前回は、悲しくも素晴らしいお泊まりプラトニックデートから帰宅し、
期待外れに落胆した翌日は、奥様に叱られるミスを連発していたところまででしたね。
あれから3日。
2週に1度の、ワシにとっては至上のお楽しみは、
今だに延期を重ねております。
「ごめんね。まだ無理みたい。元気になったら言うから…」
などという言葉があれば、まだ、ダンディな痩せ我慢を続けられたでしょう。
しかし、そのようなそぶりは微塵も見せず、
「また、肩揉んでください」だの
「湿布貼って」だのと要求ばかり。
火曜の夜あたりには、とうとうワシの顔が仏頂面になり、
言葉も態度もぶっきらぼうになってしまっていました。
「なんか怒って…」
「いや、怒っているわけじゃない。イライラしてるだけ」
「あたし、何かし…」
「いーや、君は何も悪くない。ワシの辛抱が足らんだけじゃ。すまないと思っている!」
「・・・・・」
そして昨日、
早朝に2人の部下が揃って病欠との連絡を受け、
大慌てで出勤し、嵐のような1日を終えたと言うのに、
心配そうに迎えてくれた奥様とは、ろくに会話もせず、
さっさと風呂に入って、夜の栄養補給(我が家は各自で簡単に済ませるのです)を終え、
仕事部屋で副業ワークを始めました。
すると、
静かにドアに近づく足音が・・・
(もしかして、『じゃぁ、しよう』とでも言いにきたのか?
いや、期待をするとまた辛い思いをするだけだ、ここは冷静に出方を待つべし)
そおっと半開きになったドアの影から、恐る恐るといった奥様の声がしました。
「…どおしますかぁ?」
「何がでしょう?」
ワシが、威厳(去勢?)を持った声で尋ねると、
「…もう、いいです。。。」
と、ドアが閉まって、階下に向かう足音。
これには、沸々とした怒りを覚えました。
わざわざ何かを伝えにきたくせに、『もおいい』とは何事かと思ったのです。
こちらから後を追うのはしゃくだったので、しばらく迷いましたが、
いたたまれず、ついに居間へ出向いて、寝転んで本を読んでいる妻に言いました。
「起きてください」
妻はすぐに、しかし、ゆっくりと座り直してこちらを見ました。
「何を聞きにきたのですか?」
「・・・・・」
「いきなり「どうする』と言われても、
意味が分からないから単純に聞き返しただけなのに、
『もおいい』ってどういうこと?!」
「…今夜は(いつもの)コーヒーを飲みますか?って聞いたんだけど、
怒ってて、怖いんだもん。。。
リラックスのためのコーヒータイムが、リラックスにならないから…」
(なんだ、そっちかよ!!!)
ワシはしばらく黙り込んで、考えましたが、
思いを全部言ってしまおうと腹を括りました。
信じて待つと決めたのに、情けないとは思うけれど、
わかってるのか、わかっていないのか、わからないから、
この際全部ぶちまけようと思ったのです。
「インフルエンザと診断された時は、中止も覚悟した。
それでも、可能性が高くなるかもしれないと思って、
食事や洗濯やマッサージを頑張った。
考えないようにしようと努力はしてたけど、
やっぱり、普段とは違うシチュエーションで、
いつもより素晴らしいセックスをしたいっていう下心もあったんだと思う。
旅行に行けるって分かった時は、自分に言い聞かせたんだ。
(セックスが)できなかったとしても、いい旅行になるようにしようって。
帰った時に、あなたが『いい旅だった』って思えるように全力を尽くそうって。
実際、やりきれたと思うし、ワシだって楽しいと思ったさ。
でも、やっぱりどこかで期待しちゃうんだよ。
風呂に一緒に入るって分かった時とか、
寝る前に湿布貼らないことに気づいた時とか…
勝手に期待して、勝手にガッカリして、
そんな自分が情けなくて…
・
・
別に、謝って欲しいとか、気にかけて欲しいとかじゃないんだ。
そんなふうに思うのは、すげぇカッコ悪いって本当に思う。
・
・
・
でも、やっぱダメなんだよ。
ワシがこんなにヤキモキしてんのに、
お前は、なあんにも気にしてないんだもん。」
「・・・・・」
奥様は、怒ったような、困ったような目で、
じっとワシの目を見て、
黙って聞いていました。
「…下賎な野郎だと思うかい!?
…思っていいよ。
…ワシだってそう思ってるんだから」
言ってしまったら、少し気持ちが収まりました。
そして、今度は恥ずかしくなりました。
キッチンへ行って、コーヒーを淹れ、
いつものように「ばけばけ」を一緒に見ました。
その後もいつもと一緒。
ワシは、歯を磨いて、エロ動画で抜いて、パズルゲームしながら寝落ちしました。
今朝も、帰宅後もいつも通りです。
奥様は、ワシのぶちまけ話に対して、
相変わらず何のリアクションも見せませんが、
対応は優しい感じがします。
やっぱり、どお思っているのかは全く分かりません。
分かりませんが、伝わっていると思います。
そう信じて、奥様が完全に回復し、
「しよう❤️」っておっしゃるまで待ちます。
恐らくその時は、作戦がどうのとか、中イキがどうのとか考えられないと思います。
ただひたすらに、
あの柔らかく、暖かく、すべすべの肌にまとわりつく幸せを満喫するだけです。