JR東海のリニア中央新幹線計画で、同社が公表した「環境影響評価(アセスメント)方法書」を審議する県環境影響評価技術委員会(委員長・亀山章東京農工大名誉教授)の初会合が4日、大鹿村で開かれた。委員らは調査対象に挙がっている動植物リストは「不十分」などと相次いで指摘し、JR側は「自治体や専門家の指摘をいただきながらしっかり調べていきたい」との姿勢を見せた。
技術委は12月14日に第2回、来年1月中旬に第3回会合を開いて意見をまとめ、阿部守一知事に報告する。
技術委は動物や植物、環境、水質などの専門家ら14人で構成。この日はJR東海の担当者も出席し、方法書で示したアセスの概要などを説明した。
委員らは、JR側が12月から始める猛きん類生息状況調査に「繁殖情報が確認された猛きん類だけを対象にし、イヌワシなどが抜け落ちている。地域に生息している全種をリストに挙げてほしい」と指摘。
植物や昆虫についても「県指定の天然記念物がリストに入っていない」「最初に『重要なものはない』と判断するのは最も危険。市町村誌などの文献調査を十分に行うことが大事だ」などの意見が出た。
トンネル工事の工法や地下水調査、地質が生態系に及ぼす影響などでも方法書に記載がない部分に質問が集中した。
JR東海は「国の環境影響評価法のマニュアルに基づいて方法書を作成したが、資料不足のところがあった」と認め、指摘なども踏まえて調査を実施していく意向を示した。
技術委は会合に先立ち、県内ルート案沿線の南木曽町内と喬木、大鹿両村内の3カ所を訪れ、現地確認などを行った。
阿部知事は技術委や市町村の意見を基に県意見を作成し、来年2月にもJR東海に提出する見通しだ。
出典:中日新聞