もうすぐ夏ですね。体調にくれぐれもお気をつけてお過ごしください。
今日は盲腸と虫垂炎の違いについてお話ししましょう。
右下腹部の急激な腹痛が引き起こされると、よく「盲腸」といわれますが、実際に炎症を起こしているのは虫垂です。虫垂は盲腸から伸びている器官で、かつては盲腸の一部として認識されていたことから盲腸が病名としても使われていますが、正しくは「虫垂炎」です。
盲腸には、小腸からの内容物のごく一部が流れ込んできます。その後、内容物は少しづつ上行結腸に向かいますが、盲腸内でいつまでも停滞していると、便が石のように固くなった糞石(ふんせき)になることがあります。この糞石が虫垂の入り口をふさぐと、血液やリンパ液の流れが悪くなり、腸内細菌の感染によって虫垂に炎症を起こし、虫垂炎となるのです。