Shirley の読了、お疲れさまでした。「作者の意図は何か」、一読しただけではわかりにくい小説でした。冒頭で「読者はロマンスを期待してはいけない」と述べておきながら、語り手はシャーリー(21歳)とキャロライン(18歳)の2人の女性のそれぞれの恋の行方に焦点を当てている。1811-12年にヨークシャーで起こったラッダイト運動は、ただ単に歴史的、社会的背景を提供するために導入されているに過ぎないように思える。「作品のモラルは読者みずから探してください」という締めくくりは、拍子抜けの感じ。しかし、そういう小説だからこそ、「作者の意図」をさぐる価値があるに違いない。この授業の一番の収穫は、500頁を超える長編小説の読破に、学部の2年生が挑戦してくれたことだ。もともとは院生向けの授業。例年、学部生の参加は、せいぜい3年生が1、2名。ことしは8名が最後までついてきた。来週の試験、どうか合格点を取ってください。