今日は節分 2月3日である。
恵方巻を買ってこようと思いつき、この日に、毎年恒例の人を思いだす。
昔、私が20代後半のころ、官庁でアルバイトをしていた。
地方行政を担う役所で、地方の、市役所、県庁からたくさんの方が出向してこられていた。
その中に大阪市の人がいて、
「大阪では、節分に、今年の縁起のいい方位にむいて太巻きをたべるんです。(できる方は脳内で大阪弁にしてください)」
「家では一家全員で、市役所でも、みんなで縁起のいいほうに向いて、太巻きを食べるんです、でもその間、一言も話さずたべきらないといけないんです」(できる方は脳内大阪弁に)
まだ20代の私は、役所の職員が同じ方向を向いて、一斉に太巻きを食べる、
しかも真剣に黙って食べきろうと悪戦苦闘する様がうかび、かなりおかしく、記憶にのこった。
当時はまだ太巻きの習慣は、東京では知られていなかった。
役所(霞が関)には、キャリアという、出世頭の職員が一部署に、二人、上司と下がいる。(今はしらんけど)
その下、当時の私には年が近いキャリアに、その話をしたら、
「それ、かつがれたんですよ」とバッサリ。
なので、コンビニで太巻きが始まった時、やっぱり担がれたのでなく、ほんとだったんだとうれしくなり、
今では関東でも恒例行事となり、もう彼は、アルバイトの私など覚えてないだろうが、
この頃になるとひそかに、勝利宣言をしてしまう。
ふと思いついて、彼の名前を検索してみた。
ちなみに、お付き合いをしていたとか、そんなのはまったくない。
単に同じフロアにいた人である。
私にとり、東大法学部卒の人という、お会いすることのなかった当時はめずらしい人ではあった。
で検索してみたら、やはり役所の人、大企業でもある一定のクラスの人は、
ヒットするものである。
政令指定都市のお偉いさん(なんと関西、恵方巻きの聖地に)になり、そこをへて、財団に天下ったようである。
まだ、50代のはじめかと思うので、
そこまで出世はしなかったほうなのかなぁと思う。
(すまん恵方巻きの、うらみではありません)
ふともう一人思い出した。
当時友人だった(ここでは仮にA子)と結婚した、同じ役所に勤めていたキャリアで、
一時期私も同じ部署(アルバイト風情だが)にいて、人としては知っている彼を検索してみた。
(当時はLINEもなく、メールや、手紙しかなく、私も彼女も不精で、転勤も多いので、
連絡は途絶えた。)
やはりヒットした。なかなか出世し、地方の副知事を務めた後、今は本省に戻っている。
戻れたということはなんとか生き延びているということか。
友よ、よかったね。
で、彼を調べているうち、SNSをやっていることが分かった。
はじめて人のSNSを調査してみた。
友人の写真がちらと、のってないかと思って。
で、これが男だが、かなりしっかりSNSをやっている。
主に風景ではあるが、文章も時々のっている。
「あれ、こんな、はでな男だったん?」
私の知ってる彼は、わりと寡黙まじめな印象だった。
服は思い出してみればなんとなくこだわりがあったようだが。
時々書かれた文章に、けっこうめんどそうな人かも、と今頃気づく。
そして、ようやく女性と映った写真があった。
友達と違う女性だった。どうもその方と、最近結婚したよう。
ある写真には顔が見えないが、娘が写った写真がある。
娘が産まれたのはしっていた。
しかし、友の気配は、まったくない、それどころかある一枚をみると、
ひょっとしたら、離婚したんだろうか、という雰囲気もある。
私が知ってる彼は、もうれつに仕事をしていた。
私の友人はそんな彼を支え、そして結婚した。
ざっと見させてもらっていると、彼は50をすぎてかなり第二の人生を謳歌しているようである。
服にこだわり、旅行をし、仕事、新しい妻。
ふと、私は、人生は、やはり四季があるものだなと思った。
産まれて、20歳まで、彼はこの時日本のトップ大にはいった。
季節なら初春である。
私は、Fランク大にはいり、もやもやしてた。
20代から十年は、やはり人生では華やかだ。
まさに春爛漫。
とくに彼の場合。
そして私は、モラトリアムでうろうろしていた。
30~40代、夏だろうか。
彼には子供が生まれ、妻である友人A子と転勤をくりかえし、多分どこかで二人は別れた。
私は独身のまま、仕事と、親の問題に向きあい、父を亡くし、叔父おばが亡くなった。
そして、50代~60代、
夏も過ぎ、おちつきの秋。
葉が色づき始める。(ある意味、死への準備をはじめる前の色づき、色の変化)
彼はそれなりに出世し、(でも役所では、ほどよく出世かと思う)、
役所はなんとなくこのあたりで、自分の出世の限界が見えてくるのかと思う。
多分、頭のいい彼には道がみえたのか、
子供、妻、新しい妻、人生の後ろ道をふと振り返り、少し仕事以外を謳歌しようと思ったのか。
私の知らない女性と、幸せそうである。
それにしても、私の友人だった、A子は、彼女はどうしているのか。
私世代は、一度縁がきれてしまうと、とくに女性は、まったくつかめなくなる。
きっとA子は、ここまでの四季を、途中までは旦那さんと娘と、
そして今は、ひょっとすると新しいパートナーと、
多趣味な彼女のことだから、今も明るく忙しくしているのかと、
娘は多分、私達が出会った頃の20代にいる。
産まれ、大学など学生時代をへて、職場で働くある意味一番華やかな20代をすぎ、
子育て、仕事の30~40代。
ここで人は、別れたり、仕事の出世のスピードが分かれたり、親の問題、親との別れ、駆け込み婚、
そして、私が今いる、50~60代の二十年間。
ここでも、上と同じことが起こる人がいて、
子供を産んでいたら、大体この頃に子供のあれこれがある。
いわゆる巣立ち。
生きてきた人生が、ここらでだいたいほぼみんな、何かしら変わる。
友人の旦那の、SNSを見ていたら、彼には確実にそれがあったようだ。
多分、別れ、親との別れ、子供、新しい伴侶、仕事以外を楽しもうとしていること。
自分の人生の流れは見えないが、昔のそんな関係のあった人の人生の流れをみると、
今の自分が、時間軸でどこにいるのか見えてくるし、
人生生きてきたんだなと、自分のことでも彼のことでも思った。
新しい奥さんと一緒の彼は楽しそうだけど、彼の頭のよさからなのか、派手なことをしても、
なんとなく憂いがある。
(そして、文章をみるとめんどくさそうで(すまん)。今のSNSっていろんな意味ですごいね)
もしここに迷い込んだ若い方、毎日は何もないようだけど、振り返ると確実に何かはあり変化し、
道ができている。
若いと、その道は見えない。
そして自分の後ろ道は見えづらい。
でも、確実に歩いた道は、それが雑草だらけに思えても、歩いた道が続いている。
今月で私は56歳になる。
50~60代の、4分の1がすでに過ぎた。
結婚し、癌になり、回復し。いいことも悪いことも、なんだがドラマのように思えてきた。
肯定的に受け止められる気持ちになった。
私も、彼のように、もう少し人生を積極的に生きようと思えてきた。
なんとなく一日をすごさず、彼のように朝は早く起き、外にでて、
仕事をし、私は有名人になりそこねたが(笑)、普通といわれる無名の人生だが、
それでも、ドラマのような人生を、自分も生きているのかもしれないと思うと、
健康である限り、自分の人生をもうすこし意識して、
彩り、脚色し、楽しもうと思う。
今日は節分、確かスピリチャル系の人には、この頃が新年である。
年末年始のバタバタも、すっかりおちついた。
新しい一年と私も思い、心をわきたたせ、冬のピリッとした外に出かけよう。