立教女学院小学校の2025年度入試を
振り返ってみたいと思います。
面接
例年通り、10月に事前面接があり、
本年度の日程は10/15〜18までの4日間でした。
生年月日順に呼ばれました。
面接前にアンケート記入があり、
家族の名前、年齢、通学経路、
起床就寝時間、アレルギーの有無、
「お仕事や家庭のことなど保護者に関して学校に伝えたいこと」の記入がありました。
このアンケートの書き方については、私どもは願書共々、かなり練り上げます。
そして続いて親子面接です。
所要時間は10〜15分。面接官はお二人。
子どもには、
名前、幼稚園名、担任の先生のお名前
父母には
通学経路の確認、アレルギーの確認の後、
数ある私立の中でなぜ本校か?
なぜ私学で女子校でキリスト教か?
子どもの成長を感じたところは?
子どもの課題だと思うところは?
幼稚園ではどんな子どもだと言われているか?
子どもはどんな存在か?どんな子か?
兄弟との関わりは?
そして願書の中からの質問のあと、
子どもだけ前に呼ばれます。
たくさんの昔話の絵を見せられて、
知っている昔話を指でさす指示の後、
どんなお話か教えてください。
好きな本は何ですか?と、
本について質疑が発展されます。
動物のカラー写真を見せられて、
飼いたい動物は?なぜ?
その動物とどんなことして遊びたいの?
お世話できる?
好きな動物は?なぜ?
怖そうな動物は?鳴き声は?
ご飯の絵を見せられて、
食べたいものは?
嫌いな食べ物は?それはお家ででてきますか?
出たらどうしますか?
そこから質問が発展して、
どんなお料理が好き?
いつも誰がご飯を作ってくれるの?
お母さんのお料理で何が好き?
幼稚園での好きな遊びは?
家族の思い出は?
終始和やかな面接ですが、
子どもの動作をしっかりと見られている、
という印象を持たれたご両親が
多くいらっしゃいました。
「昔話」「動物」「ご飯」と、
家庭での日常生活の様子がそのまま
観察される面接となりました。
好きなお料理等、「食」に関する質問は
立教女学院に限らず、たくさんの学校で
聞かれる質問です。
ご家族の関わり合いの中で、
どのような体験を積み重ね、
どのように心が育っているか、
お子さんの気持ちを
お子さん自身の言葉で
しっかりと伝えることができるかを
問われる面接であったと感じます。
とても短期間の対策で向かえる面接ではなく、
私どもも、日頃より「読書」と「食育」の
大切さをご両親と共有しつつ、
時間をかけて、
体験量を増やし、心の育ちを積み重ねること
を意識して毎回の授業を進めております。
本試験
例年、11/3が考査日でしたが、本年度は日曜日と重なり、11/4が考査日となりました。
生年月日順に7:30、9:50、12:15の3回の呼び出し時間に分かれ、それぞれ2時間ほどの考査となりました。
ペーパー
・お話の記憶
キツネとウサギのクッキーにまつわるお話。
りなちゃんとお母さんがオムライスを作る話。
りなちゃんとお母さんがオムライスを作る話。
・数の問題
森の絵。たぬき、キツネ、リス、うさぎ、鳥がいる。赤と青のキノコは多い方を選んで。黄色い花の数を数える等々。
・ぱったん図形
格子の中に〇△□があり組み合わた形に〇をつける。
・言語
最後に「き」がつくものに◯「つ」がつくものに✖️
・歌の問題
「たきび」「真っ赤な秋」等の歌を聞き、指示された絵や季節に◯をつける。
「たきび」「真っ赤な秋」等の歌を聞き、指示された絵や季節に◯をつける。
・サイコロの問題
色のついたサイコロの絵がたくさん書かれている。指示されたサイコロを探して指示された形を書く(黄色の6に〇といった指示)。モニターの先生が読んだサイコロの点と点を線で繋ぐ
・じゃんけん
男の子と女の子のじゃんけんで、勝ったら進むゲーム。(グーは1、パーは5、チョキは2、あいこと負けはそのまま)3回じゃんけんし、女の子が進んだところに〇をつける。
・じゃんけん
男の子と女の子のじゃんけんで、勝ったら進むゲーム。(グーは1、パーは5、チョキは2、あいこと負けはそのまま)3回じゃんけんし、女の子が進んだところに〇をつける。
巧緻性
①自分のテープの色と同じ色の場所にある画用紙を取ってくる。
②四つ葉のクローバーの紙を線に沿って切り、画用紙の6等分にされた左上のマス目に貼る。
③マス目の星とハートを好きな色で塗る。
④右下のマス目の白丸に白いシールを貼る。
⑤6枚のカードに切り分ける。
⑥4人でグループになり、1人6枚のカードを裏にして重ね、上のカードから1枚ずつ出し、一番多い数の人が全員の出したカードもらえる。同じ数の場合はじゃんけんで決める。最後に持っているカードの枚数を数えて勝敗を決める。2回戦やる。
運動
スキップ、ギャロップ、前転2回、クモ歩き、お手玉くらいのボール2個を遠投。
行動観察
折り紙、風船、輪投げ、パターンブロック、ケンケンパなど、グループで自由に遊ぶ。
風船をお友だち8〜9人と手を繋いだままつく。
途中で呼ばれて、やめと言われるまで塗り箸で小さな消しゴムをお椀に移す。
以上、2時間の考査は盛りだくさんでした。
ペーパーもお話の記憶、数、図形、サイコロ、言語、歌に絡めた季節と分量が多く、スピードが要求され、「最後まで終わらなかった」という声も聞きました。
巧緻性も、ハサミが硬くて時間が足りなかったり、普段通りにはいかないこともありました。
机の中からお盆を出すところから始まる指示も、しっかり聞いた上で、手早くカード作りの作業をしなければゲームを始められず、先生に手助けしていただくことになります。
運動も、「やめと言われたら体育座り」等の座り方の指示、どこからどこまでボールを投げるかの指示、投げ方の指示、ケンパーの指示、終わってから待っている間の指示まで、細かく出される指示をしっかり聞かなければなりまけん。
最後の行動観察の自由遊びは、お片付けもあったそうで、その指示を聞けているか、きちんと率先してお片付けできたかどうか、日頃からお話をきちんと聞く姿勢が育っていませんと、楽しいだけで終わってしまいます。
本年度の立教女学院小学校の入試は、二日間にわたり、
⭐︎対話力を求められる「面接」
⭐︎全分野、抜けのない総合力、応用力、スピードを求められる「ペーパー」
⭐︎指示を的確に理解し、素早く行動に移せる能力が求められる「運動」
⭐︎指示の理解と手早い作業が求められる「巧緻」
⭐︎コミュニケーション能力と指示を聞き取る力を求められる「集団行動」
立教女学院らしい、幅広い分野の発達を、じっくりと丁寧に観察される考査でした。
72名の募集定員に524名の受験生が集まり、本年度も心身共にバランスの取れたお子さん方による、レベルの高い入試となりました。