杖をついたおばあちゃんと、片足を引きずりながら乗り込んできたじいさんが、手すりを握りしめながら地下鉄のGに耐えているなか、
マンガ週刊誌を読んでいる青年や、携帯で麻雀してるオッサンや、マスカラを1ミリでも伸ばそうとしているムスメや、蛍光ペン華やかな参考書を睨めつけてる大学生たちが平然と席を占領しているいつもの光景。
小洒落た恰好をした背の高い若者二人が、席が空いても座らずに立ち続けていた。
地下鉄なのに急行のあるこの線の車内アナウンスに、慌てて降りようとしたさっきのじいさんが、閉まる扉に挟まれそうになった。そしたら、ZUCCAの紺のバッグを斜めがけした件の若者が、じいさんの頭越しにドアが閉まるのを両手を広げて阻止。
じいさんは、よたよたしながらも無事にホームに降り立ち、次の普通電車を待つことができた。
何事もなかったように、静かに会話を続ける彼らが、ちょっと格好良かった。
ボクは、いつものようにドア脇に立ちながら、side-Bを読み続けた。