秋田県仙北市の田沢湖で絶滅した同湖固有種淡水魚「クニマス」が昨年暮れ、富士河口湖町の西湖で生息が確認されたことがきっかけで、交流を始めた両市町間で2日、「西湖・田沢湖姉妹湖提携書」を交わした。提携書ではクニマスを絶滅させないため両湖関係者が環境保全に協力するとしており、両市町の友好関係構築にとどまらず、クニマスの生態解明とともに将来的には田沢湖へ西湖のクニマスの里帰りを目指したいとする思いが込められている。
提携書調印は同町で行われ、西湖でクニマスの生存を確認した京都大の中坊徹次教授が立会人となり、仙北市の門脇光浩市長と富士河口湖町の渡辺凱保町長が提携書にサインした。
西湖のクニマスは、約70年前に田沢湖の漁協関係者が分散生息させる目的で受精卵を放流したまま生存が確認されていなかった。しかし昨年、中坊教授の研究で西湖で捕獲した魚からクニマスがみつかり、生存が確認されたという経緯がある。
渡辺町長は調印後、「クニマス生存は自然の大切さを教えてくれた。湖の環境保全に努めた湖畔住民に感謝する。自然と人との共生を改めて感じた。クニマスの育成方法を見いだし、田沢湖への里帰りを願っている」と語った。門脇市長も「クニマスの発見に感慨無量だ。中坊教授には感謝する」としたうえで、さらに「究極の目的は田沢湖へクニマスが里帰りすることだ。ただ田沢湖は(水質浄化が進まず)クニマスを迎える状況にない。提携を機に田沢湖回復に動き出す。長い年月を要するだろうが、必ず里帰りできるだろう」とも語った。
両市町長が提携書を交わしたことで“田沢湖へクニマス里帰り”という長期計画が示されたことになるが、中坊教授は提携書の「西湖の環境保全」に関して、行きすぎた人為的環境規制はクニマス生存に逆効果と指摘し、漁獲禁止などの措置を否定した。
出典:MSN産経ニュース