地政学的な意味や、軍事的な意味という俯瞰レベルでしか見てこなかったオスプレイについては、静観していた。
ところがそういう態度が、今日のNHK7時のニュースで
急速に具体的なところに落ち着いてしまった。
結論からすれば、オスプレイはアブナイ。
沖縄の人たちの頭上だけでなく、本土上空を訓練飛行で南北に飛ぶこともあるとされる、この輸送機、
NHKの報道が事実とすれば、何よりも、軍事的観点から見てダメなのだ。
「強い追い風に向けてケツを向けてはいけない」とか、
そういうマニュアルなコツみたいなものが操縦に必要とされる、ということ自体が「危険」性を露わにしてしまっていることになる。
なんか、全然ミリタリーじゃないよ、この機体。
米軍上層部が言うとおり、機体の問題ではなく、
操縦士の運転能力、そこから来るミスというのが事実とすれば、
それはなおさらに「オスプレイはロクなもんじゃない、軍用機として」、と言ってるようなものではないか。
なぜ操縦士の技量レベルに大きく影響されるようなものを、
軍用機として採用したのか?
もはや零戦の時代ではないのだ。
そういうデリケートな操縦マニュアルを必要とする機体だとすれば、搭乗する飛行士の訓練の精度をこそ調査し、確認することが求められることになる。
しかしそんな内部機密にあたるようなものを米軍が果たして出してくるだろうか。何よりも操縦能力なんて、絶対基準を可視化できるような性質のものではない。
それはセスナであれ通常のヘリであれそうなわけだが、
軍用機はちょっと別格のはずだ。
戦闘ヘリ「コブラ」は、電子制御の塊でその重量、部品の7割近くが電子部品だ。
オスプレイは輸送ヘリの変種で後方支援専門、戦闘機ではない。だからこそかえって、そこまでの電子制御の精度を求められなかったのかもしれない。
戦闘ヘリ「コブラ」 写真Author=いたち
なんにせよ、「オスプレイはアブナイよ」って思わざるを得ないことになってしまった。
輸送ヘリより速度が出るそうだが、それにしてもそれだけのために、なんであんなヘンテコなもんを作ったんだろうか。米軍らしくないと思う(笑)。
いやマジで、
兵士よりも機体メーカーのほうをかばうような上層部を持ってしまった、
米軍のオスプレイ搭乗員に同情を禁じ得ないのだ。