●生食用食肉(牛肉)の規格基準の概要 続
・加工基準
①施設・器具などについて
…専用の物を使用すること
…器具は不浸透性の材質であること
…器具の使用については、肉塊ごとに83℃以上の温湯で消毒すること
②加工する者について
・腸管出血性大腸菌などのリスクなどについて知識のある者(講習会を受講した者など)もしくはその監督の下に行うこと
③肉塊の取扱いについて
・10℃を超えることのないようにすること
・筋、線維を切断する、調味液に浸潤させる、結着させ成形するなどの処置は行わないこと
④肉塊の処理について
・枝肉(頭部・尾・肢端・内臓を取り除いた骨付きの肉)から切り出した後、速やかに気密性のある清潔で衛生的な容器包装に入れ密封すること
・肉塊の表面から深さ1cm以上の部分までを60℃で2分以上加熱殺菌をすること(記録を1年間保存すること)
・加熱殺菌後、速やかに4℃以下に冷却すること
・保存基準
冷蔵品は4℃以下、凍結品は-15℃以下で保存すること
・調理基準
①加工基準①~③に同じ
②加工基準④の処理済みのものを使用すること
③調理後速やかに提供すること
●表示基準の概要
・飲食店などにおいて、一般的に食肉の生食は食中毒のリスクがある旨、子ども、高齢者その他食中毒に対する抵抗力の弱い者は食肉の生食は控えるべき旨を店頭やメニューなどに掲示する必要があります。
・容器包装に入れて販売する場合には、上記に加えて、生食用である旨、関係と畜場に関する事項、及び関係加工施設に関する事項を表示する必要があります。
●その他
・牛レバーや鶏肉、豚肉などは、現在のところ生食用食肉の規格基準及び表示基準の対象となっていませんが、これらの食肉の生食は、腸管出血性大腸菌だけでなく、カンピロバクター食中毒などのリスクが高いことから、生食用として販売または提供しないようにする必要があります。
・生食用馬肉については、従前に引き続き「生食用食肉などの安全確保のついて」(平成10年9月11日生衛第1358号)に基づいた衛生管理が必要となります。