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雑記帳「目白で目が白黒」

エディットハウス代表 岩中祥史のブログ

 先月末から沖縄に来ています。長男一家が早めの夏休みを取って遊びにやってきました。西海岸に点在する数多くのリゾート地のうち、ブセナテラスというところを選んで長男一家とともに2泊しました。


 胃ガンの宣告を受けてからまだ半月もたっていません。気持ちは相変わらず、不思議なくらいフラットのままです。医師の話では、「死」というものを意識させられるほど差し迫ったステージにまで達していないようなので、それが幸いしているのかもしれません。でも、時間をともに過ごす家族がいるだけでも自分は恵まれているのだということを痛感しました。


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 東シナ海に沈む夕日をバックに、私たち夫婦と長男一家とで交互に写真を撮り合ったりしたのですが、なんだか胸が熱くなってきました。病気と闘うのは自分ひとりだけじゃない、妻もいれば、同じ屋根の下に住んでいるわけではないけれども、長男の一家もいる。娘夫婦もいる、次男もいる……。そう思うと、胸の中につかえていたものがすーっと消えていきます。生まれて初めての経験です。

 一昨日から昨日にかけ、1泊2日で人間ドックに行ってきました。生まれて初めて胃カメラなるものを飲みました。それで、なんと「胃ガン」が見つかったのです。大きさは4センチ弱で、かなりのものです。

 それにしても胃カメラに写った自分の胃の中を自分の目で見るというのは、なんとも奇妙な経験です。もう10年以上前のこと、大腸の内視鏡検査を受けたときと同じくらいの衝撃を受けました。ましてや、それでシロウト目にもわかるくらいのガンが見つかり、しかもそれを自分の目で見られるというのは、なんというか……。

 まさか、この自分がガンになるなんて、驚きです。ほかの人はなっても、この自分だけは絶対に、そうした病に冒されることはあるまいと思っていましたから(もちろん、なんの根拠もないなのですが)。


 でも、医師からその旨を告げられたとき、「よし、自分の運命として受け容れよう」と、不思議に覚悟が決まり、ほとんど動揺しませんでした。ガンの怖さは、知識として、あるいは情報としてはイヤというほど知っているつもりでした。でも、いざそれが自分自身の体に発症しているとなると、そうした知識や情報は、まったく意味を持たないことにも気づかされました。


 自分の体は、自分がいちばんよく知っているようでいて、実際にはまったくわかっていないものなのです。幸か不幸か、いまはインターネットという道具があります。さっそくガンについて調べようとすると、あまりに膨大な量の情報に圧倒されました。それだけで、もうメゲそうになります。それでも……と思い、片っ端からクリックして目を通すのですが、同じことについて人ぞれぞれ、それは医師であろうが患者であろうが、ことごとく異なる内容のことを伝えています。

 そのうち、こんなことをいくら続けても意味がないと思いはじめました。医師を信じ、家族を信じ、友人を信じるしかないのではないか。そして、何より、自分自身を信じようと最後、決めました。そのとたん、急に気持ちが楽になりました

 5日から始まった札幌取材を終え、東京に戻りました。この1カ月で、5月21日、28日、6月11日と3回もゴルフをしました。6月6日もプレーする予定でいたのですが、あいにくの豪雨でキャンセルせざるを得なくなってしまい、本当なら4回、平均すると週1ペースでプレーするはずでした。自分でも驚くほどの熱中ぶりです。でも、それくらい、沖縄でのプレーが私を変えてしまったのです。

 沖縄から大阪に立ち寄り、打ち合わせをした後帰京したのが5月17日。その翌々日には、東京でプレーするとき用にと、新宿の中古ゴルフ用品店に行き、沖縄でのできごとを話しながら、またまた安く道具を買いそろえました。その2日後、埼玉県の石坂カントリーというゴルフ場でプレーしたところ、18ホール中15ホールでスコアがつけられるという私にとっては生まれて初めての快挙を達成できたのです。赤飯でも配って差し上げあげたいような気分でした。


 5月28日は札幌の羊ヶ丘カントリーというゴルフ場。北海道のゴルフ場がすばらしいのは、とにかくフェアウエイが広いことです。あちこちのゴルフ場に行くほどのキャリアは持ち合わせていない私ですが、そんな私から見ても、北海道のゴルフ場は雄大な大人の遊び場といった感じです。どのティーグラウンドからも、ほとんどグリーンのフラッグが見えます(左右に曲がっているコースなど、まずありません!)。それゆえOBもほとんどないわけで、これは初心者にとってはありがたい限りです。この日も気分よく打ち終えホールアウトできました。

 それにしても、宿泊していたホテルから地下鉄とタクシーを乗り継ぎわずか30分ほど(!)で行けるのですから、それだけで感動ものです。埼玉の石坂カントリーも自宅からクルマに乗ってドアトゥードアで1時間。これでも近いほうだといわれますが、その比ではありません。
ただ、北海道のゴルフ場は一般に、11月から4月半ばごろまでは積雪のため営業休止となります。そのことを別にすれば、スコアに関係なく爽快な気分でプレーできるという点では全国でも屈指なのではないでしょうか。


 サラリーマンが転勤したい都市のランキングで、札幌は福岡と並びかならず1位か2位になります。その理由がよくわかるような気がしました。おそらくは単身赴任でほとんであろうサラリーマン諸氏にとって、首都圏などの自宅に戻らないときの週末、ゴルフは最大の楽しみでしょうから。

 そんな札幌をいま、私は取材しています。今回の取材で行った「モエレ沼公園」というところは、なんとも素晴らしい魅力に満ちた場所でした。もともとは川っぷちにあるゴミの集積場だったところを公園に作り替えてしまったのです。それもハンパな公園ではありません。イサム・ノグチという日系アメリカ人の彫刻家が全体をプロデュースしたのですが、何度行っても飽きが来ないようになっているのです。


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高い山に広々とした広場、野外コンサート場があり、野球場に陸上競技用のグラウンド、ガラスづくりの資料館・レストラン+管理棟、水遊び用プール、噴水、春になると桜の生い茂る森など、そんじょそこらにはないような公園です。イサム・ノグチが生前、実現できなかった夢のすべてをモエレ沼公園で形にしたといってもいいでしょう。

 私が行ったのは、いまでは札幌のイベントの双璧を成す「YOSAKOIソーラン」の最終日の昼間でしたが、それでも大変なにぎわいでした。そうしたたぐいのイベントがない日曜日など、駐車場は早い時間から満杯とのこと。札幌に行かれる方はぜひ一度、足を運んでみてはいかがでしょう。