スウェーデン館の謎 | 本棚部屋の読書きろく

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私的読書感想きろく。
再読&積読本を読み終わったら感想を書きます。

スウェーデン館の謎 〈国名シリーズ〉 (講談社文庫)/有栖川有栖
¥669
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3月10日~11日読了。

日付を跨いでしまいました……。

長編を一日で読了できるようになるまでまだまだかかりそうです。

さらに感想を書きあげるのにも時間がかかるというね。

この週末はあまり書く時間が取れなくて、読み終わってもなかなか感想があげられませんでした。

その間にちまちまと次の「ブラジル蝶の謎」を読み始めております。


今回はBGMかけて読みました。

ここ数冊は外で読んだりしてたので、音楽聴きながら読んだりできなかったのですよね。外で本を読むときは目も耳も塞がってると危ないので、音楽はかけません。ウチ読みの時だけです。


日本テレビ系日曜ドラマ ドラマ「臨床犯罪学者 火村英生の推理」 オリジナル・サウンドトラック/井筒昭雄
¥2,700
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発売日にAmazonでポチろうとしたら、売切れになってて、入荷待ちをしていた一枚。他のCDの注文との兼ね合いもあって、ようやく届きました!

読書タイムのお供は基本的に歌ナシの曲にしています。読むのに邪魔になっちゃうからね。

テレビドラマのサントラを買うなんて初めてです。映画のサントラ盤は好みのものがあれば買うことがあるのですが。ドラマを見ててBGMが良かったので買ってみたのですが、効果音用なので一曲ずつが短めなのだけが短所かな?普段クラシックやジャズばかり聴いているので、短く感じるだけかもですが。


とりあえず「スウェーデン館」を読み終わってまず言いたいことは、アリス先生、どこか陰のある謎めいた美人が好きなんですね、ということですよ……。もともと、美人が出てくれば、描写が細かいので、面食いだな~とは思っていたのですが!
初恋の君は17歳で自殺未遂だし、ヴェロニカさんは人妻だからそこまで入れ込んでないとはいえ、なんだか空気がぴんく色だしね……。女性の好みがハッキリしてるのはいいんですが、友人選ぶ基準もほぼ同じじゃありませんか?先生……。男女ともに助けてあげなきゃいけないような感じのタイプに目が言っちゃうんですね?火村先生も男性だけど、陰のあるイイ男タイプ。いっつもいっつも心配ばかりしてるし。アリス先生の婚期はまだまだ遠そうです。

それでもって「嫌な予感がする」だけで、京都から裏磐梯まで駆けつけてくれる火村先生、相変わらず友達想いですね……。「46番目」とかでもアリスは事件に巻き込まれて危ない目にあったりもしてますしね。アリスばっかり心配してるわけじゃないのですね。お住まいの北白川の、おそらく最寄駅、な出町柳駅から京都駅までは電車で20分くらいかな?として、10時47分の新幹線に飛び乗った、ということは、アリスの救難電話は10時前だったわけだから、準備は30分前後くらい……?時間的には4時半くらいには猪苗代に到着できるので、当日に着けると言えば着けるけど、かなりの強行軍。9時に眠たがっても許してあげないとダメですよ、アリス先生。もっともそのまま解決編に突入しちゃう訳ですが。

事件発生が13日の夜10時半から12時、翌日、バレンタインディの14日の夜9時すぎには関係者を集めて解決編をやってるので、かなりのスピード解決事件だなぁ。短編でも事態が進まずに解決に一ヶ月以上かかってる描写のものもあった気がするので、長編で1日解決の事件があるとは思ってなかった。長くなってるのは、前半部分のアリスの旅行記やら建物探訪やら、事件の謎やナゾナゾでぐるぐるしてたりするのが長いからですね(酷)。
長編は相変わらず旅情たっぷりで、裏磐梯の雄大な景色や、五色沼の神秘的な色合い、雪の中のロケハンの大変さも伝わってきて、そういう描写も大好きなところです。実行されなかった会津若松、猪苗代、喜多方ルートの旅行計画もなかなかそそられました。帰りは新潟に出て日本海ルートで、とか時間のある人の旅行計画だよね……。先生、うらやましい。
プロローグ部分の事件前の夏の情景とか、森を駆け回る子供の楽しげな声まで聞こえてきそうな感じで、さらに本編の寂寥感が増すという……。

事件としては、いわゆる雪の密室モノですね。ロマンです。
でも、アリスの名刺の裏に書かれた足跡、ヘンなことが書いてありますね(もちろん本文の説明でも)。地元警察の方々も、きっとヘンだと思ったことでしょう。
なぜなら、足首が埋まっちゃうような雪が降ってる時、一番歩きやすいのは、人が歩いた上をなぞるように自分も歩くこと。帰りも同じ道で帰ることを考えると、同じところを踏み固めて歩いたほうが、絶対に楽です。誰も歩いていない新雪の上を歩き回るのは犬と子供くらいです(笑)。雪の少ない都心部でも、みんな何故か人が歩いて雪が溶けた上を歩きますよね?なので、誰が歩いたかわかる道筋がついたりなんてしないのが普通ですよね。現実には即していないと思います。
でも、いいのです。雪の密室はロマンだから(本気)。
そんなこと言い出したら、古今東西の雪の密室モノの多くが成立しなくなっちゃうのですよね、たぶん。書き手の方達も、雪の上を歩いたことがないとか、想像力が欠如してるとかいうわけじゃなくて、足跡パズルの出題編を書いているためにワザと無視している条件なのでしょう。だって、雨で濡れた土の上の足跡より、雪の足跡の方が、情景がキレイだしね!それに雨に濡れた土の水はけがどれくらいで済むのかより、雪が何時から降ってて、止んだのがいつで~のほうが、アリバイトリックものやりやすいし!
現実的にはヘンだと思うけど、パズルちっくなミステリの、美しい情景の一つとして、個人的にはアリだと思う派です。

それにしても、この巻でも、火村先生はアリスに理不尽行動しまくり。夕方に五色沼に行きたいとか(遭難しちゃうよ、先生…)、木から雪を落として雪まみれにするとか。背中に入った雪は冷たいぞ~。しかも理由が「論理的に反対されたのがムカついたから」とか酷いな……。アリスも事件後は「火村が来てくれたのは錯覚だったかも」とか、せっかく来てくれて事件まで解決してくれた友人に対して理不尽思考してたりするので、どっちもどっちか?

それでいて子供には優しい。アリスも火村先生も、30代前半なのに、7歳の子には自ら「おじさん」言っちゃうんですね……。アリスは火村先生の子供あしらいのうまさから、隠し子疑惑とか言ってますが、きっと周りに弟妹か少し年下の従兄妹、もしくは面倒を見るような近所の子とかがいたのではないでしょうか。火村先生のプロフィールには兄弟に関する部分はない(ご両親が相次いで亡くなって天涯孤独の描写は46番目にありましたね)ので、どういう関係の方かは不明ですが。一人っ子って基本的に、年下の子供の扱いは知らないと思うので(個人的な経験として)、面倒みる子がいれば、一人っ子でも年下の子供のあしらいを覚えることがあるのですが(これも個人的経験からの感想)。先生は謎が多過ぎます。

あと、やっぱり先生方の会話がおもしろい!二人で話しながら事件の謎を解いていくところ。アリスの的外れ気味、ミステリおたく的な意見の数々をいなしながら、解答にたどり着くところが好きだ!ドラマ版はこれがあんまりないんだよなぁ。時絵さんとのヒント会話もいいのですが、毎回それでは相棒は実は時絵さん状態で、アリス先生がイラナイコになっちゃう……。アリスの独白部分であまり理解したくない殺人に至る動機や衝動について解説されているので、事件の理解に絶対必要なのです!
特に二人の会話はテンポがいいのもあるけど、仲がいいからこそできる皮肉とウィットの応酬なところがいいです。コンビものの探偵と助手は、探偵上げのために助手はやり込められる一方のものが結構あるんだけど、大学以来の腐れ縁親友な設定なせいか、探偵・火村先生がやり込められるパターンも多いので、イイ!のだと思います。罵倒されてるのが読みたいんじゃないのよ。対等にやりあってるからいいのだ!

最後に事件の結末、について。あの人物。やっぱり嫌われますよね。私もなんだこいつ!です……。自分の浮気の結果として、子供は見殺しにされて亡くなってしまって、みんな悲しむことになったし、奥さんは浮気相手を殺してしまうことになるわけです。全部、自分が悪いにもかかわらず、「僕にまかせて」ってどういうこと。犯してしまった罪を断罪されたい、償いたい、という気持ちさえ、自分のために黙殺させるわけですよ……。もし事件の犯人として捕まることがなかったとしても、ヴェロニカさんの性格では死ぬまで苦しみ続けることになるのに。「僕のそばにいてくれ。年老いた家族のために、ここにいてくれ」っていうのは、一見すごく優しい台詞に見えて、その残酷さときたら……。優しさは優しいだけではない。場合によっては、弾劾より残酷になることがある、というのが有栖川先生のとんでもないところだと思います。