千住のラビリンス | 小林一郎と歩く「ガード下」と「横丁」

小林一郎と歩く「ガード下」と「横丁」

「ガード下学会」「横丁・小径学会」活動の報告および、予定などをお知らせします。

ある大学のオープン講座で小塚っ原から千住大橋を通り、北千住まで歩いたときの話。なぜかこの日は参加者が極少。“小塚っ原”や“千住大橋”という言葉から、イメージが広がらなかったようです。例えば、小塚っ原という地名から、どんなところだったのだろう、という疑問が膨らんだり、地図をみて、これなら吉原から歩いてすぐ。なら、投げ込みでらがあった筈、とか、千住大橋なら芭蕉の矢立初めの地、と同時に千住のやっちゃ場とその街並み、千住宿です。その旧日光街道沿いのすぐそばには森鴎外の病院――と、思いを馳せる知識欲が刺激される世界なんですが。
とはいえ、実際に集まって歩いてみると、楽しい遊歩。やっちゃ場の跡では、「ここは、青果店。ここは乾物。ここは水菓子屋さん!」など、各家の前に掲げられた木製の看板(職種と屋号が書き込まれています)をみながら、見知らぬ古き時代をみな楽しんでいました。
で、最終地点、北千住駅の駅前を通過する際(当日は江戸ネタで集まったんですが)、参加者は路地につぐ路地とクネクネの路地、ラビリンスに皆興奮!
路地の魅力の大きさとともに、路地は見通しのいいところより、折れ曲がった路地のほうがより魅力的なことも判りました。(色街では、後から来た人にどこの店に入ったか判らないように曲がり角の幅員を狭くしているところもあるくらいです)
今日の写真は、北千住駅前のラビリンスな路地と、通り抜け空間です。


小林一郎と歩く「ガード下」と「横丁」-北千住駅前の横丁群


小林一郎と歩く「ガード下」と「横丁」-北千住駅付近/みんなの通り抜けビル