我々は、国債について次のように言われてきました。
 

「国債はお金持ち(銀行預金や企業の内部留保)からお金を借りて購入している。
このような著名人から聞かされていました>

 

このような著名人からです→7.国債購入は国民預金で買っていると主張する著名人

 

 

彼らの共通な主張は・・・

①「高齢化社会を迎えて貯蓄が減るなかで、新たな国債を購入することが困難になり、いずれ財政破綻する
 

②その借金が1000兆円を越えてしまった。
 

③次世代がこの借金を返済していかなくてはならない。
 

④増税と緊縮で財政健全化を図るべきである。

しかし、これらは財務省の恣意的なプロパガンダであることが分かってきました。
(以下の内容は、財務省が最も嫌がることだそうです)

 

(1)国債の売買は、日銀内に設けられた日銀当座預金で行われていました。
実体経済のなかの国民預金や企業の内部留保は一切使用されていませんでした。

その日銀当座預金口座を持てるのは金融機関のみです。・・・一部国民が国債を保有していますが、これは金融機関が商品として販売したもので、国民が直接的に政府から購入したものではありません。

この日銀当座預金は、実体経済にある銀行預金とは全く別のお金であり相互に融通し合えるものではありません。

下図・・・右側の②が日銀当座預金、左の①は実体経済の中の銀行預金


両者の間には越えられない壁があります。

※民間銀行が緊急に現金(紙幣、硬貨)が必要になった時とか、銀行間のやり取りをする時に使用できる程度で、実体経済の中で貸出資金として使用できるお金ではありません。

(2)国債購入の原資としての日銀当座預金は、元々は日銀が供給したものでした

国民のお金を集めたものではありません。99%の人達がこの点を誤解して、国民預金から国債を買っていると考えています

①この点は国債を理解するうえで最重要なところですので、税理士さんの解説を視聴して下さい。この内容が確認できれば、国債の本質がほぼ理解できたことになります。

 

特に、動画の12分~が重要なポイントになります。
2002年に日銀が原資を民間銀行に供給するための要綱が創られたことが説明されています。解説動画→銀行は国民の預金で国債を買ってる!ホントか?ウソか?


②黒田日銀総裁も「国債は日銀当座預金で買っている」ことを国会質疑の中で認めています。
参議院院・財務委員会2019年5月9日  0:00〜1:20 
以下、文字起こし
質問・・西田昌司議員
「政府が国債を発行する時、民間の日銀当座預金が減って、その分 政府の日銀当座預金が増える、このように認識していますがどうですか?」

答弁・・黒田日銀総裁
「新規国債発行時点において民間金融機関の日銀当座預金が減り政府の日銀当座預金が増えます」
(引用終わり)

 つまり、政府が必要とする資金を、政府の子会社である日本銀行が「国債を買ってね」と民間金融機関に供給していたのです。

(民間金融機関は、国債を担保にして日銀からの提供を受けますが、最終的にはこの資金は日銀に返済され、民間銀行は国債そのもののを保有するような仕組みになっています)。

つまり、国債は誰かからの借金で買われているのではないということです。

 

(3)上記のことに基づき、国債発行により国民資産が増えるまでのお金の流れをみてみます。
とてもシンプルなことですので最後までお付き合いください。

 

①政府がコロナ専門病院を某市に60億円かけて建設しようと計画したとします。

②政府はお金を確保するために60億円の国債を発行し日銀ネットで入札にかけます。入札は予算に基づいて計画的に行われます。

この財務省の入札計画をご覧ください→入札カレンダー


※余談ですが・・・
財務省は、4月1日の年度当初から国債や短期証券等を発行・入札を行い資金を確保しています。税金を確保しなくても必要なお金を確保しているのです。
国債等の発行によりお金を確保→職員への給与支払い、必要な事業に支出→税金で回収という流れになります。
税収があって支出ということではありません。これが国家財政が地方自治体とは異なるところです。


③、②の国債をY銀行が落札して、60億円がY銀行の日銀当座預金から政府の日銀当座預金口座に振り込まれます。

ここで政府に渡るお金が生まれました

④政府は・・・国立コロナ病院を建設してくれたA建設に60億円の小切手を渡します。

⑤A建設は小切手を地元の民間銀行に持ち込みます。

⑥地元の銀行は、小切手に記載されている60億円をA建設の通帳に記帳します。 
→この時点で、実体経済のなかにお金が新たに生まれたことになります。

→A建設は、そのお金で従業員の給料や材料費等の経費を支払います。
多くの人達にお金が回ることになります。
同時に国立コロナ病院も新たに誕生したことになります。

⑦A建設に60億円を振り込んだ地元銀行は、小切手を日銀に持ち込みます。

⑧日銀から通知を受けた政府は、当該銀行の日銀当座預金口座に60億円を振込みます。
→これで地元銀行がA建設に振り出した60億円分は相殺されます。
(日銀当座預金の総額は変化しなかったことになります)

戻された日銀当座預金は新たな国債購入資金として使用されます

⑨Y銀行が所有する国債の償還は、満期がきたら新たに借換債に引き継がれ最後は日銀に買い取られたり、60年満期がきたら消滅することになります。

尚、償還については、ここを参照して下さい→「3.国債償還はこのように行われている」へ
・・・・国債の償還においても国民の負担は全く不要ということが理解できると思います。

この頁(1.国債は国民資産を増やしている).と上記の(3.償還について)から、言えることは、「国債は誰かからの借金ではなく、償還においても税金が充当される必要がない」、ということです。

 

誤解をー恐れずに言えば、国債というのは、「国民生活のなかにお金を供給するためのツール」のようなものと言えます。あるいは、国債=通貨ともいえるのではないでしょうか?

その橋渡しをしている民間金融機関にとっては、国債とは利子付きの定期預金のようなものです。
 

 そうであるならば、無制限に国債の発行ができるのかと言うとそうではありません。国債発行限度額はインフレ率に制約されることになります。

 

そのインフレ率をめぐる見解ですが・・・
①政府・・・インフレ率2%が目標
②自民党・西田議員・・・4%~5%であれば可
④れいわ・山本代表・・瞬間的に10%の時があっても5年程度の平均2%~3%なら可

 

その財政規模としては・・・
どの程度の財政支出でインフレ2%程度になるのかということになりますが、次のような試算があります。

→参議院情報室のシュミレーション・・・・「れいわ新選組」からの依頼で国民一律に月10万円、4年間給付した場合、144兆円の国債発行になりますが2%に届かないとされています。(下表)





これは、 コロナ前での試算ですので、需要が落ち込んだ現在では150兆円~200兆円規模の財政支出が可能との意見もあります。

いずれにしても、社会保障であれ、インフラ整備であれ、必要な財源は国債発行によって十分に確保することができるのではないかということにもなります。

 また、最近になり、「税は財源ではない」との主張が散見されるようになりましたが、このような国債についての認識からくるものと思われます。ただし、そのような主張であっても税は景気調整(インフレ調整)と格差是正のためには不可欠とされています。

 

以上が、国債発行に伴い国民資産(預貯金、現金)が産み出されるプロセスについての概要になります。

 

 

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