昨年は、Valentine Dayのチョコレートについて、三回にわたって書いた。
2005年2月6日
バレンタインデー 真剣勝負 #1
2005年2月12日
バレンタインデー 真剣勝負 #2
2005年2月15日
Valentine Dayとチョコレートに対する思いは、もちろん昨年と大きな違いはなく、
つまりはボクの周囲を取り巻く関連するプライベート環境にも大差はない。
昨年のボクは
「錯覚、誤解、思いこみは、男のエネルギー源だし、身の程知らずは男の性なのだ。」と書いているが、
今年もEカードとチョコに、一週間分くらいの元気をもらった。
チョコ好きとして、今年の傾向について軽く触れておく。
とりあえず、写真に写っている「サロン ド ショコラ」セレクションを一通り試してみた感想を中心に。
本場の“Salon du chocolat”でも人気があったというファブリス・ジロット(Fabrice Gillotte)氏の“テロワール ド ブルゴーニュカシス”はさすがに美味しかった。ジャムではなく、カシスのゼリーを封じ込めた技術に賞賛が集まっているが、やはり口溶けがジャムとは微妙に異なり、新鮮な食感であった。
しかし今年は、ハーブを使ったチョコが多かったような気がする。ファブリス・ジロット氏は、エストラゴンやコリアンダーを使っているし、アンリ・ルルー氏はタイム風味のガナッシュでアクセントを出し、イルサンジェー氏はフレッシュバジルやグリーンペッパー、パトリック・ロジェ氏は、セショアンペッパー。他にも、シナモン、ペッパー、ナツメグ、グローブを風味のプラリネを試したクリスチャン・ヴォーティエ氏やブラックベリーとバジリコのガナッシュをのセバスチャン・ブイエ氏などなど。
ほとんど肉料理のレシピのようだ。
口に入れると、一瞬、ウムム?と、ハーブの香りが広がるのだが、チョコに合うハーブはミントだけではなかったんだ、と感心する。なめらかな口当たりのチョコレートが、一気に、複雑なオトナの香りを持つ作品に昇華するのだ。
ボクのチョコレートに対する思いこみを打ち砕いてくれた衝撃の『黒トリュフ』(LE CHOCOLAT DE H (ル ショコラ ドゥ アッシュ))
の馥郁たる楽しみを知ってから、もしかしたら、ボクのチョコレート感が変化しているのかもしれないが、オトナがゆったりと楽しむための嗜好品として進化を始めているということなのかもしれない。
普段は、じつはフルーツの酸味が効いたチョコが好きだったりする。
でも特別なときに、揺らめく光を眺めながらつまむ一粒のチョコレートは、こんなオトナの味が似合う。
伊勢丹の“サロン ド ショコラ”に集うオトナの女性たちは、自分のために購入する例が多いという。
今年は、フルール・ド・セル(塩の花)を使ったチョコやキャメルも目についた。これらの複雑な甘さのチョコは、シンプルなアタマの構造の男のコには少々もったいないような気もする。
この時期を逃すと手に入らないチョコも多いけど、こんな風に新しい味に出会うと、都内のどこかで似たレシピのチョコを試すシェフに会えるのではないか、と期待する。この数年で、真剣勝負のチョコの店も増えたしね。今年も、チョコのオフシーズンに期待しましょう。
