信念―grandfathering | 編集機関EditorialEngineの和風良哲的ネタ帖:ProScriptForEditorialWorks
ゴーイングコンサーン

going concern / 継続企業の前提 / 継続企業


 企業などが将来にわたって、無期限に事業を継続し、廃業や財産整理などをしないことを前提とする考え方。

 “企業価値”を考えたとき、「いま、清算する」ことを前提にした場合と「今後も事業継続する」ことを前提にした場合では、会計上の考え方も価値そのものも異なってくる。企業が解散する場合の価値を清算価値(liquidation value)というが、これに対して継続することを前提にした価値のことを継続価値(going concern value)という。これはキャッシュフローを生み出す力を評価するものといえる。

 ゴーイングコンサーンでない企業(例えば、大航海時代の航海ごとに作られる会社など)であれば、1回の取引(航海)が終了した時点で収支を精算することになるが、継続的に事業活動を行うことを前提にするとその区切りがない。そこで意図的(あるいは法的)に任意の会計期間を区切って収支の算出を行うことが求められる。この場合、その期の収益と費用はその期に計上しなければならない。この操作を行うために、簿記が必要となる。

 また、2003年3月期決算から、企業が財務書類で倒産リスクを開示し、公認会計士がチェックする“ゴーイングコンサーン規定”という会計ルールが義務付けられている。

 なお、この言葉は「企業には継続するという社会的使命・責任がある」という意味で使われることも多い。さらに事業の継続を前提した企業・事業体そのものを指し示す場合もある。

長い引用になりましたが、出典は、ゴーイングコンサーン - @IT情報マネジメント用語事典 です。


エンジンが、この言葉を腑に落ちるように理解したのは、1983年刊行(原書)のシュラー著『信念』(三笠書房)に書かれた次の一行からでした。


「たとえ、世界の終末が明日であろうとも、私は今日リンゴの木を植える」


いや、この言葉に触れたときに、ゴーイングコンサーンという言葉を知っていたかどうかは定かではありませんが、自分のなかでは、いつのころからか、この二つはしっかり結びついて記憶されています。


ついでに言い添えておきますと、シュラーという人は、「ニューソート」と呼ばれて、のちのポジティブシンキングとか、いわゆる自己啓発ものの、おおもとになった人のようです。


いまでは、いつどうしてこの本を手にしたのかも、はっきりとは思い出せません(笑)。


当時のエンジンの読書傾向は、まったく違っていたので。


ともあれ、このゴーイングコンサーンは、一冊の本にも当てはまります。


ドイツのノヴァーリスという作家は、


「人は誰でも生涯に一冊の聖書を書くために生まれてくる」


という言葉を残しています。


著作がまだ1冊しかないとか、あの人は年に5冊も出して多作だとか、そういう1冊2冊の1冊ではありません。


エンジンとしては、何度も書き直すことを含めた1冊であると思っています。


聖書に値いするような、それぞれのテーマが見つかれば、それは何度でも書き直すはずです。


それが、結果、何冊もの本として世に問われるかもしれないとしても。


また、誰もがいわゆる本を書くわけではないかもしれません。しかし、1冊の聖書に相当するものを、うまずたゆまず作り続ける、それを生き続ける、そういうことだろうと思います。


商業出版物としての、1冊の本についても、これは言えることです。


職業としての編集としては、そういう本ばかりを作ることは難しいかもしれません。


しかし、なるだけ、そうしたいと思います。


いきなりマーケティング的な話に転じますが、それがひいてはUSP、本物のユニーク・セリング・プロポジションになるはずです。著者にとっても、編集者にとっても。


おいおい噛み砕いていきますが、この「一冊の聖書」のパワーが腑に落ちるにようになれば、


昨今氾濫気味の気配のある、安易なブランディング本の底の浅さなど、すぐに見抜けるようになります。


そのもう一つのキーワードが、grandfathering です。




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