虫歯は、食べ物に含まれる炭水化物(糖質)からつくられた酸が歯を溶かすことによって生じます。キシリトールガムの「キシリトール」とは虫歯の原因となる酸を作り出さない甘味料の一種です。また、フッ素入りの歯磨き粉の「フッ素」には歯の質を強めたり酸を生み出すことを防ぐ働きがあります。これらに伴って、変化したのが歯を磨く回数です。以前は朝と寝る前の1日2が歯磨きタイムでしたが、最近では1日3回、毎食後にきっちり歯を磨く人が増えています。さらに、食後の余韻も楽しむことなくすぐに歯磨きをしている人もいるのではないでしょうか?確かに、口中常在菌は食後に炭水化物やたんぱく質を利用して酸をつくるため、酸性度が上がって歯から大切なミネラル質が溶け出しやすくなります。ところが私たちの体は便利にできていて、食後そのまま放っておいても唾液や口中常在菌が溶け出したミネラルを元に戻してくれるのです。さらに、おいしい食事をした充実感にのんびり浸っていると唾液の分泌が多くなります。このような理由から、食後すぐに歯を磨くと口中常在菌や唾液を利用した自然治癒力を損なってしまうことにもなります。歯の健康を考えて、食後30分程度は歯磨きをせずに過ごしましょう。食後に緑茶を飲んで過ごすとカテキンの働きでさらに口内の有害な菌を退治してくれます。