「戦争はしないでください」
これは、オバマ新大統領が、「核のない世界を実現する」というスピーチを行ったことに呼応して、長崎の高校生が、新大統領に送ったメッセージの一つです。
しかし、このスピーチの内容は、けっして「非戦」を宣言するようなものでないことは言うまでもありません。
以下は、オバマ氏という新しい米国大統領の力量を云々するものでは、まったくないのですが、
民主党のイメージとは異なり、アメリカが戦争を始めたときの大統領は、かなりの確率で民主党です。
共和党タカ派?のイメージがありますが、
実のところ、諸外国との戦争を起こしてきたのは民主党政権です。
第二次世界大戦のルーズベルト、トルーマン(原爆投下の命令は、この大統領によって行われました)、
ベトナム戦争のジョン・F・ケネディ、イラク空爆のクリントン。すべて民主党です。
たしかに、60年代から核拡散防止条約など、「非核」関連の条約を批准してきたのは、民主党政権なのですが、通常兵器?による戦争は、ほとんどが民主党大統領時代に起きています。
米国海外派兵で最新なのは、共和党ブッシュ政権によるイラク戦争ですが、頻度としては、
圧倒的に多くの戦争が、民主党政権時代に勃発しています。
だから、なんだって話かもしれないですが、冒頭の「核のない世界」メッセージは、
オバマ大統領の独自路線ではなく、いわば民主党という党の歴史を継承するものです。
長崎の、高校生のメッセージ、米民主党の歴史をしっかり勉強した上のものかどうかはわかりません。
しかし偶然としても、なかなか意味深なメッセージだと思います。
大不況の嵐が、どうなるかという、正念場での大統領就任です。
米国史上初の黒人大統領であるオバマ氏の新しさが、どう発揮されていくのか、
注目したいところです。
PS.
オバマ大統領就任式は、日本時間で21日午前2時から。
すべて録画しようと思います。