こんにちは

 

EDIX春田校です。

 

ある私学に通う生徒さんにこんな質問をしてみました。

 

「夏休みの宿題とか、読書感想文とか、AIを使って提出する人もいるんじゃないの?」

 

すると、「むっちゃいると思いますよ!」という回答が…。

 

「AIを使うなんてズルでは?」
「考える力が身につかなくなるのでは?」
「いっそ使わせない方がいい?」

私を含めて、そんな不安を感じる方も多いでしょう。

一方で、学校現場では生成AIの活用が少しずつ始まっています。AIを完全に遠ざけるのではなく、「どう使うか」を考える時代になってきました。

 

今日付けの発表の中でも、高校の進路指導にAIが導入されるとの報道がありました。

 

大学って、自分の好きなことを探求する場だから、そんなことをAIに任せるなよ、と言いたくなる私は時代遅れの昭和人なのでしょうか・・・。

一方、家庭ではどのように向き合えばよいのでしょうか。

最近では、一部の学校で生成AIを授業や学習の振り返りに活用する実証が進められています。

これは「AIに答えを書いてもらう」ためではありません。

先生が目指しているのは、

自分の考えを整理する
分からない部分を質問する
学習内容を振り返る


といった学習支援です。

つまり、AIは「答えを出す機械」ではなく、「学びを深めるパートナー」として活用され始めています。

では、本題。

 

ChatGPTを使う子は成績が下がる?

答えは、

「使い方によります。」

<伸びない使い方>
・問題文をそのまま入力する。
・答えを丸写しする。
・理由を考えない。
・宿題を終わらせることだけが目的。


これでは考える時間がなくなり、本当の学力は身につきません。

<伸びる使い方>
「ここまでは自分で考えたけれど、どこが違う?」
「小学6年生にも分かるように説明して」
「別の解き方はある?」
「この漢字を覚えるコツを教えて」

これは先生に質問することとほとんど変わりません。

AIを「家庭教師」のように使っていることになります。

AI時代だからこそ必要なのは「考える力」

AIは答えを出すのがとても得意です。

しかし、

本当に理解しているか
なぜ間違えたのか
次にどう学べばよいか

までは、AIだけでは十分に見抜けません。

これから必要になるのは、「正しい答えを知る力」ではなく、「正しい質問をする力」です。


例えば、算数の文章問題で、子どもは「割合が苦手」と言います。

でも実際には、

問題文が読めていない
分数が理解できていない
計算ミスが多い
式を立てる順番が分からない


原因は子どもによって全く違います。

AIは質問されたことには答えられます。

でも、

「何を質問すればよいか」までは教えてくれません。

塾で長年子どもたちを見ていると、成績が伸び悩む子ほど「質問ができない」という共通点があります。

何が分からないか分からない。

だから塾や学校の先生はおろか、AIにも質問できません。

 

「個別だから質問しやすいのでは?」

 

と考える保護者様。

 

お子様が、何がわかっていないかわかっているならそうだと思います。

 

結局、何がわかっていないかわからない生徒は、答えだけ写す。

宿題を終わらせるだけ。

結果、理解は深まらない。

これでは学力は伸びません。

AIにはできないことがあります。

例えば、

今日は集中できていない。

最近自信をなくしている。

学校で嫌なことがあった。

部活動で疲れている。

こうした小さな変化は、画面越しでは分かりません。

また、「もう少し頑張ればできそうだから、あと一問挑戦してみよう。」

そんな励ましも、

一人ひとりに合わせた声かけも、子どもの表情を見ながら行うことはできません。

昔の塾は、

「分からない問題を教える場所」

でした。

しかし今は違います。

AIが知識を教えてくれる時代だからこそ、

塾が担う役割は、「考える力を育てること」へ変わっています。

例えば当塾では、

・なぜ間違えたのかを一緒に考える
・自分で説明できるまで確認する
・家庭学習の進め方を指導する
・学習計画を一緒に立てる
・やる気が続く声掛けを心がける

といった、「学び方」そのものを大切にしています。

これはAIでは難しい部分です。

「AIがあるから塾はいらない」

そう考える人もいるかもしれません。

しかし実際には、

AIがあるからこそ、

子どもの学習を見守り、伴走する存在がこれまで以上に重要になっています。

AIは答えを教えてくれます。

でも、「その子が成長する順番」は教えてくれません。

一人ひとりに合ったペースで励まし、つまずきを見つけ、学習習慣を育てることは、人だからこそできる役割です。

ということで、生成AIは、これからの教育に欠かせないツールになるでしょう。

だからといって、子どもが一人でAIを使えば学力が伸びるわけではありません。

怖いのは学校や塾がAIに頼りすぎることですね。

 

私はむしろ、かなり懐疑的であります。

 

興味深いのは海外の国の対応です。

 

イギリス・フランス・フィンランド・オランダ・オーストラリアは教育へのAI活用にかなり慎重な姿勢をとっています。

 

最たる例はノルウェーで、

① 小学生(6〜13歳)は原則として生成AIを使わせない
② 中学生は教師の監督下で限定利用 

③ 高校生は大学や社会に備えて適切な利用方法を学ぶ

という方針を打ち出しました。理由は、基礎的な「読む・書く・計算する力」が十分育つ前にAIへ依存すると、思考力の発達に悪影響を与える恐れがあるという考え方です。

 

やはり、AIを正しく使うには、考える力を伸ばし、学習習慣を身につけ、発問力を上げることが重要になってくるかと思います。


そのためには、子どもの様子を見ながら伴走してくれる大人の存在が欠かせません。

私たちの塾は、「問題の答え」を教えるだけの場所ではありません。

AI時代だからこそ必要となる、「自ら考え、学び続ける力」を育てる場所です。

ちなみに、コロナ禍において、オンライン授業やAIを使った指導に変えた私の知りあいたちの塾は生徒がかなり離れ、中には倒産した塾もあります。

やはり、AIに任せるべきところは任せて、人にしかできないことを追究することが大切でしょう。


<ご家庭でできる3つのルール>
① まずは自分で考える

「5分だけでも自分で考えてみよう」

この習慣をつけるだけで大きく変わります。

 

子どもがわからないからと質問してきたとき、すぐに答えを与えてしまっては子どもの思考力育成のチャンスを奪っていることになります。子どもに「聞きグセ」をつけてはいけません。

② AIに答えではなく理由を聞く

例えば、

❌「答えは?」

ではなく、

〇「なぜそうなるの?」

と思考や理解が深まる質問をする習慣をつくりましょう。

AIと人間は対立するものではありません。

AIの便利さと、人が寄り添う指導。

その両方を活かすことが、これからの学びには必要だと考えています。

生成AIは、これから学校でも社会でも当たり前に使われる時代になります。

だからこそ大切なのは、「AIを使わせないこと」ではなく、「AIを正しく使える子に育てること」です。

 

以上、今日の気になるニュースについての私見でした。

 

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