7月2日夕方、教室前をなにやらもぞもぞと・・・・・
ああ、今年もやってきたか・・・・今年は、どれどれキアゲハか。
前はクロアゲハの幼虫だったなあ。
とにかく、教室前を移動していても路上で鳥につかまるか、車に
轢かれるか、人に踏みつぶされるか・・・・
まあ、例によって捕獲。にわか作りの芋虫小屋。
念のため、餌(パセリ)をスーパーで買ってきて入れてみた。だけど、まったく食べ
なくて、翌日、蛹になっていた。うう、パセリもったいなかった。
こんな感じで・・・・
さて、とにかく試験が続いた。中学生の定期試験で、お休みが潰れたと思って
いたら、今度は高校生たちだ。「もちろん僕たちの面倒も見てくれますよね?」と
3週続けて教室を開けた。さあ、それも終わった、今度の土日こそは、泊りで
海にでも行ってこよう!と決意して、7/11(金)にいつもの海の民宿に予約電話を
入れようとしたとき、はっと思い出した。「キアゲハのキーちゃんは、いつ羽化す
るんだろう?」ネットで調べると、蛹化してから羽化まで10日から14日だそうだ。
3日に蛹になったから、10日目は13日の日曜日だ。う~ん。土曜日は何とかなり
そうだけど、日曜は羽化している可能性がある。誰もいない教室の段ボール小屋
の中で、羽化した後にバタバタ逃げようと羽ばたいて、羽をボロボロにしたりは
しないだろうか・・・・・・海は・・・・日帰りにしよう。
で、12日土曜日。例によって思いっきり出発は遅れて、午後1時。けど、行先は
館山だから、3時ちょっとにはつきましたよ。いつもの海鮮土産物屋で、寿司を
購入して「館山方面秘密基地No.2」へ向かう。おお、地面に蝶が。
これは、「アカボシゴマダラ」と言って、外来種。本来大陸にいたやつだけど、
おそらく、誰かが日本に持ち帰り放蝶した、と言われている。最近は、どんどん
増えて、いたるところにいます。日本の生態系を乱したりしないでね。
まあ、君のせいではないのだけれど・・・・・
さて、秘密基地No.2。ふふふふ、ここは誰にもわからないだろうなあ。
高台の駐車場なのだ。草ぼうぼうだけど、実はこの雑草をぬくと・・・・
海に面した「窓」が表れるのだ。なんのことはなく、ブロック塀が崩されていて
(僕がやったわけではないよ!)雑草が生い茂るとそれが隠れてしまうのだ。
このブロック塀ぎりぎりに車を止めて、と。ここから、一日、ボーっと遠い海を
眺めたり、かなたを行く貨物船とかを双眼鏡で追ったりするのがいいのだ。
眺めるものが遠くであればあるほど、心は空っぽになっていくのだなあ。
貨物船は何を運んでいるんだろう。
で、午後4時近く、すごく遅い昼飯。先ほど買った寿司。今日はちょっと奮発。
さすがに、館山だけあって、ネタは新鮮で最高。
自宅から持ってきた醤油入れ。(何のことはなく、納豆の入れ物。ちゃんと洗って
あります。ワサビも醤油も自宅から持ってきました。)
で、お腹もくちくなって、眠くなったら寝て、起きては遠くを眺めて、と。
ああ、なんというボーっとした幸せ。さて、そろそろ「房総方面秘密基地No.3」
へ向かうか。
で、ここが「館山方面秘密基地No.3」
すっかり日も暮れているけど、この「パープルの海」もいいんだよなあ。ここは
さっきの高台と違い、海が近いので潮騒もいいのだ。だんだん暗くなる浜辺を、
家族が通過していった。ああ、この家族たちは、自分たちも夕景の一部となった
この景色を、いつまでも覚えていてくれるかなあ。家族の記憶のしおりとして。
ちなみに、彼らの上に見える船は豪華客船のようであった。どんな人々が乗って
いるんだろう。いつか船旅もいいなあ。
で、帰宅。
教室に帰って一番に「段ボール小屋」を覗いたけど、まだ羽化していなかった。
良かったよかった。
で、翌朝。
しっかり羽化しているやんけー!こいつ、俺が帰るのを待っていたんかい!
で、しばらく様子を見て、何度も羽ばたこうとする様子を確認してから・・・・
この後、青い空に飛び込んでいきました。願わくば、つがいを見つけて、ずっと
子孫を残していってほしいなあ。こいつの遺伝子が40億年以上続いてきたようにね。
で、やっと肩の荷が下りたので、一仕事してから、電車に乗って、運河に向かう。
この時期の運河は夏らしくていいのだ。向かい先は、「運河方面秘密基地No.1」
それは、この川沿いの森の中にある。この森に入ると、気温がすっと下がる気がする。
で、このベンチが「運河方面秘密基地No.1」なのだ。木漏れ日がさし、川面からは
涼しい風が吹いてい来る。さっそく蚊取り線香を焚くぞ。
私は人のいないことを良いことに、すぐに上着を脱いで、ランニングになって、
ついでにズボンも脱いで、持参した短パンをはいた。ああ、なんて気持ちいいんだ。
これで虫取り網をもっていたら、「裸の大将」みたいだ。いや、ランニングと短パン
が黒いので、「ブラック裸の大将」だ。そしてブラック裸の大将は、おもむろに
クーラーボックスからキンキンに冷えたビールを取り出して・・・・
ああ、生き返る!これはまさしく極楽浄土!
で、ほろ酔い加減で、横になる。上の林冠の葉が揺れて、木漏れ日と葉擦れの音が
眠りを誘ってくれる。川からの風も心地よい。意識が落ちていく刹那がたまらない。
そして目覚めた時の「ここはどこ?」感覚もいいなあ。これは「死」と「再生」
の感覚なのかもしれんね。大げさかもしれんけど。
で、起きた時には夕暮れの時間。
ああ、このゴールデンアワー、夕空のキャンバスが金色に輝きだす時間がたまらない。
さあ帰りだ。運河の土手を歩いて駅に向かう。この二日間、なかなか濃密な時間が過ごせたな。