたので食事も大事に、いろいろと。

この見事な牡蠣をこの缶に入れて、と。

日本酒を少々かけて。

で、ふたをして10分程度焼く。これが有名な「牡蠣のかんかん焼き」でございます。

味付けは牡蠣自体に塩気があるので、醤油ではなく、レモンかスダチをかけた

かったが、忘れてきた。あ、と思い出したのは、車に「アップルビネガー」

を積んでいたこと。(健康のために毎日少しずつ飲んでいるのだ。今回はその

ために持参していた。右にビンがちょっと写っているがこれ。)

んでもって、これをかけた。うんまー!本気でうんまい。

 

もともと生食用だから、あまり火にかけすぎない。牡蠣は火をかけすぎるとすぐに

小さくなってしまう。これぐらいが身も大きくてぷりっぷりで最高。

アツアツの焼き牡蠣に冷たいビールの組み合わせは至高だ。

寿司くって、こんなに大きな焼き牡蠣を4つも食べてもうお腹いっぱい。

もうね、気分は海岸周辺に居住していた縄文人気分。彼らもきっと毎日焼き牡蠣を

死ぬほど食っていた。

最後に、トマトなどを。

うん、今日の夕食は最高だった。平日は授業で夕飯なんて「丸のみ」だからね。

体に悪いね。うん。

で、お腹いっぱいになったので、いつものようにちょっと仮眠をとったのであった。

                                 つづく

 

 

 

 

 暑い。暑いぞう!こうなったら、もう「実験」だ!それも涼しくなる、

というか寒くなる実験だ!

で、7月に行われた実験は「いきなりマイナス40度!」実験です。

まず、「塩化カルシウム」を用意。

道路の雪や氷を解かす、融雪剤として使われる「塩化カルシウム」

このつぶつぶを見てわかるように、水取ぞうさん、などの除湿剤の中身でもある。

これをいったん水に溶かして塩化カルシウム6水和物を作る。これ、猛烈な発熱

反応だから火傷しないように。僕は攪拌しやすいようにペットボトルに水と一緒に

いれて溶かしました。温度は50度以上なるよ。そして温度が下がったらそのまま

冷凍庫へ一晩。これは、塩化カルシウム6水和物が固体化したものです。いわば

塩化カルシウム6水和物の氷。これは水の氷と違って溶ける温度が30度くらい。

通常の室温でもとけません。(いや、この猛暑だと溶けるか・・・・)

ペットボトルをぶった切ってみると、こんな感じ。

これをドライバーで砕いて、分ける。結構硬くて大変だった。また、これ、

アルカリ性なので、目に入れたりしなように。またドライバーも使い終わった後

はよく洗って乾かすこと。そのままにしているとすぐにボロボロになってしまいます。

 

後は簡単。これをかき氷機で作ったかき氷と混ぜるだけ。なるべく熱が入って

来ないように魔法瓶タイプのボトルを使ったよ。

おおおお。いきなり下がる下がる。

 

 

おお、とうとうマイナス40度突破!これが今日の最低記録。

だれかが「ぼく知ってる!塩と氷を混ぜると温度さがるんだよね!」と言ったので

「ザクとは違うのだよ。ザクとは!」

じゃなくて

「食塩とは違うのだよ!食塩とは!

食塩と氷はせいぜいマイナス20度。

塩化カルシウム6水和物を使った

こちらは理論的にはマイナス50度

まで行けるんだ!これは危険な温度だ。」

 

これでも十分に生徒は喜んでくれたけど、やっぱり低温と言えば・・・・

こんなものも用意しました。温度を伝えやすいアルミでできたタンブラー。

ビール飲むとうまうま。これに、ミルクとハチミツとバニラエッセンスを入れて、と。

先ほどの、ボトルに入れる。(中の塩化カルシウムの溶液が混ざらないようにね。)

もうね、瞬間的にシャーベット。まあ、生クリームも卵黄もいれてないからアイス

クリームとは言えないのだけど、まあ、味はとてもおいしい。だってハチミツと

バニラはいってますもん。

でも、量が取れないから、3分クッキングみたいに、冷蔵庫からもうすでにできて

いるのを取り出して、「実はもうできてます。」と生徒に分けた。とーっても喜んで

食べてくれました。

さて、実験考証。

塩化カルシウム6水和物は氷を溶かす性質がある。

塩化カルシウムは食塩もそうだけど「凝固点降下」を引き起こすことも知られている。

これは、水が氷になる温度を下げるんだ。つまり、「0度」では凍らなくなる。

氷は強制的に溶かされることになるんだね。この塩化カルシウムは道路の雪や氷を

溶かす「融雪剤」として使われているよ。

で、水は、氷から水に変わる時、周りから熱エネルギーをどんどん奪う。

で、温度が下がるのだ。

では、なぜ、単に塩化カルシウムを使わずに、わざわざ塩化カルシウム

6水和物をつかったのだろう。実は、塩化カルシウムは水に溶けるとき、強烈な発熱

反応を引き起こす。上で見たように、50度くらい温度あげちゃう。これでは温度を

下げる意味がないよね。ところが、塩化カルシウム6水和物は水に溶けるときは

吸熱反応と言って、水温を下げる。で、こういった要因が重なって、「マイナス50度」

まで下げられるんだね。(今回はマイナス40度までだったけど。)

ただ、この塩化カルシウムはアルカリ溶液だから、目に入れたり、手に付けたり

しないようにね。着いた時にはよく洗うことを忘れずに。
 

 なんだか、暑すぎないか?私のような生物屋あがりには、昨今は奇異に映る

事ばかりだ。昔はいなかった南方系の動植物はやたら増えたし、日中、極端に

蚊に遭遇しなくなったのもそうだし、セミの鳴き声も余り聞かなくなったよう

に思う。いや、正確には鳴いてはいるのだが、朝夕の涼しくなった一時だった

り、森の中だけだったり。日中暑すぎる市街地は避けているようなのだ。

絶対数が少なくなったうえに、彼らなりの過ごしやすいところに生活拠点を

移している、という感じか。

で、調べてみたら、セミは高温になると、羽化に失敗するらしい。

で、夏期講習の合間、昼飯を食べに行く途中、森林公園に立ち寄ってみた。

すると・・・・地面あたりから、消え入りそうな蝉の声が・・・・・

 

よくよく見ると、まさに羽化に失敗した蝉が死にそうになっていた。

(この時はカメラを持っていなかったので、初めてスマホで写真を撮ってみた。

なんだ、結構よく写るではないですか。)

とても蝉の成虫は育てる自信がなかったので、可哀そうだが、木の幹に

つけてきた。何度も落ちてしまうので、木の枝の股のところに置いてくるしかなかった。

ほどなくして、死んでしまうであろう。何年もこの一時の時期のために地中に暮らして

その頂点を極める刹那、このようなことになってしまうのはつらいだろうなあ。

 

この蝉が高温障害のためにこうなったかどうかは確信が持てないが、少なくとも

蝉の活動時間や活動場所が高温帯域を避けている以上、何らかの影響を与えている

のは間違いあるまい。 この急激な高温化は、今後生物たちにどのような影響を

与えていくのだろうか・・・・(もしかしたら、セミ類は成虫時期を夏から移動

させるかもしれないなあ。)