熊本県立大学教授村里好俊先生 による集中講義最終日。約40名の学生が4日間15コマ、英詩の魅力に浸りました。昨夜は英文のスタッフでささやかな宴会を開き、歓迎の意を表しました。授業の様子を写真に撮らせていただきましたので、いずれ紹介します。きょうはまた、熊大のOpen Campusでした。晴天に恵まれ、わが英文研もたくさんの高校生でにぎわいました。集中講義を受けていない3、4年生数名が対応しました。わたしは写真を一枚撮りたくて立ち寄ったのですが、思いがけず質問を受けてしまい、しばらく話し込んでしまいました。大学生活は人生の方向性を決める大切な機会です。一人の親として、「自分の夢をあきらめるな」(by川藤幸一 )と願わずにはいられませんでした。
当研究室の同窓会年報「英文学会だより」のバックナンバーを閲覧できるようにしました。「熊本大学英文学会」からお入りください。
http://www.let.kumamoto-u.ac.jp/literature/wes/eibungaku/index.html
Shirley の読了、お疲れさまでした。「作者の意図は何か」、一読しただけではわかりにくい小説でした。冒頭で「読者はロマンスを期待してはいけない」と述べておきながら、語り手はシャーリー(21歳)とキャロライン(18歳)の2人の女性のそれぞれの恋の行方に焦点を当てている。1811-12年にヨークシャーで起こったラッダイト運動は、ただ単に歴史的、社会的背景を提供するために導入されているに過ぎないように思える。「作品のモラルは読者みずから探してください」という締めくくりは、拍子抜けの感じ。しかし、そういう小説だからこそ、「作者の意図」をさぐる価値があるに違いない。この授業の一番の収穫は、500頁を超える長編小説の読破に、学部の2年生が挑戦してくれたことだ。もともとは院生向けの授業。例年、学部生の参加は、せいぜい3年生が1、2名。ことしは8名が最後までついてきた。来週の試験、どうか合格点を取ってください。