PDCAサイクルを、おさらいするために「鳴門の渦」をイメージしてきたわけではないのですが(爆)、ここに来て、あらためて「渦」と「螺旋」の、近さと遠さを確かめる必要が出てきました。
スパイラルアップは、昨日の記事に書いた螺旋状の改善・改良・進化の契機を作り出そうという、サイクルの意味に関連します。
この「契機」を活かすも殺すも、PDCAのA、Actにかかっているということになるのですが、そこまでデミング博士自身は、語っていなかったのではないか?(ご存じの方には、ぜひご教示いただきたく)。
スパイラルアップspiral upは、ごく簡単な英語慣用表現で、日本語で言えば「うなぎのぼり」に近いニュアンスで、まあかなり普通に使われているようです。
ひょっとすると、デミング博士のなかには、ノーバート・ウィナーの「サイバネティクス」の考え方もあったかもしれないと思われます。
いわゆる、「フィードバック」のあるシステムの仕組み原理が、サイバネティクスなわけですが。
負のフィードバックがあれば、停止する、もしくは下降する。正のフィードバックがあれば前進(稼働を続ける)もしくは上昇する。この様子を3次元で視覚化すれば、ある種のスパイラル、らせんと言っていい形になる。
で、この正負を判断するのが、Check、80年代のデミング自身の変更に従えば、S=Studyということになります。
エアコンなどの機械的なフィードバックシステムなら、そこはセンサーによって、データ化された環境の変化に、ただ従って動くということになりますが、これを思考の仕組みにあてはめようとした場合には、ことはそう簡単ではありません。
米国では、「連邦政府の品質管理」にも導入されたというデミングのPDCA、TQC。
これが、日本では、なぜほとんど製造業のみに広く行き渡り、それ以外の分野ではさほど普及しなかったのか、汎用性の高いサイクルモデルとして、分野を問わず形としては広がりを見せている、見せたものの、圧倒的に使いこなすというレベルには到達できていないのか。
そのヒントをもらえる論文を見つけたので、「デミング博士の経営哲学」と関連させて、読書マッピングしていくことにします。
デミング博士は、たんに、製造業における生産ラインだけを見つめていたわけではないこと、品質が向上すれば、生産コストは低減する、というときのQualityは、製品の品質のみではなく、人のスキル、能力、思考まで実はカバーしたものであったことがわかってくるはずです。
もし、デミング博士がまだ生きていれば、きっと「知識時代のPDCAサイクル」を新たに提案したに違いないと思えるのです。
【渦spiralと螺旋herix】
螺旋は3次元曲線で、渦巻きは2次元曲線。で、「螺旋を2次元(平面)に投影すれば渦巻きになる」という説明があるのですが、「上から見たら」と同じですし、この場合「3次元」というのは、「運動込み」ということじゃないかと。鳴門の渦は、螺旋なんじゃないかと。というか、幾何学的に考えてるかぎり、「時間」が入り込む余地がないので。螺旋階段は英語ではspiral stairway?