朝だ!列車の音でなかなか深くは眠れなかったけど、

旅先だと熟睡できる方が珍しい。で、早朝から早速あたり

をお散歩。海に行くぞ。まだ日差しの強さを感じるけど、

しっかり秋風をかんじるぞ。季節は駆け抜けて行くなあ。

港のお店はどれもユニーク。

さて、宿に帰って朝食。その前にコーヒー。美味しいけど量が多いぞ。350ml

はしっかり入っていそう。

朝食。パンだけど、相当な食いごたえがあります。チーズトーストも

マーマレードも美味しかった。これ一枚でお腹いっぱい。

さあ、そろそろ出発だ。しかし味のある宿であった。

階段の急さもいいなあ。

さて、今日は一日休みを取っているから、この町中を散策しよう。

と、思ったら、なんと宿でレンタサイクルをやっている。

一日借りて700円。それも、なんと電動アシスト自転車だ。

アシスト自転車、生まれてはじめて乗った。いや~楽。あまり楽

過ぎて、どんどん海と反対の山方向へ行った。かなり急傾斜なのに

ペダルが軽い軽い。こんな経験はじめて。で、ここからは歩きだ。

で、山頂の広場。

ここは「持舟城跡」というのだそうだ。

景色良いなあ!向こうに見えるはもちろん富士山。

富士山が近い!

望遠レンズで拡大。

パノラマを使って富士山から海岸まで。ここら辺に住む人は、いつも

これくらい間近に富士山を見ているのだなあ。先生も毎日富士山を

眺めていたのだろうか。

さて、自転車の所まで戻って、山中、舗装道路の所を走り回る。

いや~アシスト自転車って、本当に楽ですねえ。登りがまったく

苦にならない。オレンジがいたるところで実ってる。

オレンジ越しの富士山。

崖っぷちの道もなかなか。海も空も青い。本当に気持ちのいい日だ。

海の色が違うのがお分かりだろうか。駿河湾は急激に深くなっている

最深部は2500メートルに達する日本最深の湾である。つまりあの色

の下は急激に深くなっているのだろう。

トンネル内。道が狭くて、車が来るとかなり怖かった。

さて、麓に降りて、海岸へ戻るぞ!向こうに見えるはもちろん富士山。

今日は一日、富士山に見守られているような日だったなあ。

海岸にて。ひとりで浜辺でいたら、おじいちゃんが話しかけて来た。

地元の事とか、いろいろ話してくれました。

「あそこに塔がみえるだろ?あの近くに徳川家康の「久能山東照宮」

がある。そこに家康公が眠っているんだ。あそこにお参りに行く人も

多いんだよ。」と。

地元を愛する海の男(おじいちゃん)という感じだったね。

で、おじいちゃんにお礼を言って用宗漁港に向かう。

実は、この用宗漁港には、他にない大きな名物があるのだ。

駿河湾は、4枚前の写真の説明に書いたが、日本最深の湾だ。

ここに、黒潮系やら太平洋系やら亜寒帯系の深層海底流が

流れ込んでいる。その上、ここに、標高4000メートル近い富士山

からの湧き水が海底から噴き出している。きわめて豊富な栄養素

を含んだ水流が複雑に絡み合って深い深い海から湧き出す所、そ

れが奇跡のような湾、駿河湾なのだ。

前に書いた「富山湾」と通じるものがあるね。

富山湾は「白エビ」が海底から湧くように、この駿河湾では「しらす」

が湧いてくる。(シラスとはカタクチイワシの子供)

この「しらす」は、足が異常に早い。つまり生のままでは流通が出来ず

釜茹でにして「釜茹でシラス」として出荷される。スーパーに並んで

いる真っ白なシラスの事だ。この用宗では、この取れたばかりの

「生シラス」を食べさせてくれる極めて珍しい所なのだ。

さて、用宗港に帰ってきたぞ。

親切に「どんぶりハウス」があるぞっと。漁港直営。その「生しらす丼」

が格安で食べられるのだ。

大盛。700円。

見よ!この透明な美しさを。まるでガラス細工のようだ。

さらにマクロで拡大!この透明感はたまらないね。食感は、普通の茹でしらす

と違って、ツルツルしている。何とも言えない味わい。釜茹しらすと違って

味、というより、舌触り、歯ざわりを楽しむ鮮度が命のものであることがわかる。

ああ、極楽じゃあ。これで、用宗まで来て一泊した目的の一つが達せられた。

で、この時点で午後1時。まだまだ日が高いぞ。この町の山間部と

港湾部はほぼ制覇した。今度は公園とか街中とか行って見よう!

 

この公園(広野海岸公園)から海を臨む。

沈没船をモチーフにした遊戯。面白そうだ。

後ろは

沈没船の周りはなかなかの賑わいでしょ?

さて、この後、午後4時まで街中を散策しまくり、いったん温泉に戻って

入浴。そしてもう一つのお楽しみに向かう。なんとこの温泉の隣には

ブリュワリーがあるのだ!

で、地ビールをテイスティングしまくり。

どんどん空けて行くぞ!

で、気に入ったのはこれだ!「スターウォッチャー」

一番最初にこのブリュワリーで醸造したビールなんだそうで、たしかに

奇をてらわない極めてまっとうなビールだった。で、ここからはこればかり

ガンガン飲む。

時間はもう5時を回る。ブリュワリーを出てまた夕刻の浜辺を散歩する。

潮風が気持ちいいなあ。どっから見ても酔っ払い千鳥足おぢさんだった

だろうなあ。「人生黄昏おぢさん、海に身を投げないでね!」とか思われ

ていたかもしれない。

で、最後に、夜の街に繰り出すのだった。ブリュワリーはツマミさえ

無くって、純粋にビールばっかり飲んでたんで、お腹空いただよ。

で、ここが用宗の飲み屋街。

一軒目。しらす丼と海鮮の店 次郎丸。

せっかくの漁港だから海鮮ど~ん!生しらすも釜揚げしらす

も入ってる、いわゆる「全部盛り」。名物の桜エビ(生)も。うまうまうま!

二軒目!「colombeオムライス SHIGENO」、オムライス専門店。

来た時から狙っていた。オムライスにミートソースがかかっている。

これは手が込んでいる。うまうまうま!

びっくりするのは、どの店主も若い事だ。昨日の貴乃の店主もだけど

おそらくみんな30代。私も酔った勢いで、若い店主たちとずいぶん

話し込んでしまった気がする。(どこから来たかわからない、怪しげ

な風体の酔いどれオヤジと思っていただろうな。いえ、そのとおりで

ございますとも。)で、感じたのは、みんな真摯に街の事を考えていた

ことだ。どうすればこの街が栄えて行くか。よそ者の私に投げかけて

くるのだ。ああ、もうちょっと酒をひかえていたら頭が少しは回るのに、

とか思いながら呂律の回らない口で、私なりに一生懸命話したような

気がする。ただの酔いどれオヤジのたわごとで、何の役にも立たな

かったろうけど。

けどね。あなたたちが、今の熱意を持ち続けていたならば、きっと

この街には明るい明日が待っている、とおぢさんは思うのだ。

「静岡の近くの漁港で、用宗って言うとても素敵な街があるよ!」と

いろんなところで耳にする日を祈っておりまする。

 

で、相当酔っぱらって、宿にチャリを返しに行って、帰りの電車に乗った。

東海道線に乗ってすぐに意識が飛んだけど、乗り過ごさないで新幹線

に乗り換えられた自分を褒めてやりたい。


今回は、恩師の焼香、という事でこの辺りに来たのだけれど、

不謹慎も極まれりだけど、それでもやっぱり旅は良いな。

粋人の先生なら、きっと笑って許してくれるさ。

 

今まで、名前も知らなかった町、そこに住む人々、自然の景観、

どれをとっても新鮮で、いろんな発見があって、ほんの少しだけ

自分の痕跡を残せて、旅は本当に最高だな。

 

きっとこの街には又来るだろうね。