私どもがエコールの門を叩いたのは、娘が年中に上がる直前の春でした。エコールを選んだ理由は、憧れの学校に多くの実績があり、体験授業できめ細やかなご指導が受けられると感じたからです。
通い始めたころの娘は線描きが薄く、作業にも時間がかかってばかりいました。多くの課題を抱えたなかで気持ちばかり焦っていましたが、毎回の授業と宿題を着実にこなしていくことで、徐々に力がついていったように思います。
教材は先生方が手作りされたさまざまな良問が詰まっていて、宿題もその週に習ったことをしっかり復習できるように考えられています。また、年長の4月からは、個別授業も加わり、志望校に合わせて難しい問題などにもチャレンジしていきます。
この、授業・宿題のルーチンと個別の組み合わせがすばらしくて、ペーパー、巧緻、行動観察、口頭試問など入試科目をバランスよく網羅できるので、共働き家庭の私どもは、まとまった時間を確保しにくい中でもしっかりと苦手分野を克服していくことができました。
また、エコールでは、毎回授業の後にご講評を伺う時間があります。全体的にできていない問題やこの時期に取り組んでおくべき単元などのほか、「○○ちゃんはこれをしっかり復習してください」「ちぎり(○)、はさみの使い方(×)」など、娘の今の課題や何ができて何ができていないのかを的確にアドバイスいただきました。
そのほか「(授業中に)物をよく落とします」「じっとしていません」など、耳の痛いお言葉もありましたが、ここまで丁寧に一人ひとりを見てくださり、厳しくも温かいご指摘をいただけたからこそ志望校へのご縁に繋がったのだと思います。
厳しいだけでなく、プロフェッショナルの視点で生徒一人ひとりを本当によく見ていてくださいます。娘も、普段親が気に留めないような娘らしい点についてお褒めいただくことが何度かあり、それを基に願書のエピソードを練り上げることができました。他の生徒さんの良い取り組みなどもご紹介くださり、我が家でも取り入れてみようと思うことが多くてとても勉強になりました。
このほかにもエコールに通ってよかったと思う点があります。それは、生活習慣全般についてのご指導です。どんな朝ごはんを食べているのか、お誕生日の過ごし方、好きな本など、何度もくり返しアドバイスくださいます。
「そこまでするの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、私どもの家庭では、ご指導いただいたことを意識して日々の生活を整えていくなかで、女子校らしさや志望校らしさへの理解を深め、お試験や面接に挑めました。
そして11月1日の試験直前に、娘が劇的に変わった!と思う瞬間があります。それは、最後の授業での先生方の力強い応援です。ぜひエコールに通って体験していただきたいので、ここでは詳しい説明は控えますが、「ここまでしていただけるんだ」と親の私も感激してしまいました。
最後の授業が終わって家に着いたとき、娘が「やっぱりエコールのお友だちと一緒の学校に行く」とボソッとつぶやきました。先生方からパワーをいただき、娘の中で「素敵なお姉さまになる!」という気持ちが確固たるものになったのだと思います。
受験までの2年弱を振り返ると、娘は決して状態が安定していた方ではありませんでした。特に年長の夏休み以降、できるようになったと思っていた図形分割や基本的な数の問題でミスが続いた時期もありましたし、夏休みを過ぎても縄跳びやボールなげなど運動にも課題がありました。
心がくじけそうなときもありましたが、それでも最後まで、「この問題、何度もなさってください」とか「この学校を受けるなら今からでも縄跳びを練習してください」と具体的なアドバイスをくださったおかげで歩みを止めずに進み続けることができました。
ここまで導いてくださったエコールの3人の先生方に心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。