暑い。暑いぞう!こうなったら、もう「実験」だ!それも涼しくなる、

というか寒くなる実験だ!

で、7月に行われた実験は「いきなりマイナス40度!」実験です。

まず、「塩化カルシウム」を用意。

道路の雪や氷を解かす、融雪剤として使われる「塩化カルシウム」

このつぶつぶを見てわかるように、水取ぞうさん、などの除湿剤の中身でもある。

これをいったん水に溶かして塩化カルシウム6水和物を作る。これ、猛烈な発熱

反応だから火傷しないように。僕は攪拌しやすいようにペットボトルに水と一緒に

いれて溶かしました。温度は50度以上なるよ。そして温度が下がったらそのまま

冷凍庫へ一晩。これは、塩化カルシウム6水和物が固体化したものです。いわば

塩化カルシウム6水和物の氷。これは水の氷と違って溶ける温度が30度くらい。

通常の室温でもとけません。(いや、この猛暑だと溶けるか・・・・)

ペットボトルをぶった切ってみると、こんな感じ。

これをドライバーで砕いて、分ける。結構硬くて大変だった。また、これ、

アルカリ性なので、目に入れたりしなように。またドライバーも使い終わった後

はよく洗って乾かすこと。そのままにしているとすぐにボロボロになってしまいます。

 

後は簡単。これをかき氷機で作ったかき氷と混ぜるだけ。なるべく熱が入って

来ないように魔法瓶タイプのボトルを使ったよ。

おおおお。いきなり下がる下がる。

 

 

おお、とうとうマイナス40度突破!これが今日の最低記録。

だれかが「ぼく知ってる!塩と氷を混ぜると温度さがるんだよね!」と言ったので

「ザクとは違うのだよ。ザクとは!」

じゃなくて

「食塩とは違うのだよ!食塩とは!

食塩と氷はせいぜいマイナス20度。

塩化カルシウム6水和物を使った

こちらは理論的にはマイナス50度

まで行けるんだ!これは危険な温度だ。」

 

これでも十分に生徒は喜んでくれたけど、やっぱり低温と言えば・・・・

こんなものも用意しました。温度を伝えやすいアルミでできたタンブラー。

ビール飲むとうまうま。これに、ミルクとハチミツとバニラエッセンスを入れて、と。

先ほどの、ボトルに入れる。(中の塩化カルシウムの溶液が混ざらないようにね。)

もうね、瞬間的にシャーベット。まあ、生クリームも卵黄もいれてないからアイス

クリームとは言えないのだけど、まあ、味はとてもおいしい。だってハチミツと

バニラはいってますもん。

でも、量が取れないから、3分クッキングみたいに、冷蔵庫からもうすでにできて

いるのを取り出して、「実はもうできてます。」と生徒に分けた。とーっても喜んで

食べてくれました。

さて、実験考証。

塩化カルシウム6水和物は氷を溶かす性質がある。

塩化カルシウムは食塩もそうだけど「凝固点降下」を引き起こすことも知られている。

これは、水が氷になる温度を下げるんだ。つまり、「0度」では凍らなくなる。

氷は強制的に溶かされることになるんだね。この塩化カルシウムは道路の雪や氷を

溶かす「融雪剤」として使われているよ。

で、水は、氷から水に変わる時、周りから熱エネルギーをどんどん奪う。

で、温度が下がるのだ。

では、なぜ、単に塩化カルシウムを使わずに、わざわざ塩化カルシウム

6水和物をつかったのだろう。実は、塩化カルシウムは水に溶けるとき、強烈な発熱

反応を引き起こす。上で見たように、50度くらい温度あげちゃう。これでは温度を

下げる意味がないよね。ところが、塩化カルシウム6水和物は水に溶けるときは

吸熱反応と言って、水温を下げる。で、こういった要因が重なって、「マイナス50度」

まで下げられるんだね。(今回はマイナス40度までだったけど。)

ただ、この塩化カルシウムはアルカリ溶液だから、目に入れたり、手に付けたり

しないようにね。着いた時にはよく洗うことを忘れずに。