もうなんと25年も前の4月12日と13日にボストンで開催された「ポストモダンの諸問題」というワークショップの記録をまとめた日本の月刊誌臨増号をパラパラとめくって感じたのは、なんとお気楽な議論をしていたものか、という、ちょっと怒りも込み上げてくるような嫌らしさ、だった。
こういう透過力も、ある種の3.11効果というものなのかもしれない。同時に、「効果」などと言ってしまうのは、実に情けないことなのだ、ということも忘れないようにしたい。情けない、実に情けないことである。
何がいやらしいのかは、また述べるとして、「絵画展」の告知ページがシンプルながら完成間近。
2012年個展開催予告|山口喜造 Painting Works
キャンバスにタブロオに油彩も、たしかに「モダン」には違いない。
だけど、たとえば「岡倉天心の逆襲」に想いも至らぬままに、
プレモダンだのハイモダンだのポストモダンだのと、
タグのコピペ張り替えみたいなことして、いったい何をしたかったのか、
あの当時のいわゆるアカデミズムがやってことは泡だったとしか思えない。
せめて「際」や「エッジ」や「境界」に起って、
揺らぐくらいのことはしなきゃいかんのじゃないかと。
山口喜造のペインティングは、
本人がここで書いたようなことを意図してるわけではないにしても、
かなりヴィヴィッドに突っ込んでしまっていると思える。
ヴィヴィッドにってことは、コンセプチュアルではない、
ということだが、言葉にするといきなり伝わりにくくなる
のはいつものこととして。
グラデーションも使いようですな。
けっこう体現できたのではないかと。
何を? については、
ぜひ会場に足を運んでいただいて、
その眼で「目撃」されることをお奨めします。
製本されたエディションナンバー付きのお宝ブック・オブジェなども展示される予定。
2012年個展開催予告|山口喜造 Painting Works