予測不能の心地よさ。 | デジタル編集者は今日も夜更かし。

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出版社に在籍していながら、仕事はネット、携帯などデジタル企画のプロデュース。

もし雑誌をやっていたら記事にしたかもしれない様々なネタを、ジャンルにこだわらずコラム風に書いてみる。アナログ志向のデジタル編集者は、相も変わらずジタバタと24時間営業中!

  tango

「風と光を呼び込むために。」 で書いたモビール熱が継続中。

大型タイプの“Black Rhythm”は、月明かりの入る天窓の正面に位置を決めて、ゆったりと揺れている。音楽や言葉のリズムとはまったく異なる自然のリズムで。
たかが風に揺れるもビールではあるけれど、その動きは複雑で、予想がつかない。
窓から入る風、人の移動、部屋の空気の対流など、思いもかけない要因でモビールは揺れる。

モビールを眺めていると、人は日常的に、瞬間の後を予測しながら生きていることに気がついた。
たとえば雑踏のなかでは正面からくる人の動きを無意識のうちに予測をして、右に避けるか、左に行くか、それともまっすぐ進むかを予測して歩いている。角を曲がるときは、その先に何があるかを、じつは予測している。もしかしたら自転車が走ってくるかもしれないからちょっと注意しながら歩みを緩めるけど、崖っぷちであるはずはないので、足下を見ることはない。日常生活は予定調和。

数コのパーツががそれぞれ一本ずつの糸でバランスをとるモビールは、それぞれのゆらぎの原因が異なり、それが乗算されることで、個が全体に、全体が個に影響を与えて揺れている。高度な技術とデザインで、それらの条件を忠実に再現したフレステッド・モビールは、だから美しい。

欲しいとは思っていたけど本社のホームページでしか見ることのできなかった“Tango ”を売ってるネットショップを見つけてしまい、もう、辛抱できなかった。確信犯的衝動購入(^^ゞ

“Tango”のサイズは約800×1050mm。やはりでかい。グラスファイバーのバーとプラスチックの組み合わせで、やはりデンマークのフレステッド・モビールズ社製だ。黄色いバナナのような、ヨットの帆のような先端が同じ方向から空気の流れを受けても逆に回転したりする。

とりあえず、リビングの片隅に設けたパソコンデスクのコーナーに吊してみた。
ゆったりとゆっくりと、眺めているボクの心の底にある傲りをあざ笑うかのように、予測不能のゆらぎを繰り返す。逆に、予測をしても無駄だという諦めに、ボクの精神はとってもリラックスするのだ。