スラド「消費者庁、根拠のない効果を提示して水素水を販売していた業者3社に対し行政処分」より
所詮ただの水に「ダイエット効果や肩こり軽減効果」なんてあるわけないでしょ。ついに景品表示法の優良誤認に認定されましたか。
さて今回行政処分を受けた3社の対応をみてみると、実に面白いです。第五条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。
一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
●株式会社マハロ「ビガーブライトEX」

消費者庁からの資料提出に対して、「ヒトを対象にした実験資料の保管に不備」があったとはいったいどんな言い訳なのでしょう(不覚にも STAP細胞を思い出してしまった。笑)。なお昨年11月にダイエット効果について販売サイトから削除・修正が完了しているため、現在もしれっと販売中なのですが、

いまだに掲載されているリピータの声について、「体験談を送って来る人はその商品を購入して効果のあった人が多いと考えられ、効果のなかった人との比較が正しくできないことなどから、客観的に実証されたものとは認められない」ものです(表示に関するQ&A|消費者庁)。
72mg/L のシリカ含有量で500ml×30本が7000円弱なら、シリカ入りの天然水を買って飲んだ方がはるかに安上がりなんじゃないですか(笑)
●メロディアンハーモニーファイン「水素たっぷりのおいしい水」
こちらは消費者庁の問い合わせに「水素が脂質代謝を促進!血糖値の急上昇も抑制」「炎症を抑える効果で肩こりや筋肉痛を軽減!」などにデータがないことを素直に認めてしまったようですね。
そのため「当面、新規の販売を自粛させて頂いております」とのこと。つまりほとぼりがさめるまで新規の販売はしないけど、今までに注文してくれた定期コースの人には発送を続けるよということですね。
お客様の声にも「個人の感想であり、効能・効果を保証するものではありません」とありますね。凍らせて外へ持っていくことができて、飲み終わったらゴミも小さくなるという感想のどこが有用なのかよく分かりませんが(笑)
しかしながら60代男性曰く「結構ハードな運動をしていて最近疲れやすいので少しでも改善できればと思い注文しました」ですか。水素水に手を出すとは、デスクワークの仕事を退職した後に始めたゲートボールのことかな(笑)。いったいどんな運動をしているのか知りませんが、納豆や豆腐などのたんぱく質多めの食事で改善できなければ、プロテインやアミノ酸飲料を試してみるのがふつうでしょうね。
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ウイダーinゼリー プロテイン ヨーグルト味 180g×6個
1,296円
Amazon |
アミノバイタルはハードな運動前に飲むのが効果的。顆粒タイプの製品よりゼリードリンクのほうが水なしでどこでも飲めるし、近所のドラッグストアで1パックから買えるので入手も容易です(ウェルシアやハックドラッグで買うと安い)。ほら飲み終わったらゴミも小さくなってエコだな、と(笑)。
ウィダーinゼリーのプロテインはコンビニに行けばたいてい売っているので、運動後に必要な時だけですね。なおプロテインは様々な種類があるので、値段につられて買わないこと。僕個人も Amazon で定期購入しているウィダーの粉末プロテイン(しかも1kg)がありますが、「バニラ味」が飲みにくくて次はどうしようかと悩んでいる最中。
ちなみにハードな運動をしない人は Amazon 以外で買わないでください。必要とする人が必要な時に売り切れているのは困ります(笑)
●千代田薬品工業「ナチュラ水素」
「20歳からガクーンと基礎代謝が下がる」「基礎代謝が落ちると、より太りやすい体質になってしまいます」ともっともな文言のあとに「これをサポートできるのは『水素』!!」と主張していたのですか。この大きく盛った水素ダイエット広告は見たかったな(笑)。
今こちらのショッピングサイトで「300以上の学術論文がある」という文言がありますが、これはこちらで販売している水素タブレットのデータではなく、あくまで水素について。
それから「水素をどんどん取り込もう。」とありますが、「水素分子(水素ガス)は腸内細菌によって体内でも産生されている」のをご存知ですか?
僕もスラド「協同乳業、「腸内で効率的に水素ガスを産生できる乳飲料」を発売」という記事が出るまで知らなかったのですが、協同乳業のプレスリリースにはこうありましたね。
http://www.meito.co.jp/news/20170201nr.pdf
腸内酵素のラクターゼが多い人は牛乳を飲んでも水素ガスが発生しにくかったのですが、「ガラクトオリゴ糖・マルチトール・グルコマンナンを組み合わせることで、90%以上の方の腸内フローラで水素ガス濃度の増加を確認した」そうです。
それから「ヒトにおける呼気水素ガス試験による発酵分解評価の有効性とそれに基づく各種食物繊維素材のエネルギー評価の試み」によると、
呼気水素ガス排出はブドウ糖摂取ではほとんど観察さなかったが、フラクトオリゴ糖摂取では摂取90分後ごろから排出し始め、3~4時間後にピークを示し、6時間後まで徐々に減少した。それ以後8時間まで水素ガス排出は持続した。
(略)
しかし本研究において示したAUCは試験物質摂取後8時間までのものであり、すでに述べたように摂取8時間以降も水素ガス排出は持続している。したがって、ここに示したものは腸内細菌による資化性の速さを示しているに過ぎず、それぞれの食物繊維素材を口に入れてから排出されるまでに発酵分解によって利用される比率を示したものではない。
牛乳だけでなく、日々の食生活で摂取される食物繊維でも長時間腸内細菌から水素ガスが産生されていることが知られています。
それでも水素水を摂取するメリットはあるのでしょうか。こういう研究があります。
水素水は胃のベータ1受容体活性化を介してグレリン産生を促進し,パーキンソン病モデルマウスのドパミン神経の脱落を軽減することを発見
以前、パーキンソン病モデルマウスにおいて、水素水の長期飲用が中脳黒質・線条体におけるドパミン神経細胞・神経線維の脱落が顕著に抑えられることを報告しましたが、その作用機序については不明でした。
(略)
胃において水素水はグレリンにシグナルを変換する事により脳に対して十分な強さの保護効果をもたらすことができると考えられ、吸入では効果がなく、腸管内での細菌由来の産生を増大させても効果がないというこれまでの報告にも矛盾しない結果が得られました。
水素水を飲み胃でグレリンというホルモンが分泌されることで、パーキンソン病モデルマウスにおいて脳を守ることができたそうなのですが、ヒトのグレリンは食欲増進とか成長ホルモンの分泌調整に役立っています。
パーキンソン病マウスについて、もうひとつ、名古屋大学の研究をご紹介します。
動物実験のネズミは可哀想ですが、「水素水を飲まないネズミ」と「水素水を飲んだネズミ」の動画は必見なので、ぜひリンク先をご覧いただきたい。
さてネズミで顕著な違いが出たことから、現在はパーキンソン病患者に水素水を投与する研究を進めているそうですが、「便秘になっているヒト(2日に1回)は、便秘のないヒト(一日2回以上)のなんと4倍もパーキンソン病になりやすい」という研究があるそうで、パーキンソン病患者は腸内水素ガスが発生しにくい可能性もあるとか。そういう人は体内で作られにくい水素を水素水で補うことで何らかのメリットを享受できるかもしれません。
とはいえ今回さらっと調べてみた限り、美容や健康増進に役立つという水素水通販サイトのお決まりの効用は科学的に実証されていないと思います。
【2017.3/24追記】なんだこれ。配送料込みか。さすがにこの値段では買う気はしないな。
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