ボクはひねたオトナを永くやりすぎたのかもしれない。死んだり殺したりの小説ばかり読んでるしね。
素直な子どもの、素直で可愛いセリフに、しばらくはついていくことができなかった。
どちらかといえば、鳥肌モノ。言葉は悪いけど。
読み始めても、あちこちの書評ブログでの絶賛に近い評判が解せず、腹さえ立ってきた。
しかしエピソードを重ねていくうちに、小学生の男のコのてらい無き素直さに次第に心が惹かれていった。もしかしたら、このコは本当に良いコなのかもしれない…。
そして、さらに読み進めていくウチに、ストーリーに取り込まれていった。
記憶の片隅にしかない母親は、外国にいると聞かされている。
母とは定期的に文通をしているが、仕事を理由に帰ってこないし、なぜか電話さえも許されない。
父も叔母も彼には優しいけれど、小学校三年生になった少年は、母が日本にいる証拠を見つけてしまう。そして、黙って家を出て、母に会いに旅に出る。
読者は、彼よりも早く、母の存在に秘密があることを知ることになるが、それでも最後には勝手に想像していた事情以上の事実に驚くことになる。
オトナたちが、少年のため、といいながらつき通していた嘘を、ボクは認めることができなかった。しかし、旅を通して成長した少年は、その嘘を許す寛大さを、身を持って教えてくれた。
泣く。そういう小説だ。
でも、新堂氏は、誰のためにこの物語を書いたのだろう。
僕の行く道/新堂 冬樹
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