「国債は国民預金から借りて買っている→銀行預金が減ってしまい国債を買うお金がなくなり財政破綻する」、 「借金は返さなくてはならない将来のツケだ」、 「日本はGDPの〇〇〇%も債務残高があるので国債発行すると信認を失う」とされてきました。

 

 そこで、1997年から我が国は財政健全化という大義が優先され、財政支出の抑制消費増税という最悪な政策がとられてきました。・・・尚、この選択は御用学者のみならずリベラル系学者や与野党の政治家からも賛同を得てきたことを忘れてはなりません。

 

そして、その結果はこうなりました→「失われた25年 1997年の衝撃」

 

日本だけがゼロ成長だったと言うことは、間違った政策が採用されたからにほかなりません。

 

どこが間違っていたのでしょうか?

 

1.国債を国民預金から借りて買っている、と勘違い

  わが国は戦後のインフラ整備を財政投融資で賄ってきました。この原資は郵便貯金や年金積立金が使用され(いずれ返済しなくてはならない借金だった)、その規模は予算の50%近くを占め第二の予算とも言われてきました。

 

 しかし、2001年から郵便貯金等からの調達が停止されることになり、代わって国債に比重がおかれるようになりました。

 

 そこで日本銀行は、民間金融機関に国債を買ってもらうべき便宜をはかることになりました。・・・2001年に「日中当座貸越基本要領」を作成して、お金を日銀当座預金にスムーズに供給する仕組みをつくりました。いわゆる「日銀の信用創造」による通貨供給です。

 

■このような制度が構築されたのに、「国債を国民預金で買っている」と主張している人達は、昔からの財政投融資のことが頭にあり、国債も国民預金で買っていると勘違いをしているようなのです。

このような人達です→「国債を国民預金で買っていると勘違いしている著名人」

 

 

■国債を国民預金で買うことは、現実的にはあり得ない、と税理士さんが解説しています

「国債を国民預金で買うことができるか?」  (この12分以降に日銀による通貨供給について解説があります)

 

 

■国債発行によって国民預金が減るのではなく逆に増えています。

ここを参考にして下さい→「国債は国民資産を産んでいる」

 

 

■解説動画にもでてきたウィキペディアにある「日本国債」--「発行と流通のしくみ」より

引用

・・・「銀行は集めた民間預金を元手に国債を購入しているわけではなく、日銀が供給した日銀当座預金を通じて、国債を購入しているため、銀行の国債購入は、民間預金の制約を一切受けず、銀行が国債を購入して政府が支出する場合、銀行の日銀当座預金の総額は変わらない。

 また、政府が国債を発行して、財政支出を行った結果、その支出額と同額の民間預金が新たに生まれる。つまり、政府の赤字財政支出は、民間預金を減らすのではなく、逆に増やすことになるそれゆえ、財政赤字の増大によって民間資金が不足し、金利が上昇するなどということは起き得ない」・・・

 

 

■財源論には右も左もありません。国債発行の仕組みは政治的には中立です。

自民党の西田議員の解説動画です。民主党政権時も行われていたことですので野党関係の人も否定できない事実です。→自国通貨建て国債を民間銀行が買う絶対的な理由

 

 

 

国債購入資金は、国民や企業等からのお金を借りたものではなかったのです。

我々が教えられてきたことと真逆なことが行われていたのです。

 

 

 

2.国債は将来世代のツケ、と勘違い

 まずは、この見解をご一読ください。

 

■「奇跡の経済教室」の著者である中野剛志氏→「国債は次世代へのツケ」が嘘である理由
引用・・・

「国債の償還財源は、将来世代の税金でまかなわれなければならない」という間違った発想をしているから、そういう話になるんです。だって、自国通貨を発行できる政府は永遠にデフォルトしないのだから、債務を完全に返済し切る必要などありませんからね。
 

 つまり、国債の償還の財源は税である必要はなく、国債の償還期限がきたら、新規に国債を発行して、それで同額の国債の償還を行う「借り換え」を永久に続ければいいのです
 実際、それは先進国が普通にやっていることです。だから、英米仏などほとんどの先進国において、国家予算に計上する国債費は利払い費のみで、償還費を含めていません。
 

 政府債務は完済しなくてもいいのだから、英米仏のやり方が理にかなっていると思いますけどね</u>。ともあれ、国債の償還は必ずしも税金でまかなう必要はなく、新規国債で「借り換え」を続ければいいのですから、国債を発行しても将来世代にツケを残すことにはなりません。・・・この「事実」を知らずに、消費税増税にコロナウイルスが重なって、「恐慌」すらも 起こりうる状況下で、国債発行による財政出動を躊躇するようなことがあれば、国民は”どん底”に叩き落とされるかもしれないと心配しています。」(引用終わり)

 

文中にあるように、欧米は以下のように元本返済などしていないのです。

 

この下表は財務省がまとめた一覧です。

(朱色はネットにアップされた方が加筆したものです)

 

 

 細かくて見にくいかも知れませんが・・・各国は「財政が黒字になれば借換債で返済する」ようになっています。つまり、赤字財政ならば、利払いだけで良いことになっているのです。

 

 

また、下記の予算表をご覧頂くとお分かりのように、欧米では元本償還は予算化していません。

 

 

 

 もともと信用創造による借り入れの場合は元本返済は不要とのことです。

税理士さんの解説→「信用創造について」(必ずしも元本返済は必要ない)

 

また。この頁も参考にして下さい→「日本の国債償還はこのように行われている」

(借換債も国債も、日銀の信用創造で供給された日銀当座預金で買われています)

 

 

国際償還は国民が負担すべきものではありませんでした。

将来のツケにもなっていませんでした。

 

 

3.債務残高/GDPが200%超で「円の信認が失われる」、と勘違い

 国債について勘違いしている緊縮派からは「日本の債務残高(1100兆円)がGDP(500兆円)の2倍超になっているので、これ以上の国債が発行されると、円や国債の信認が失われて暴落してしまい財政破綻が起こったりハイパーインフレになる」と言われています。

 

 しかし、彼らの考え方の基本は上記1(国債購入の原資)や2(償還)について、勘違いからきていますので的外れの主張になっています。

 

 実際に行われていることからみれば、国債残高の規模は単なる国債が発行され、国民資産を増やしてきた記録に過ぎないと言うことです。

 

 仮に100歩譲って、この1100兆円が返済しなくてはならないさ債務だとしても、そもそもこの残額は数十年間にわたる累積額であり、それを1年間のGDPと比較することがどれほど意味のあることなのか、ということになります。・・・なにもこれは私が言っていることではなく、国債発行に否定的な井手栄策氏も指摘していることです。

 

 2でみてきたように、国債はどこの国でも利払いはしていかなくてはなりません。そのようなことから、世界の潮流(各国の中央銀行総裁、米国財務大臣、ノーヘル経済学者等)は、利子率(利払費)と経済成長率(GDP)との比較で財政支出を考えるようになってきています。

 

この表はCargo氏が作成してくれたものです。下に行くほど今日的な方向になっています。

 

 

 ちなみに、金利は中央銀行がコントロールできる状態になっていますので、GDPを伸ばしていけば財政支出は可能になるということになります。

 

 

また、この下グラフは利払費とGDPとの比較グラフです。

 

左が債務残高/GDP比  右は利払費/GDP比

右グラフのように、日本は利払費が他国と比べても最も低いので財政支出が一層可能な国とされています。

 

 

 

さらに加えて言うと・・・日本国債の50%近くは日銀が保有しています。日銀は政府の子会社(資本金の55%を政府が出資)ですが、国債の利払いを政府から受けています。・・・しかし、日銀は営利企業ではないので、その受け取り利益は、決算時に政府に返納することになっています・

 

つまり、日銀保有の国債については事実上は元本償還も利払いも消滅しているようなものなので我が国に財政問題は存在しないとの意見もあります。

 

 

 

4.財政支出の規模はインフレ率に左右される

 国債発行によって賄うという意見については、懸念材料としてインフレ問題があります。

 

 マイルドな経済成長時にはインフレ率2%~4%と言われており、政府の目標もインフレ率2%になっています。

 それでは、高インフレにならない財政支出規模はどの程度なのか?

 

れいわ新選組」が参議院の調査情報室に依頼したシュミレーションが公表されています。
 

 国民一人当たり毎月10万円、4年間に渡って給付した場合(毎年144兆円の国債発行)の結果が下記のグラフです。

 

 


 毎年144兆円規模の国債発行であっても3年目が最高になりますが2%には届きません。 ちなみに。このシュミレーションはコロナ過の前ですので、需要が低下している今日では200兆円規模でも高インフレにはならないと言われています。

 社会保障、インフラ整備、気候変動対策もこの範囲で財政投入していけば、経済成長もついてきます。GDPも拡大していくことから債務残高/GDPを心配する人達も不安が解消することでしょう。
 

 

 

 

5.財政投入先をどこにするかも大事なこと

 4のように、我が国では財政出動が十分にできる余裕があります。

 

インフレは、需要と供給の関係で決まりますので、需要拡大と共に供給体制も大きくしていくことになります。、

 

 

(1)ベーシックサービスの充実

 子育て、教育、医療、介護、障碍者福祉といったベーシックサービスを全ての人に無償で提供した場合、17兆円~19兆円あれば実現できるとされています。

これは優先的に行われるべき政策です。

ベーシックサービスは国債発行で!

 

ベーシックサービスを消費増税(6%~7%引き上げ)で賄おうとする意見もあります。その意見は「貨幣の又貸し説」に基づき国債を国民預金で買っていると勘違いしています。

 

 

 

(2)老朽化したインフラ更新

トンネル、橋脚の改修や防災対策(水害、巨大地震等)にも大胆に投入していくべきです。

政府の財政支出が行われると民間経済も活気が出てきて賃金や雇用も改善されます。
 
 

 

(3)気候変動対策

脱原発を視野に入れながら早急に取り組む課題です。

反緊縮グリーンニューディール

 

 

(4)消費税を廃止する

税金は格差是正とインフレ対策が目的です。所得税、法人税、金融資産等の累進税率を強化し格差是正を図るなかで、悪税である消費税は直ちに廃止すべきです。

 

消費税は需要を抑制しているばかりでなく、賃金の引き下げ、非正規雇用増加の元凶になっています。さらに、インボイス導入で340万事業者が廃業の危機を迎えるとも指摘されています。

消費税の真実

 

 

 

6.最後に

多くの国民が「国債についての勘違い」から解放されるようになると歴史が変わると言われています。

 

少しづつですが、この勘違いの修正の動きが生まれています。

 

本年度の大学共通テストにもちょっとした異変がありました→大学共通テストの波紋

(「貨幣の信用創造」と「日銀の買いオペ」の件で高校教科書の間違った記述の修正を迫るような問題が出題されました)

 

いずれにしても、国債は借金どころか国民生活を豊かにしていくための通貨供給ツールのようなものです。

 

 政府が赤字状態の時は、その分は国民の資産は黒字の状態です。(政府が赤字の時が正常な状態なのです)・・・政府を黒字にしていくと(税金で国民金融資産をとりあげる)、国民は赤字になり日々の生活が脅かされることになります。

 

 

以上です。

 

 

その他、国債について疑問がありましたら次の頁も参考にして下さい。

国債についてのQ&A

国債についての総まとめ

信用創造について