居酒屋と出版企画 | 小林一郎と歩く「ガード下」と「横丁」

小林一郎と歩く「ガード下」と「横丁」

「ガード下学会」「横丁・小径学会」活動の報告および、予定などをお知らせします。

居酒屋と出版企画

小生が住んでいる家の近くに都立の公園があり、その公園から道路一つを隔てたところに美味しい焼き鳥を食べさせる居酒屋がありました。ただし、どこの駅からも遠く、しかも表通りから入った生活道路ぞいなので、いつも客はわずか。呑んでいても、次の客が入ってこないと、帰りづらい、という状態でした。

それの店が閉じて、一年近くたって新たに居酒屋が入りました。居抜きです。ただ、これが入りづらい。今までなら、勝手知ったる、で入れましたが、知らない店となると、なんとも店の内部のつくりが、見知らぬ者としては入りづらい。ということで、躊躇していたら、三ヵ月ほどで年末になり、年を越して正月中旬には店を閉じてしまいました。まあ、踏ん切りがいいというか、深みにはまらないよう早めに撤退したのかも知れません。

それから、10ヵ月ほど経ち、今度は「ダーツ&居酒屋」と、まあ、住宅街には似つかわしくない、居酒屋が誕生しました。ダーツと言ったら若者対象でしょう、そんなの成立するかい? と心配しながら店内を見ると、これが、お客さんで一杯。皆、若く、年取ったオヤジが入れる店にはなりませんでしたが、とにかく、ホット安心しました。

そこで、考えました。美味しい料理をだすからって、必ずしも流行らない。安くて美味しいだけなら、従来の駅前の店がいくらでもある。新たに進出するなら美味しい料理と個性豊かな(?)オヤジ以外に、もう一つ客を引きつける〝何か〟が必要ということのようです。これって、出版企画でも言えそうです。従来の本道というかオーソドックスな企画では皆さん既製の書籍でいいわけで、新たに手にとって買い求め、読むとなると、+アルファーの新たな視点が欲しい、っことなんだな~と改めて実感いたしました。