「放射思考」の歴史を歩く(2)─日本のモビリティ | 編集機関EditorialEngineの和風良哲的ネタ帖:ProScriptForEditorialWorks



年賀状シーズンにはお馴染みの「筆ペン」。
1973年にセーラー万年筆から売り出されています。


ところが、この筆ペン、なんと江戸時代にすでに発明されていました。


編集機関のシンプルマップ的ネタ帖:ProScript for Editorial Works-懐中筆


1828年(文政11年)に鉄砲鍛冶の国友一貫斎が、

「いつでもメモを取れるようにしたい」

という想いから、鉄砲造りの技術を応用して作り出したと言います。



編集機関のシンプルマップ的ネタ帖:ProScript for Editorial Works-懐中筆2

(NHK 生活ほっとモーニング

「クイズdeなっとく!目指せ!達筆」より)


日本の文化には、古くから「携帯性」、モビリティを重視したものが、
数多く見られます。


筆で言えば、芭蕉など俳人たちが

旅先で俳句を書き記すために携帯した、
「矢立」が知られていますが、これは鎌倉時代からあったそうです。


彼らは、こんな創作メモを筆で書いています。



編集機関のシンプルマップ的ネタ帖:ProScript for Editorial Works-蕪村手帖


与謝野蕪村の手帳と言おうか、小本の一つ

『安永三年春帖』の1見開き。


彩色されることもありますが、俳画は、一様にモノトーンです。

墨一色の濃淡によって、遠近感が表現されたりもしています。


動きやすさ、モビリティってことで言えばもう一つ、

フローリングが多くなり、一般の住居から姿を消しつつある

「畳」ですが、

この畳、いまさらながら、 「たたむ」から来ています。


自分たちの居住区が、戦場になりそうなとき、

「いつでも畳んで、移動できる」ようにしていたため

と言われています。


ちなみに、古い箪笥の両サイドに、持ち手がぶら下がっているのも、

担ぎ棒を通して、さっと担いで、移動しやすくするためのものでした。