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金本よ、若手台頭を阻む大きな壁であれ‐。阪神・和田豊新監督(49)が、金本知憲外野手(43)に猛ゲキを飛ばした。2日、新生和田阪神が安芸の秋季キャンプに向け、高知入り。若手主体、少数精鋭の船出になるが、青年監督はベテランへの激励も忘れず、金本には「今の3倍以上」を求めた。金本という大きな壁があってこそ、本物の若手育成につながる。和田監督の思惑は深い。

 安芸キャンプ出陣を前に和田監督は金本に猛ゲキを飛ばした。甲子園クラブハウスのトレーニングルーム。自主トレに励むチーム最年長と監督就任後初のあいさつを交わした。和田流の礼は“笑顔で握手”という当たり障りのない社交辞令ではなかった。

 「カネ。来年、よろしく頼む。まだまだ頑張って欲しい。今の2倍。いや、3倍以上やってもらわないと困る」

 青年監督の目力(めぢから)が、43歳の負けん気をくすぐった。輝かしい実績を背負うがゆえに、周囲から腫れ物に触るような物言いをされることがある。「遠慮はされたくない」。金本が前政権時代に抱えていた苦悩を理解する。だからこそ、直球で「必要戦力」であることを伝えた。

 今の3倍以上…。和田監督の目には今季の金本のパフォーマンスが物足りなく映っていたのだろう。右肩棘(きょく)上筋断裂の影響で本来の姿が影を潜めたことは承知する。それでも、星野、岡田政権時代を含め、金本の驚異的な回復力を目の当たりにしてきた。「カネはこんなもんじゃない」。今季、報道陣から金本の不振を問われ、何度も口にしてきたコメントに半端ない期待感がにじんでいた。

 10月28日の監督就任会見で、質問が世代交代に及んだとき「まだまだ頑張ってもらう選手もいる」と話した。金本を指した発言だ。「(金本らが)いなくなったからそこを守るのではなく、いるうちにしっかり力をつけて、この選手だったらポジションを譲っても仕方ないというくらいの競争をさせたい」。穏やかな口調ながら、ベテラン、若手横一線の定位置争いをぶちあげた。

 「ホーム球場の器にあった野球。守りの野球」を目指すとも言った。守れなければベンチスタート。聖域なき競争こそ金本ら実績ある選手への敬意にもつながる。そして、真の若手育成にも。

 金本よ、大きく分厚い壁であれ。強くたくましい鉄人が若手の台頭を阻む。和田改革の神髄がそこにある