お前は見舞いに来ない!? | 小林一郎と歩く「ガード下」と「横丁」

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「ガード下学会」「横丁・小径学会」活動の報告および、予定などをお知らせします。

お前は見舞いに来ない!?
昨日、母親の見舞いに行くと寝ていたため、
「おッ母さん、イチローだよ!」と呼びかけました。すると、うっすらと目を開け「あぁ~、珍しいね!」だって! えぇ? 「昨日来たでしょ!」
たしかに、年が明けてからあまり、行っていない、ということもありますが、そんなに久しぶり、ってわけじゃない!
50歳を数日後に控えて逝ってしまった友だちもそうでした。何年か闘病生活をしましたが、「お前は見舞いに来ない!」というのがその友人の口癖で「○○は来てるぞ! なのにお前はぜんぜん来ないじゃないか!」という叱責ばかり。でもその来ているという友人はたしかに見舞いに来たけれども一度か二度。それで充分ですが、こちらは週何度も。しまいには、こちらも切れて「○○なんて一度か二度来ただけじゃないか! オレは週何回来てると思ってるんだ!」それにもめげず、友人は「毎日来たっていいじゃないか! なんで来られないんだ!」こんなやり取りばかり。病院の食事だけではかわいそう、と事務所の同僚に鯛飯や松茸ご飯を炊いてもらって持ち込んだり(煮炊きの道具は中小出版社と編プロの必需品。やくざな商売です)、そんな時には楽しいひとときを過ごせたんですが、数日明けようものなら、病院でずっと叱責。なんでオレばかり来ないなんて言われなきゃならないんだよ! といつもいつも思っていました。こんな想い出ももう十年も前のことになってしまいました。
でも、なんで“見舞いに来ない奴”ってレッテルをはられるんだ! ひとは雰囲気だけで判断するんじゃない?