映画を観ているみたいに小説が読める イメージ読書術 -15ページ目

映画を観ているみたいに小説が読める イメージ読書術

小説の世界に没入して
“映画を観ているみたいに” リアルなイメージが浮かび
感動が胸に迫り、鮮やかな記憶が残る。
オリジナルの手法「カットイメージ」を紹介します。
小説を読むのが大好きな人、苦手だけど読んでみたい人
どちらにもオススメです。

 心に映像イメージを思い浮かべ、カットが切り替わるところで区切り線を入れていくカットイメージの作業は単純ですが、けっこうしんどいのも事実です。

 だから、浦沢凛花さんの動画でも、「ひとつの作品を最初から最後まで線を引く必要はなくて冒頭の一部分だけでもOKです」と言っています。

 でも、そこをがんばって、小説1冊をまるごとカットイメージ作業で通し読みすると、多くの気づきがあります。

 しかもまだ読んだことのない小説でそれをするのは、まさに“映画を観ているみたいに” ワクワクと物語世界にハマっていく体験です。

 その方法で私が初めて読んだ小説は、又吉直樹さんの『火花』でした。

 

 

 現役のお笑いタレントがお笑いタレントの世界を描いて芥川賞を受賞した、というくらいの知識しかなかったので、あえてそれ以上、情報を入れずに読み始めました。
 やはり「直木賞」とは違い、冒頭から引き込まれていく、という感じではありません。なかなか地味な展開だなと思いながらも、簡易式の線を入れて、丁寧にイメージしながら読んでいきました。
 主人公が「師匠」と仰ぐ先輩芸人との交流が話のメインですが、二人の会話が、ときにお笑いをめぐってかなり哲学的な議論になるときがあります。それを読み飛ばさずに意味を理解し、人物の動作や表情としてイメージし、区切り線を入れていきました。
 すると、自由奔放にお笑いに徹する師匠と比べて、未熟で臆病な自分を恥じ、世間を気にして劣等感にまみれる主人公の心情が伝わり、読みながら切なくなっていきます。
 読み終えたとき、結末のシーンは視覚イメージとして鮮烈に脳裏に焼きつきました。お読みになった方はおわかりでしょう。
 しかし、残念ながら結末の感動といったものではなく、「なんだろう、この結末は」という気持ちでした。正直、意味がわからなかったのです。
 しかし、その後も日常の中で、結末のシーンをはじめ、いくつかのカットイメージが心に浮かんでは消えていました。
 すると、3日くらいして突然、結末のシーンの意味がストンと腑に落ちたのです。あ、そうか、そうかと思いました。
 そうすると、それまでのいくつものカットイメージがつながり、物語の全体像が見えた気がしました。そのときに初めて、この物語への感動を覚えたのです。
 カットイメージを使わず、なんとなく読んでいたら、この体験はなかったと思います。

 

 

https://youtu.be/eQQOO9QW0ks


「観てから読むか読んでから観るか」、そして「映画を観ているみたいに小説が読める」かどうかという問題と関連して、出版記念動画③では、私の不思議な経験を紹介しています。

 それは、「映画を観ているみたいに小説を読んだ」という体験です。

 ネタバレを言うと、小説を読んだだけなのに、映画を観たと思い込んでいたのです。

 歳のせいだろう、というツッコミはなしで。

 ともかく、私の話を動画で聞いてください。

 出版記念動画③

 このブログのタイトル、そして私の書籍のタイトルとなっている「映画を観ているみたいに小説が読める」。このことを、あなた自身はどう思いますか。

 私の出版記念動画では、その反応を次の3タイプに分けて、コメントしています。

 

 (1)あるある! 自分はわかる!

 (2)半信半疑だけど、できたらいいなあ!

 (3)j自分にはできない!

 

 あなたはどのタイプですか。

 次の動画でご覧ください。

  出版記念動画①

  出版記念動画②

 

 

 

 

 小説をイメージ鮮やかに楽しんで読むためには、「観てから読むか読んでから観るか」。 

 前回の問いに私が著書の中で提案しているのは、「呼び水」として映画を使う方法です。

「呼び水」とは、“ちょっとしたきっかけ”。ちょっとしたきっかけでイメージは湧いてきます。

 たとえば、児童文学やライトノベルでは、挿絵が入っています。ところどころそれがあるだけで、そのイメージを頼りに想像の世界に入っていきやすくなり、楽しく読めた記憶がありませんか。

 もちろん、挿絵も画家さんのイメージなので、解釈の押しつけになる怖れがあります。そこで、大人向け?の小説には、挿絵がないのがふつうなのです。

 ただ、小説を読むことに慣れていなくて、なかなか作品のイメージ世界に入れない、という人に、映画は「呼び水」として役立つはずです。

 でも、映画を観てしまうと、ストーリーがわかってつまらないし、映画と小説の違いが気になり、楽しめない……。またその矛盾に突き当たります。

 では、どうしたらいいか。

 あとは、私の本で確かめてみて下さい。

 映画を観ているみたいに小説が読める 超簡単!イメージ読書術 みらいパブリッシング刊

 浦沢凛花さんの紹介動画

 

 高校の国語教師となって14年目、教員の派遣研修で、長年夢だった大学院で心理学を学ぶ機会を得た私は、学習心理学の研究室で「カットイメージ読解法」の研究に取り組みました。
 とはいえ、国語の授業で開発した手法を、心理学の視点から考察し、実験研究のステージに載せていくのは容易ではなく、試行錯誤の連続でした。

 苦労の末、「カットイメージ教示」を「単純イメージ教示+段落分け教示」と比較するという枠組みが決まり、実験研究がスタートしました。
 大学生や高校生を被験者にした実験の結果、「カットイメージ」の作業をした学生は、「イメージしなさい」と言われて「段落分け」作業に取り組んだ学生たちより理解度テストが好成績でした。

 また、数週間後に小説の内容を思い出して書いてもらったところ、カットイメージで読んだ学生たちは物語の山場の場面をよく覚えていました。それは、統計上も有意な水準の差でした。

 これは、カットイメージで小説を読むと、物語に深く没入し、感動も大きいことを示すデータです。

 その後10年以上、日本教育心理学会で毎年、カットイメージに関する研究を発表してきました。

 また、学術雑誌『読書科学』(日本読書学会)には、カットイメージ・リーディングに関する2本の論文が採択掲載されました。

 次のところで、Web上にある「カットイメージ読解法」の論文情報は確認できます。

 Cinii論文検索「カットイメージ」

 

 『読書科学』に掲載された、 『「カットイメージ読解法」による物語構造理解の促進』(2015 年 56 巻 2 号 p. 45-54)は、私のホームページ「教育エジソン」の「カットイメージ」のページから論文のダウンロードができます(「カットイメージの学術論文」ボタン)。

 上にあげた大学生の実験は、この論文で詳細に報告しています。

 

 『「カットイメージ読解法」による物語構造理解の促進』(2015 年 56 巻 2 号 p. 45-54)より

 ⑧⑨⑪⑫の場面で、カットイメージ群の場面再生率(記憶率)が高くなっています。

 

 

 

 『映画を観ているみたいに小説が読める 超簡単!イメージ読書術』の中に、角田光代さんの長編小説『八日目の蝉』を全編、カットイメージで通読した女性の体験談が載っています。

 

 

 セミナーの熱心な受講者で、トレーニングにはまるうち、「小説を読んだ体験が、現実の体験と同じくらいリアルな記憶に残っている」と報告してくれた人です。

 彼女は、『八日目の蝉』をカットイメージで通読する中で、不思議な体験をしたと言います。

 そこに描かれている誘拐犯と幼子の逃避行が、母子家庭であった自分の幼児期と重なり、「これは自分たち母子の物語だ」という気づきが、突然、降りてきて、涙が止まらなくなったというのです。

 その気づきを通して、彼女は一人で子どもを育てる母親の不安と苦悩そして喜びをありありと感じるとともに、母親の愛情を実感し、幼いころ感じながら封印していた「寂しさ」が癒されたのです。

 その結果、結婚に対して漠然と感じていた不安も解消され、「ご縁があればそれもいいかな」ということばを読んで、私は「彼女の将来に幸あれ」と心ひそかにエールを送りました。

 カットイメージによる深い読書体験は、イメージ療法と同じような効果をもたらす、という一例です。

 

 

浦沢凛花さんの紹介動画はこちら

 

 

 

 江戸川乱歩の初期の短編『人間椅子』

 アイデアが秀逸で、よくまとまった短編小説です。

 

 

 私の著書『映画を観ているみたいに小説が読める 超簡単!イメージ読書術』では、カットイメージ・リーディングの最初の説明に『人間椅子』の冒頭を用いています。

 紹介動画で浦沢凛花さんがカメラに向かって見せてくれるのも、その部分です。

 江戸川乱歩の独特な世界にイメージでとっぷりと浸ってみて下さい。

 

 

 

 

 

 

 精神科医・樺沢紫苑さんの動画「 小説を効率的に読む方法」 。

 けっきょく、「小説は楽しむものだから、効率的に読むなんてナンセンス」との趣旨です。

 確かにその通りなのですが、 小説を効率的に読む方法を質問する人は、実は「読みたいけど集中して読めない。時間がかかって楽しめない」と感じているのではないでしょうか。

 

 この動画へのコメントでも、次のようなものがありました。

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 逆にじっくり味わえないのが不満です。

  上っ面のストーリーだけ追っていく形になって 描写とかそういうものは一割くらいしか味わえない。

  じゃあ、ゆっくり読むかとなると、全く読み進まない自分自身にイライラしてしまう。

  小説を楽しむってなんなのかわからなくなってくるけど 習慣として本を開く、読んでる時はスッとする、読み終わっても描写なんて覚えてない 。

 これなら、書評サイトでネタバレをみても一緒ではないだろうか 趣味でさえ、他の人の読書スタイルと比べてしまいコンプレックスを膨らませてしまう という悪循環。

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 そうした方には、私の考案した「カットイメージ・リーディング」がお役に立つと思います。

 

 

 浦沢凛花さんの紹介動画はこちら

  1日24冊読破し、知識と教養を身に付けまくり@篠原錬さんが、「イメージ読書法」というやり方を紹介しています。

 これは私の「カットイメージ」とよく似た考え方で、とても共感します。

 私の方法は高校の国語の授業から生まれたもので、作業として自分でやりやすいように体系化されています。

 篠原さんの「イメージ読書法」を自分でもやってみたいと思う方は、私の「カットイメージ」がお役に立つと思います。

 

 

 浦沢凛花さんの紹介動画

映画を観ているみたいに小説が読める 超簡単!イメージ読書術

 

 小説を読む楽しさを、動画で表情豊かに伝えてくれる「文学YouTuberベル」さんのチャンネル。今回は、ネット予備校の現代文講師宗慶二さんとのコラボ企画で、「小説を学ぶ意味」を語っています。
「大学受験に小説は必要ですか?」とのベルさんの問いに、宗さんが、公の場では初公開の本音を語ります。

 

 これに私もコメントを投稿しました。以下の通りです。


 教育エジソン
 いつもベルさんの動画を楽しみにしています。今回のコラボも興味深く拝見しました。  私は高校の国語教師ですが、従来の授業に疑問を持ち、オリジナルの読解法「カットイメージ」を考案し、実践してきました。
  残念なことに高校の授業内容は大学入試に左右されます。大学入試に出ないと、小説を授業で取り上げる大義名分がなくなり、授業で生徒たちに小説のおもしろさを伝えようと頑張っている先生方が、ますます肩身の狭い思いをすることになります。
  大学入試に小説があれば、高校ではそれをタテマエの目標として、宗さんのおっしゃる「小説を読む作法」を学び、小説のおもしろさを実感する授業ができます。
  テキスト自体を正確に読むことと、多様な解釈を楽しむことを両立させる授業。そのために私が開発した「カットイメージ」は、大人が小説を楽しむためにも役立ちます。
  山崎茂雄『映画を観ているみたいに小説が読める 超簡単!イメージ読書術』みらいパブリッシング刊  紹介動画はこちら