となり町戦争/三崎 亜記 | デジタル編集者は今日も夜更かし。

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本は、新聞の書籍広告を見て、すぐにそのままAmazonで購入することが多い。

『となり町戦争』の広告を見たときに思い浮かべたのは、大阪と東京が自衛隊まで出動する戦争になる筒井康隆の短編『東海道戦争』や、東北の村が独立宣言をする長編、井上ひさし『吉里吉里人』、町のなかでオタクとおばさんが殺し合う村上龍の『昭和歌謡大全集』のような非日常的なスペクタクル。そんな期待をして、そして、見事に裏切られた。良い意味で。

となり町との戦争は、確かに勃発する。戦死者も出る。しかし戦争そのものは、淡々と、あるいは粛々と、進行する。あり得ないことなのに、実は、いまボクたちの周りで日常的に起こっている事のような気がしてくる。

著者は、公務員だそうだ。書評や皆さんのブログを見ると、新時代の“戦争小説”的な扱いをされているようだが、読み終わってみるとボクには“戦争”は単なるレトリックであり、公共事業や、裁判員制度や、年金改革などすべての国・地方の行政事業を象徴しているように思えた。

とにかく、面白い小説であることには間違いはない。
最初は、パロディ小説の類かとも思ったが、むしろ純文学に近いのかもしれない。
オススメします。

となり町戦争/三崎 亜記 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087747409/ideabowl-22/