小規模企業がぐいっと伸びるのは営業でもなく、ビジネスモデルでもなく・・・ | 【閉鎖】小規模企業経営のヒント~実体験&クライアント事例から発信します~

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株式会社エッジコネクション 代表取締役社長大村康雄のブログでしたが、現在は当社HPコラムコーナーにて執筆中

小規模企業がぐいっと伸びるのは営業でもなく、ビジネスモデルでもなく・・・人事です。

 

営業力の強化でも画期的なビジネスモデルの開発でももちろん企業は伸びます。

しかし、実体験からの経験上、また、私が見てきたお客様の社内の状況からも、これまでとは不連続レベルでの成長をもたらすものは間違いなく人事です。

 

ちなみに、不連続レベルとは、これまでとは全く違う会社になったなと実感するレベルということです。

 

これまでの延長線の連続上には無いという意味で不連続レベルと表現しました。

 

こう聞くと、「やはり優秀な人材を採用せねば!」となると思いますが、話はそう単純でもなく、その辺りを少し書きたいと思います。

 

不連続レベルの成長がもたらされているとき、人事面ではこんなことが置きています。

 

 

■優秀な人ではなく、トップとのシンクロ率が高い人が高いポストについている

 

■自分の判断ではなく上司の判断をまずは聞きに行くことが徹底されている

 

■5名前後を束ねられる小リーダーが安定的に生まれている
 

■管理部門が優秀で強い

 

■欠員が出たからではなく、常に採用活動が行われている

 

一つ一つ解説します。

 

■優秀な人ではなく、トップとのシンクロ率が高い人が高いポストについている

シンクロ率とは、トップを上司として尊敬し、価値観などを学びたいという姿勢があることです。長年このような仕事をしてきて一番最終的に厄介になるのが、優秀だがトップとのシンクロ率が低い人が高いポストについているケースです。なぜ最終的に厄介になるかは、想像できる良くないケースすべてが正解、あり得る、と考えて差し支えありません。いろんなケースを見てきました。

そして、最終的に不連続レベルの成長をもたらす人材とは、”最初は物足りなくてもトップとシンクロ率が高く、更にそのシンクロ率を常に高めようとする”人材です。このような人材が高いポストに就き成長してくると、「こんな優秀な人が信頼するうちのトップはすごい。」というアナウンスが全社的に出るようになります。そうすると、トップの良い影響力が広く強く伝わり、会社が一枚岩になっていきます。

 

■自分の判断ではなく上司の判断をまずは聞きに行くことが徹底されている
一点目と関連がありますが、トップへのシンクロ率を高めようとする上司の姿を見て、他のメンバーは「うちの上司があれだけシンクロしようとするということは、トップが発信することは大方間違いではないということだろう。」と、会社の方針をすんなり受け入れて進んでいく土壌が整います。また、その土壌の上に、トップとシンクロした上司が様々な指示を出していくわけなので、意思決定や業務スピードがどんどん上がっていきます。また、本人たちも意識的か無意識なのか、まずは上司の判断を基準に動いたほうが話が早いとわかってくるので、我流の仕事の進め方が排除されていきます。

 

■管理部門が優秀で強い

我流の仕事の進め方が排除された後、今度はそれのルール化、仕組み化が必要です。ここで重要になるのが優秀で強い管理部です。優秀で強いとは、具体的には「フロント部門の邪魔になるのではなく、短期的目線、長期的目線の両方の視点でフロント部門のためになるルール化、仕組み化を押しすすめる。また、その徹底にあたっては遠慮することなく決まったことは必ず実行に移す推進力を持つ。」ということです。つまり、良いルール、仕組みをたくさん考え、たくさん実行すること。これが簡単なようでなかなか難しいのはおわかり頂けるかと思います。

 

■5名前後を束ねられる小リーダーが安定的に生まれている

各種研究結果などで、一人がマネジメントできる人数は最大で7名。無理のない範囲だと5名と言われています。これ以上になると目が行き届かないところが出てきて、色々とトラブルが生まれてくるようです。

企業の成長と社員数が比例しないビジネスモデルを作ることが理想かもしれませんが、それに成功している企業はほんの一握り。そうすると、5名程度を束ねられるリーダーがぽこぽこ生まれてこなければ企業が抱えられる人数は増えていかないことになります。ぐいっと伸びる企業はこのようなリーダーを生む仕組み作りに成功しています。

 

■欠員が出たからではなく、常に採用活動が行われている

このような体制が整っていけば基本的には人を増やせばそれがそのまま企業の成長につながるようになっているはずです。よって、欠員が出たからとかではなく、常に採用活動が行われていることが最後のピースです。とはいえ、飽和状態で採用すべきではないときもあると思います。そのようなときは採用基準をあげます。営業活動と同じで採用活動も止めてしまうと、改めてまた火を起こすのは相当な労力が必要です。絶対に種火は絶やさないことが重要です。

 

 

なにかの法則性に基づいたポイントではなく、自社での実体験とクライアント先で見た事例の共通点を探ったらこうなったという感じです。

法則性があるならそれは見つけたいと思いますので、ぜひピンとこなかったり、こんなこともあるというポイントをご存じの方ご連絡頂けると嬉しいです。

ぜひ、ご一緒に議論して良いノウハウを構築して、世の小規模企業のために発信できればと思います。