直木賞を取らなかったら、角田光代という作家の作品を読むことはなかったかもしれない。女性が書いた、女性たちのための小説。
でもでも、面白かったぁ。
久しぶりに、濃い小説を読んだ気がする。たまには、良いね。
ボクは男だから、当然、男として読んだワケなのだけれど、なんだか途中から女性の視点になり始めていた。時に、高校生だったり、主婦だったり、仕事を持つ独身の30代だったり、と主人公たちに素直に共感し始めていた。
昨日付の朝日新聞夕刊に、角田さんの受賞エッセイが掲載されていた。
ちょっと、泣けた。いい人だ…。イッキにファンになってしまった。
検索してみたら、たくさん出版されているんだな。しばらく角田光代の作品巡りだ。
この作品が、直木賞をとってくれて良かった。新しい出会いに感謝。
少し前の日本って、自己を見つめる事で文学が生まれていた気がする。
自己嫌悪だったり、自意識過剰だったり。どんなに拗ねようが、どんなに背を向けようが、世間が絡んできて、ほっといてよ~的な自己チュウ文学。時として、勝手に悩んでろ!と思うのだが、そこに自分の影を見つけてしまうと嵌ってしまう。ワカルワカルみたいな。
でも最近は、他者との関係性をどう保ち、あるいはそこからどう独立し、生きていくのか、幸せになるのか、が小説の主たるモチベーションになっているんじゃないかな。たとえば“いじめ”。たとえば“家出”。学校、社会、家庭など個々人が属しているそれぞれの集団で、人はみな、どのように振る舞えば心地よいかを考えている。いじめはこの小説のメインテーマではないけれど、いじめを含む他者との関係性の物語だ。いまの時代、そこにワカルワカル(共感)がある。
もしかしたらいじめは、将来の作家を産み出すエネルギーになるかもしれないなぁと思う。角田さんがいじめられっ子だったかどうかなんてことは、知らないけど。
対岸の彼女/角田光代
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163235108/ideabowl-22/
■TB■
un-tra-ku-tara
http://mori3mori3.ameblo.jp/
ahahaさんからTBいただいて読ませてもらいました。同感!の部分と、なるほど、こういう読み方もあったか、と感心する点もあり、とても参考になるブログでした。